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エンジニアが「物語の体操」を読んでみた

2023/05/21に公開

背景

コミュニケーションには人を納得させることが必要です。
人を納得させるには、物語を語ることが最も楽だと思っています。
今回は物語をさくせいするために「物語の体操」を読んだので、そちらのお話をさせていただきます。

注意:
この文章は、あくまでもこちらの本を読んだ感想とまとめです。
ですので、ある程度飛ばしてしまっている部分もありますのでご了承ください。
具体的な中身や方法を知りたい方は本を購入・または図書館で借りて確認してください。

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全体の感想

この本は物語をうまく作るための筋肉を鍛えるためのトレーニングをまとめた本である。
対象とする読者については小説や原作、ストーリーに関わるものの職につこうとしている学生向けに書かれているように感じた。
そのため、読んだだけで理解した気分になっている私は下の下であり、正しい使い方ではないと思う。

作者が文章自体は非常に読みやすく非常に短い時間ですっと読んでしまえるので個人的にはおすすめである。

各説明の内容

カードを作った練習

この練習では下記の項目のカードを24枚用意して6枚引いて物語を構築します。
カードの種類は下記となります。

知恵、生命、信頼、勇気、慈愛、秩序、至誠、創造、厳格、治癒、理性、節度  
調和、結合、庇護、清楚、善良、開放、変化、幸運、意思、誓約、寛容、公式  

このカードをランダムに切って6枚引いて物語を構築します。
※このときに逆向きに引いてしまった場合は、逆の意味として理解します。

このときに引いたカードを下記のように並べて物語を構築します。
picture 1

  1. 主人公の現在
  2. 主人公の近い未来
  3. 主人公の過去
  4. 援助者
  5. 敵対者
  6. 結末

このときに、各カードの意味を理解して物語を構築してください。
この方法で、最初に 100個 物語を構築し物語を作る筋肉を鍛えてください。

プロットを盗作する

このレッスンでは物語を盗作する(プロットの部分だけの盗作のこと)
物語をプロットレベルに落として、表層を取り去ってしまうことで、物語の骨組みを理解することができる。
例えば桃太郎が下記のようなストーリーだったとする。

1. おじいさんが山に芝刈りに、おばあさんが川に洗濯に行く。  
2. おばあさんが川で洗濯をしていると大きな桃が流れてきて持って変える。  
3. 帰ってきたおじいさんと桃を食べるために割ると中から男の子が生まれる  
4. 男の子は桃太郎と名付けられすくすくと育つ。  
5. ある日、桃太郎は鬼退治に出かける。  
6. 鬼退治の途中で犬、猿、キジと出会い仲間になる。  
7. 鬼の家に着くと鬼は出てきて、桃太郎は鬼を退治する。  
8. 鬼退治を終えて、金銀財宝を手に桃太郎は家に帰る。  

これを表層だけ取り除くと下記のようなイメージになる。

1. 平和に暮らしている二人の老夫婦  
2. 不思議なモノを見つけ持って帰ってくる  
3. 不思議なモノから生じた子供を育てる  
4. 子供は成長する  
5. 子供(すでに成長しているため成人)は平和を脅かす悪い者が現れ、それを倒す決心をする。  
6. 悪い者を倒すたびに出かける途中で3名の異なる能力を持った仲間を得る  
7. 悪い者の家を襲撃し、悪い者を殺す  
8. 悪い者から取得した宝を手に家に戻る  

このように、物語の骨組みを理解して新しい表層をつけることによりプロットのみの盗作をすることができます。
次のレッスンとしては、下記のような手順になります。

  1. 村上龍の小説を読んで2000文字程度まで要約する。
  2. 次にこのプロットを盗作して、同じ量のプロットを作成する。

このような感じで何度か盗作を行うことによりうまく物語を作成できるようになります。

方程式でプロットを作る

物語のプロットというのは下記のような登場人物が必ず登場します。

  1. 送り手 :送り出す人や物、状態
  2. 対象 :送り出された目的物、状態
  3. 受け手 :送り出された対象を受け取る人や物、状態
  4. 主体 :送り出された人や物、状態
  5. 援助者 :主体を援助する人や物、状態
  6. 敵対者 :主体を邪魔する人や物、状態

この考えをベースに「黒鷺死体宅配便」の物語を作成してみるという練習になっています。
実際に本には各キャラクターの特徴と、サンプルになるような話が何話か入っています。

村上龍になりきって小説を書く

ここでは村上龍の「5分後の世界」と「ヒュウガ・ウィルス」の二作の同じ世界観で書かれた別の小説を読んでいただき。
同じ世界観の別の小説を原稿用紙30枚程度書いてもらうという練習になっています。

何をしたいかといえば、小説作りを「世界作り」と「趣向作り」に分けて、すでにある世界の中で趣向作りに慣れてもらうというわけです。

ノベライズ

つげ義春の「退屈な部屋」を読んで、その内容をノベライズしてもらうという練習になっています。

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