臨床心理学を少し学んで見る
概要
社会人のコミュニケーションスキルとして足りない部分があり、メンバーの心身も含めて前向きに前進させるために臨床心理学について学んで見る
臨床心理学って?
心理的な問題を抱える人達への援助を実施しながら、実施を目的に技法や理論の研究を行う。
内容
大枠として、私の認識としては下記のような認識。
- 複数の考え方があり、それらを複合して利用しているのが一般的
- 問題の発生(イメージとしてはアレルギー症状と同じ)
- 問題や葛藤を人は防衛する(様々な防衛手段)
- 間違った防衛などにより、問題や葛藤から正しく防衛できない
- 過剰になった防衛が問題を引き起こす
- 過去(または現在)に問題が存在し、これに対処をし続けた結果で歪んだ防衛が自分を傷つけている場合が多い
- 基本的な診療の流れは下記
- クライアントとの信頼関係(ラポール)を築くのが第一段階
- 同時に問題についてクライアントと切り離して考える
- この問題についてクライアントにも理解してもらい、一緒に解決に努める
- 問題は複数に分散したり、結果が問題になっている場合がほとんど
- 家庭やコミュニティ内の問題が原因の場合が多い
- または過去にあった問題や、自分でも意識してないようなイベントによって形成される
- 心の問題は個人とは別であり、偶然発病してしまった場合が多い
エビデンスとナラティブ
基本的にエビデンスとナラティブの両輪で行っていく。
エビデンス(根拠)
治療の優位性を確認する方法。
通常の医療と同様に、治験のように問題があるメンバーに対して治療を実施して効果を測定する。
ナラティブ(物語)
エビデンスだけでは治療だけにフォーカスして、一人の人としての治療を求める方法。
例えば「鬱病の人」に対して「うつ病に名前をつけて、自分とは違いものとして認識して分離する」など、より主体的に問題を見れるように誘導する治療なども存在する。
ストレス
ストレスは環境からの要求
が個人の対応能力
を超えた場合に発生する。
ストレッサー
と呼ばれる原因から自身の受け取り方
→なんとかなる
or どうにもならない
の対処行動
の結果によってストレス反応
が発生する。
葛藤
葛藤は、例えば「勉強を行いたいが、ゲームをやらなければならない(欲求)」
という状況。
接近ー接近 葛藤
欲求を感じるものが二種類あり、片方だけを選ばなければいけない状態
例として「大好きなラーメンとハンバーグがあるが、片方しか食べられない状態」など
接近ー回避 葛藤
欲求を感じるものが存在しているが、それを行った場合に回避したい事もしなければならない状態
例として「大好きなケーキを食べたいが、卵アレルギーがある状態」など
回避ー回避 葛藤
両方とも回避したいが、片方を選択しなければならない状態
例として「嫌いな野菜しか食べ物がないが、空腹を耐えられない」など
二重の接近ー回避 葛藤
両方とも欲求も回避したい内容もがあるが、選択しなければ行けない状態
心の防御反応(フロスト)
葛藤や不安を解決せずに、回避したり湾曲したりする防御反応が存在する。
これは、一般的な心の反応であり、正常な人間も行うが病気の原因になる場合もある
-
昇華
:欲求を別のものに移し替える(健康的な反応) -
合理化
:失敗や問題を何らかの理由で正当化すること -
反動形成
:抑圧を維持する目的で逆の反応をすること -
隔離
:行動や懸念から感情を切り離し、逃れること -
否認
:現実を認めないこと
心の発達課題
ライフイベントを経験することにより心は成長するという考え方。
E.H.エリクソン
やハヴィガースト
、S.フロスト
などが似たような考えを発表している。
昨今は晩婚化が進み、青年期が増えている問題
も発生している。
人格(パーソナリティ=仮面)
人は社会的に形成された側面を強調するため、問題を見つけるのが大変な場合がある。
心理アセスメント
心理アセスメントというのは心理診断や性格診断呼ばれていたもの。
クライアントの病気や心配や問題などの心理的な障壁を診断して対策を取る方法。
方法
患者の状態によって下記の3種類がある。
-
構造化面接法
決まった質問を行い問題を診断したりする方法
マニュアル通りなので決まった情報しか得られないが、患者すべてから同じ情報を得る事ができる
うつ病や決まった病気の場合はこの方法が取られやすい -
半構造化面接法(インテーク面接)
質問方法は設定しておくが、状況に応じて質問を追加したり、深く質問したりする
一定の客観性を持ちつつ自由な発見の余地がある -
非構造化面接法
質問は設定せずに、自由に質問を行う。
面接車によってばらつきが出るが予想外の情報を得る事ができる
聞く内容
-
主訴
:何に関して苦しんでいるか? -
生育歴
:生まれてからどのように生きてきたか? -
防衛
:どのような対処をしてきたか?
投影法
何らかの方法で選択や表現を行うことにより、クライアントの心の中を見えるようにすること。
-
ロールシャッハ・テスト
深い心の中を見ることができるテスト。
インクのシミを見せて何に見えるか聞く。 -
TAT
少し深い心の中を見ることができるテスト。
複数の絵を見せて物語を作ってもらう。 -
SCT
心の表層を見ることができるテスト。
あなぬけの文章から文章を作ってもらう。
三第アプローチ
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精神分析的アプローチ
:S.フロイトが創始 -
認知行動的アプローチ
:B.F.スキナー
,J.ウォルピ
,A.T.ベック
などが融合して発展 -
ヒューマニスティックアプローチ
:C.R.ロジャーズ
,A.H.マズロー
などクライアント成長を重視するやり方
人物
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ジークムント・フロスト
心の構造を自我
(本当の自分),エス
(自分とは認めたくない部分),超自我
(自分を調節,監視する部分)に分けて考える。
精神分析理論
を提唱している。
その中では自己不全状態の人は超自我が強すぎる場合が多く、
その結果として過剰防衛→結果として問題が起こると考えられている
-
カール・ロジャース
来談者中心療法を創設した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・ロジャーズ -
カール・グスタフ・ユング
分析心理学(ユング心理学)を創設した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・グスタフ・ユング -
アブラハム・マズロー
人間性心理学の生みの親と言われている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アブラハム・マズロー -
アルフレッド・アドラー
パーソナリティ理論や心理療法を確立した一人。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルフレッド・アドラー -
ジョセフ・ウォルピ
行動療法で最も影響を与えた人物の一人。
https://ja.wikipedia.org/wiki/行動療法 -
ハンス・アイゼンク
ドイツの心理学者
https://ja.wikipedia.org/wiki/ハンス・アイゼンク -
アルバート・エリス
論理療法の創始者。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルバート・エリス -
アーロン・ベック
うつ病の認知療法の創始者。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アーロン・ベック -
バラス・スキナー
行動分析学の創始者。
https://ja.wikipedia.org/wiki/バラス・スキナー
治療法/ツール
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ジェノグラム
家系図と関係を書き込み、裏側にある問題を明確にする方法。 -
サイコドラマ
1セッション60-90分10名程度で行われる。
セラピストが監督としてそれぞれの配役に従って即興劇を行う。 -
集団心理療法
アメリカ映画などのセラピーでよく見られるやり方。
複数のメンバーで同じ目標のもと団結して目指すやり方。 -
スクィグル(なぐり書き)
クライアントと二名でなぐり書きされたものを完成させたりの共同作業を行う。
これによりラポールが形成されやすくなる。 -
ゲシュタルト療法
水が必要になると喉が渇くと同じように、怒りなどの感情も抑えずに発散させて改善させる方法。
方法としてエンプティ・チェア
などがある
エンプティ・チェア
はクライアントの前にもう一つ椅子をおいて、重要人物を自分で演じてもらい新しい発見をして貰う方法。 -
自律訓練法
自身に自己催眠をかけて改善する方法。
いろいろな機能改善や問題が落ち着いたり自己コントロール能力が上がる。 -
催眠療法
クライアントを催眠性のトランス状態にして、催眠現象にて改善を目指す。
この方法にはクライアントとの信頼関係が必須である。
催眠現象としては観念運動``子供の頃に戻る``時間の歪曲``後催眠暗示
などがある。 -
遊戯療法
おもちゃを使った治療方法。
ある程度のルールの中でおもちゃで遊んでもらい、それを観察した結果を治療に活かす。 -
箱庭療法
箱庭とおもちゃを用意して、どのようなストーリーで箱庭内で表現するかを確認する方法。
箱庭内のバランスを確認する場合もある。 -
夢分析
夢の内容を分析して知慮に活かす方法。
Discussion