「アスペルガー症候群への解決志向アプローチ」を読んでみた
概要
自分でも結構アスペルガー症候群っぽい症状があると思ったので、下記の本を読んでみました。
未病的な表現もありますが、病気や怪我なども0から1になるようなものではないと信じています。
例えば、アスペルガー症候群に該当しなくても、自分の一部にはそのような部分が存在して、それを理解していくことで、自分の人生をより豊かにすることができるのではないでしょうか。
アスペルガー症候群とは?
この病気というよりも脳の特徴は10名に1名程度の割合で存在しているらしく、特に珍しくないモノのようです。
アスペルガー症候群は自閉症スペクトラム障害の一部で、下記のような特定の症状に苦しむ場合があるとされています。
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社会的相互作用の困難
アスペルガー症候群の人は、他人との社会的相互作用に苦手意識を持ち、しばしば不適切な社会的行動をとります。また、感情や表情、身振り手振りなどの非言語的なコミュニケーションに対しても理解力が低く、相手の気持ちを読み取ることが難しい場合があります。 -
コミュニケーションの遅れ
アスペルガー症候群の人は、言葉の理解や使用に苦労することがあります。特に、表現力が乏しい、抽象的な表現に弱い、ニュアンスを理解するのが難しい、といった特徴があります。 -
独特の興味や行動パターン
アスペルガー症候群の人は、独自の興味や関心を持ち、それに熱中する傾向があります。また、繰り返し行う癖や、特定のルーティンやルールに厳格に従う傾向がある場合があります。 -
感覚過敏
アスペルガー症候群の人は、ある種の感覚に対して過剰に反応することがあります。例えば、光や音、触感、匂いなどに敏感で、これらの刺激によって不快感を覚える場合があります。
ものの捉え方などが通常の人とは異なるため、異常に得意な分野があったり、異常に不得意な分野があったりします。
本の内容
解決志向アプローチとは、「通常の人が正しい状態であり、アスペルガー症候群の人を変えて正しい状態にする」という考え方ではなく、アスペルガー症候群の人たちの良い部分を伸ばして問題を解決していくという考え方です。
本人の力を伸ばす
アスペルガー症候群の人たちは既に様々な問題を自力で解決してきています。
サポートするメンバーは、まずどのように問題を解決してきたかを確認して、それを伸ばしていく動きとなります。
ですので、特定のやり方などはなく患者ごとにやり方が様々変わるということです。
自分の普通ではなさないように心がける
サポートするメンバーは自分が普通であると信じている事をベースにお話をしてはいけません。
患者側の言い分がどれだけ間違っていると思っていても、それを否定するような発言はしないようにしましょう。
また、その話を信じて、どのようにサポートするかを考えましょう。
目的を共通化する
アスペルガー症候群の人は独自の考え方や価値観を持っていることが多いため、多くの場合に治療の目的がズレています。
目的を明確にするため、患者とサポートするメンバーの目的を共通化することが重要です。
下記のような質問を行い目的を共通化します。(あくまでも一例です)
「あなたが眠っている間に病院に通わなくても良くなっていました。何が変わっていました?どうやって貴方はそれに気づきますか?」
この質問を答えてもらうことにより、何が変わることを望んでいるのかが明確になり二人の間で共通の認識となります。
目的を達成するための行動を相談する
目的を共通化した後は、目的を達成するための行動を相談します。
例えば「父親がおこらなくなる」などの回答が帰ってきた場合、実際に父親とどのようなコミュニケーションを行っているのか?などを詳しく聞いてみます。
すると、本人の捉え方が間違っているだけで、特に父親は怒っていない事がわかったりします。
しかし、本人にはそのコミュニケーションが負荷になっていたりする場合があるため、解決策を家族を巻き込んで相談する必要が出る可能性もあります。
スケーリングクエッション
父親との関係が問題である場合、スケーリングクエッションを行うことで、問題の原因を探ることができます。
アスペルガー症候群の人は、言語化するのが苦手な場合があるため具体的な数字を用いて質問をすると具体的な回答が得られます。
「父親との関係は1が最も良くない、10が最も良いとしていくつですか?」
この質問に例えば「3」と答えたとしましょう、この場合は「2ではない理由は何ですか?」とか「どのように改善されたら4になりますか?」という感じで質問を続けていきます。
こうすることで、より具体的な対策に落とし込むことが出来ます。
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