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リーダーの心得

2024/01/27に公開

はじめに

私自身何度かリーダーやPMを経験してきて、コミュニケーションやタスクやり取りなどで気をつけている部分をまとめてみる。
過去に色々なタイプのエンジニアの方々とコミュニケーションを行ってきた。
人をやめさせず、やる気にさせるためにはどうしたらいいかについて自分なりにまとめてみる。

メンバーには甘く行こう

単純に仲良くなって仕事をまわすことにより、関係を良好なものとする。
どうすればいいのかといえば、心理学的な言葉で転移という言葉がある。

転移とは簡単に言えば、「相手が感情を無意識に相手に向けること」で、例えば「気に入っている人だからあの人の言うことを聞く」、「気に入っていない人だからあの人の言うことは聞かない(陰性転移)」という感じの話である。

気に入った人になるにはどうしたらいいかというと、結構単純なロジックがある。
相手と同じ動作や思考を持つと相手から転移が起きやすい。

具体的には下記のような動作である。

  • 相手と同じ動作を行う(腕を組む、癖を真似るなど)
  • 相手と似た思考を持つ
    • 相手の話を基本的に否定しない(同意する)
    • 相手が話しそうな話題を先に出す
    • 相手が話しやすいように話題を変える

甘いと思う人へ

若手に対して甘いと思う人がいるかもしれない。
この話は管理者向けの話であり、私自身としては管理者の仕事は「どのようなメンバーでも想定以上の結果を残すこと」だと思っている。
この観点から言えば、「甘い」という言葉は「その若者個人が成長しないのではないか」というその個人の成長を気にしての言葉ではないのか?

あなたはプロジェクトが上手く行かなかった場合に「若者の勉強不足」と言えるのか?
また、安心をしてほしい、新人の教育という断面でも「甘い方」が良い結果が出る。

厳しいしつけと甘いしつけ

有名な話がある。
ある鳥に曲芸をさせようとして、曲芸で進める場所以外に電気を流して調教をしようとする。
そうすると、最初に鳥は動き回って電線に触れて痛みを感じるを繰り返す。
しばらく繰り返すうちに、鳥は電線に触れないようにじっと隅で動かなくなる。

これが無力感の学習というやつだ。

叱りつけて学習を指せるとその傾向が出やすくなってしまう。
その結果、色々な方向にチャレンジする気が本人になくなってしまうのだ。
そして、逆にあなたにずっと質問をしてくるようになるだろう。

「これどうすればいいですか?」と

やめさせないためのコミュニケーション

葛藤という言葉があるが、人は常に2つの気持ちが存在する不思議な生き物である。
例えば会社で言えば「辞めたい」という気持ちと「会社の役に立ちたい」という気持ちが両面で存在していてこの2つが綱引きをしている状態である。

また、当たり前の話なのだが、周りが努力をさせようとするとバランスを取るために辞めたい気持ちが大きくなるという現象が発生する。
これでは外的には「辞めません」と言っているのに内面的に「辞めます」と思っている状態のメンバーの誕生である。

こういう場合は、相手が本音で思っている方向の会話を1度しておくと良い。
「そろそろ辞めたいよね…俺もその今も〜」のような話である。
このように同意をしておけば、相手は自分に近い存在だと思ってくれる。
自分に近い存在になれば、そこから少しポジティブな目線に上げていけばいい。

例えば、「辞めるとしてもこの地位まで行ったほうがいいよね」とか「このスキルはほしいよね」みたいな形である。
その中で自身の持っている業務や割り振りたい業務に誘導する形でお話をすればいいという具合である。

そうすれば、相手は自分の意思で動いていると思ってくれるので、辞める気持ちが薄れるし「スキルを得るまで」という期限感の中で最大の力を発揮してくれる。

タスクを依頼するには?

タスクを依頼する場合は粒度を常に意識することが重要である。
大雑把に下記のような粒度があるとする。

※このリストでは上から順に最も簡単な作業から下に行くほど複雑性が上がっていく。

作業の粒度(例)

Lv1. 作業

依頼する内容は単純作業である。
作業手順書を作成するか、細かい手順までレクチャーする必要がある。
また、完成物に関してレビューが必須であり、確認後にあなたの責任の中で納品する。

最もレベルが低いタスクで、あなたの工数を多く使う

Lv2. 判断を含む作業

小さな判断が含む作業である。
例えば「1. 作業」がこのテンプレートを元にこの内容を記載してくださいという内容であれば、この判断を含む作業というのはテンプレートを渡さずに「この内容を記載してください」という内容である。
あくまでも小さな判断だが判断を含む作業は作業よりかなりレベルが高い。

何度か「1. 作業」を経験している人に「自分の考え」を理解してもらっている状態で依頼するのが普通である。

Lv3. 複数の判断を含む作業

これはかなり複雑なレベルである。
例えば他人の話を聞いてその結果を元に資料を作成する事や回答をするというレベルである。
作業に関わる複雑な方針についても判断をしてもらって、その結果を元に行動や実行をしてもらう。

このレベルになるとある程度あなたの仕事の代役が務まるようになってくる。

どの依頼を誰に出すか?

各レベルについて、どのような人に依頼するかを考える場合は相手のことを考えて依頼するのが重要である。
まず、極端な話として「最初は食材を買ってきて料理して、細かく砕いて離乳食にして口元まで持っていく」イメージで他人に依頼を出す。
さらに言えば「口を開けて食べられたらすごいと褒める」こともかなり重要である。

相手のレベルや関係性にも関係するが、基本的には相手のレベルよりも少し低い仕事を依頼して様子を見よう。
それができたら少しずつレベルを上げていくという形である。

失敗したらあなたの責任

例えばLv2の業務を依頼して相手が思ったような結果が出なかったとしても、あなたは「ありがとう」と相手に伝えるべきである。
彼はあなたから依頼されたタスクを実行し、失敗した。

その責任はあなたにあり、彼にはない。
彼は一生懸命結果を出すために努力した結果失敗したわけである。

コミュニケーションでうまく伝わっていなかったかもしれない。
彼が少し気が緩んでいたのかもしれない。

ただ、このときに「なんで〜したの?」というと相手の信頼を失うことになるだろう。

前提なしに作業をしてくれた人には感謝をしよう

ここは結構重要なので、しっかりと理解しておこう。
あなたが依頼をして作業をしてくれた人には感謝を伝えよう。
例え後ろで現場が炎上していようとも、あなたが依頼をしてくれた人には感謝を伝えよう。

あなたの感情的には「なんてことをしてくれたんだ」といいたい気持ちもあるかもしれない。

その気持ちの整理はあなたの仕事である。
相手が気持ちよく仕事をしてくれるようにするのがあなたの仕事である。

どうやってレベルを上げるか?

どうすれば早くレベルを上げることができるか?
これは難しい話なのだが、「自分の考え方」を相手にコピーすれば早くできると考えている。

ラフに言えば「雑談をたくさんして自分の思いを伝えよう」、硬く言えば「頻繁にワン・オン・ワンをしよう」という話である。
作者はこれを実現するため海外メンバーと毎日朝会をしていた。

まとめ

色々と書いたが、一番重要なのはこういった小手先の技術を自分の本音で動ける様になることだと思っている。
結論ベースで動く人間より気持ちで動く人間のほうが人がついてくるものである。

あなたはメンバーにどんなふうに成長してほしいのか?
それを考えて、メンバーに寄り添ってあげよう。

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