心理カウンセリングで信頼関係を作るためにやっていること
背景
心理カウンセリングでは患者との信頼関係を築くことが最低条件となっています。
また、社内での問題の多くは信頼関係が高すぎたり、引きすぎたりすことで問題が大きくなったり、複雑になったりしています。
心理カウンセリングで実行している信頼関係の築き方をうまく使って、会社での立ち位置を改善しましょう。
※個人的な内容を含むので、細かい内容を知りたい方は参考文献を読んでください。
参考文献
なるほど! 心理学面接法 (心理学ベーシック)
内容
話し合う前に
話し合いの前に自身の目的を明確にする必要がある。
例えば心理学面接では患者の診断
や患者の背景や問題を含めた仮設作り
など具体的な目標をもってコミュニケーションを行う。
これは社会人であれば例えば自社社長とコミュニケーションを行う場合には、最低でも下記のような前提や内容を考えたあとにコミュニケーションに望むべきだと考える。
例:社長と話す場合
目的:
プライオリティが高いものほど数値が高く、後半については実行は難しい可能性が高い。
しかし、できる限りすべての目的を果たす努力をする。
1. 部内の問題共有
2. 部内の問題改善提案
3. 具体的に部内の問題に対して社長が実行可能なアクションまで落とし込み実施の了解を得る
前提:
* 社長は権限が強いが、取締役や上層部の中では可能なことが非常に狭くなる事が考えられる。
* 社長は責任範囲が広いため、自分以外の部署への影響も含めて考えて意見を共有する必要がある。
* 自身との関わりについてはあまり関わりがないため、ポジティブな印象がないかもしれない
* 社長と関わりの深い上司Aに対して、自分はポジティブな印象があると思われるためある程度前向きな話ができると思われる(推論)
* 1on1で30分程度しか時間がないため、タイムスケジュールについては気をつける必要がある。
* 前提として問題点を共有して改善を行いたいと考えているが、この問題にどの程度興味があるか不明
* 改善案について上司を飛び越えて相談する事となるため、事前に上司にはある程度確認を取る必要がある。
質問/共有事項:
1. 最初に社長から自身に相談したい内容がないかを確認
1-2. ここで大きな内容が来た場合や社長が別の話題を望んでいる場合は業務に関する話をしない選択肢も残しておく。
2. 業務についての問題点の共有
2-1. この問題に対する自身の認識
2-2. この問題に対する改善案A
2-3. この問題に対する改善案B
3. 社長権限でどの程度のことが実際に可能となるか?(できる限り労力をかけずに)
相手の立場と関係
上記の例でも記載をしたが、相手の関係値と立場を明確に規定しておき、可能な範囲の推察をつけておくことは非常に重要である。
会社では想像以上に権限が分散されており、単一のことを行いたい場合にも様々な部署の了解を得る必要がある。
コミュニケーションにおける自分の考えの持ち方
心理カウンセリングでは自分の考えをできる限り横においておく事
を求められます。
例えば相手が「今の政治は駄目だと思う」
という言い方をした場合に、「私も今の政治は良くないと思うが、この部分は賛同できる」
など自身の考えを語るべきではありません。
深堀りしたい場合は「どうして駄目だと思うの?」
と質問したり、気持ちに寄り添う形で「今の政治はだめだと思うんだね。」
と繰り返す形でコミュニケーションを取ります。
通常のコミュニケーションでも相手は基本的に自分の気持ちを受け止めてほしいと思っている場合が多いです。
ですので、コミュニケーションを行う場合は自分の考えは横においておき、まずは相手の意見を聞くことに注力しましょう。
コミュニケーションを円滑にする方法
かかわり行動
相手の意見を深く聞く方法として関わり行動があります。
言語的な方法ではなく、行動で示す形で行われます。
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視線
日本では基本的に相手の目をみてコミュニケーションを取りましょう。
ただ、文化的な背景や、過去の経験から目を見られると嫌な場合があります。
相手の挙動をみて、その人にあった視線を意識してコミュニケーションを行いましょう。 -
声の質
声のトーンや速度などは相手に合わせることを意識しましょう。
また、新しい発見をして興奮した場合は一緒に驚きましょう。
同一の経験を行うことにより良い印象になります。 -
言語的追跡
基本的に相手が喋りたい内容にできる限り合わせてコミュニケーションを取りましょう。
また、頻繁に話題を変えられると不快に思ったりする場合があります。
頻繁に話題を変えることは避けましょう。 -
ジェスチャー
相手に向けて体を向けて、少し前かがみな姿勢でコミュニケーションをとりましょう。
また、手振りや表情も「あなたのお話を聞いている」というアピールをしましょう。
かかわり技法
相手の意見を深く聞く方法として関わり技法があります。
関わり行動とは異なり、コミュニケーションの中で利用できる技法になっています。
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観察技法
相手を観察から始める技法です。
例えば言葉遣いからよく使う表現などを観察し、これを自身の会話にも流用して利用する。
例えば「〜のように感じる」などの表現をよく使う相手の場合は、近い表現を使ったほうが良い。
また、言葉と表情に対して矛盾が存在する場合に何かを隠そうとしているか?などを考える方法。 -
質問技法
閉じた質問(Yes/Noで回答できる)または開いた質問(Yes/Noで回答できない)などをうまく使い分けて行う。
言語化が難しい相手の場合は閉じた質問のほうが回答しやすい場合がある。
開いた質問は5W1Hで回答されるため、回答の自由度が非常に高い。 -
表現を励ます技法:はげまし
自己表現を促す方法。
例えば、発言をためらっている状態であれば「そして?」
と続きの説明を求める。
発言を繰り返す事により、続きを話しやすくなる効果もある。 -
内容をまとめて明確にする技法:いいかえ・ようやく
相手が悩みながら話したり考えながら話す場合がある。
こういった状況で、実際に言いたいことを確認するために要約した内容を聞き返す技法。
聞き返した内容が、相手が思っている内容であれば「そうなんですよ!」という回答が来るし、間違っている場合は「いや、もっと〇〇が〜」 という回答を得ることができ、認識を共通化できる。 -
感情を明確にする技法:感情の反映
会話の中で不明確ながら、そのような感情が含まれる場合がある。
この感情を再度確認する事により、感情の反映がスムーズに行われ信頼関係を構築する事もできる。
また、感情の表現を様々な言葉で行う場合があるため、できる限り様々な感情表現の言葉を理解しておく必要がある。
ex.
相手「〇〇を行ったら褒められたんですが…」
自分「〇〇を行ったことよりも、あなたは別のことが気になったんですね?」
相手「そうなんですよ。〇〇より、△について褒めてほしかったんです。」
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