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エンジニアが「日本語作文術」を読んだ

2023/05/05に公開

背景

会社では文章を扱う場合が多い、例えばメールやチャット・チケット管理ツールから仕様書まで様々な形で文章を作成する。
しかし、その文章は人によって伝わりやすい文章である場合、伝わりにくい文章である場合がある。
これらの二択であるなら常に伝わりやすい文章を書くために努力をしたい。

今回は、個人的に文章が伝わりにくい事があり文章記載方法を勉強するために「日本語作文術」という本を読んだのでこの内容を簡単にまとめておく。

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注意事項

この文章は、あくまでもこちらの本を読んだ感想とまとめです。
具体的な内容を知りたい方はこちらの本を購入・または図書館で借りて確認してください。
また、基本的にルールは本からの引用になりますので、ご了承ください。

全体の感想

この本は文章の構成方法を実にわかりやすく説明してくれている。
文章をわかりやすくするためには、文をどのように構成するべきか?動詞や主語の使い方などが具体的に示されている。

また、これらの具体的な説明に対して、練習問題まで用意されている
私のイメージ的には下記の構成で展開されている。

各説明の内容

①心構え

この本の中では、文章を構成することはパッチワークと似た作業という説明がされている。
パッチワークでは複数の布を切り貼りして思ったようなデザインの布を作り出す作業を行うのだが、似たように複数の表現を学ぶことによりいろいろな選択肢を増やし、その中でパッチワーク的に文章を構成しようという話である。

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なので、作者は最初様々な本を読み取り、いろいろな表現をノートに書き出したということであった。
この事により、様々な表現を学習して更に外国語のように日本語を学び直したきっかけであったという話であった。

簡単に読みやすくする方法

文章を読みやすくする方法として簡単な手法として下記がある。

  1. 予告する
    「この後にこうなる」という予告をすることで読み手に想像させることができる。
  2. 箇条書きにする
    「箇条書き」にすることで読み手にとっても読みやすくなる。
  3. まとめる
    「つまり~ということ」でまとめることで読み手にとっても読みやすくなる。

②短文の書き方

文節を理解する

文には節がある。
例えば下記の言葉についてもいろいろな部分で切って節を作ることができる。

JavascriptとJavaは名前として非常によく似ているが、実際には全く異なる言語である。

この文章を文節で分けると下記のようになる。

JavascriptとJavaは
名前として非常によく似ているが
実際には
全く異なる言語である。

更にこの文章を再構成し直すことが可能であり、再構成する場合に 最後の文以外はいかようにでもつなげる事 ができる。

実際には 名前として非常によく似ているが JavascriptとJavaは 全く異なる言語である。
名前として非常によく似ているが 実際には JavascriptとJavaは 全く異なる言語である。
実際には JavascriptとJavaは 名前として非常によく似ているが 全く異なる言語である。

文を構成する場合には長い文節から始める。

大きく単純なルールであるが、これは強力に作用する。
先程の文であれば、下記のように修正することになるだろう。

名前として非常によく似ているが JavascriptとJavaは 実際には 全く異なる言語である。

この例文が悪いかもしれないが、このように構成し直すと大体の文を読みやすくすることができる。

複数の形容詞が付く場合も長い形容詞から始める。

例えば下記のように形容詞が2つ付く場合にこれは利用できる。

読解性に優れており誰でもすぐに理解でき、簡単に書くことができる言語がJavascriptである。

これには3つの形容詞が接続されている。

読解性に優れ誰でもすぐに理解できる
簡単に書くことができる
言語
Javascriptである。

この文ではすでに長い順番に構成されているが、この長さが異なる場合には長い順番に並び替えることで読みやすくなる。

読点は読者への気配り

読点には特に従うべき規則はないが、読み手にとって読みやすいように読点を打つことが大切である。
例えば読点がない場合にどちらに言葉がかかっているか分かりづらい場合に明確に人目で読み取れるようにするなどの効果がある。

本の例文とほとんど同じだが、下記のような場合である。

彼女は家にペンを置いて出かけた
彼女は家に、ペンを置いて出かけた
彼女は家にペンを置いて、出かけた

読点を入れることにより意味合いを異なるように読み取れてしまう場合がある。

ハとガの違い

ハとガの利用については下記のような違いがあるため、気をつける必要がある。

  1. ハはいくつかの対象物から1つだけ区別(対比)する。

picture 2

  1. ガはいくつかの対象物から1つだけを取り出して他を排除する。

picture 3

日本語は主観的言語

日本語では主語を省略される場合が多いが、特に明言がない場合は読んでいる人が主役になる。
外国語だと電車や自動車が主語になる場合が多い。

名詞中心から動詞中心に変えることで読みやすく。

名詞を削り、動詞中心にすることで文章は読みやすくなる。

  1. 名詞を動詞に
  2. 形容詞は副詞に
  3. 無機物主語は原因・理由、手段・条件、場所・時間の表現に変更する。

下記は、本の中にあった例文である。

世界の人口増加が食料補給の問題を提起している

主語を動詞へ変更すると下記のようなイメージである。

世界の人口が増加したので、食料の補給が問題になっている

③段落の使い方

文から文章にするときは大前提として下記のことに気をつける。

  1. 曖昧でないこと
  2. 難解でないこと
  3. 独りよがりでないこと

大枠では文章とはラブレターであると記載されている。
相手のことをおもってわかりやすい文章を心がける。
相手の立場になって文章構成を考えるという話だと思う。

中核文

中核文とは結論や伝えたいことなどがまとまった、文章の中核となるべき文である。
基本的にはこの文章を最も最初の部分に持ってきて説明を行う。

中核文の役目は下記の3つである。

  1. 段落の内容を要約
  2. 段落の流れの予告
  3. 読者の関心を引く

補強文

中核文を補強する文章で、「それらしく」中核文を説明する役割をもっている。
主な役割は下記である。

  1. 中核文の補足・説明
  2. 具体例を挙げる
  3. 根拠を示す
  4. 他の事例と比較・対照する
  5. 中核文を別の側面から捉え直す
  6. 段落を締め括る

④段落の組み立て方

演繹法と帰納法

与えられた前提から出発して、結論を引き出すプロセスのこと。

演繹法

この方法は与えられた前提の範囲で結論に結びつける方法である。
この範囲を出ることをなく絞り込むだけである。
基本的には下記のステップで展開される。

  1. 法則的なものを述べる
  2. ある事実を挙げる
  3. その事実が法則に当てはまるかどうかを判定する

帰納法

帰納法とは、経験的なものから解釈を導き出す。
与えられた者からアタリしい物へ踏み出す。

  1. 複数の経験的なものが集められる
  2. その中から共通性を探す。
  3. 共通性から1つの解釈を引き出す

⑤練習問題

ここまでの章で記載があった、様々な技法に関する練習問題が乗っている。
自分で文章力を高めるためにはこれらの考え方に頭を慣らせて自分の文章力(筋肉)を鍛えておくようにしたほうがいいだろう。

⑥よくある表現

ここには「単一の意味を表すにもいろいろな表現方法があり、その中から転用することにより文章自体を変化させる事ができます」という意味合いでここにいろいろな表現が記載されている。
本前半でお話に出ていた「色々な文章から単語を抜き取り自分の言葉の選択肢を増やした」という話に通じる部分である。

辞書に近い書き方となっているが、いろいろな言葉を使えるように自分なりに組みわせて使ってみるのがいいのであろう。

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