VSCodeでのLaTeXの環境構築
論文を執筆する上で必須と言っても過言ではないLaTeX環境.
Overleafで書く人,標準のエディターで各人など好みはあると思いますが,ここではVSCodeでの環境を紹介したいと思います.
WindowsとMacはTexのインストール手段以外は同じでok
VSCodeのインストール(すでに入っている人はこの項目はスキップ)
1. インストーラのダウンロード
公式サイトからVSCodeをダウンロードします.
2. インストーラの実行
特にこだわりがなければ「次へ」ボタンを押してインストールします.
TeXLiveのインストール (for Windows)
WindowsにTexLiveをインストールする方法はいくつかあるようですが,推奨されているISOイメージをダウンロードする方法を用います.
1. インストーラのダウンロード
[ここ]9http://www.tug.org/texlive/acquire-iso.html)の「download from a nearby CTAN mirror」からtexlive20●●をダウンロードします.
こだわりがなければ最新のバージョンをダウンロードすればいいと思います.
2. インストーラの実行
こんな感じでDVDドライブとしてマウントされるので「install-tl-windows.bat」を開きます.
特にこだわりがなければ「インストール」ボタンを押してインストールを進める.
こんな感じでインストールされます.
デフォルトだと4151個もインストールされるらしいです.
そんなこんなで僕のノートでは2時間かかりました.「閉じる」を押してインストールは完了です.
TeXLiveのインストール (for Mac)
ここではHomebrewを用いてMacTeXをインストールする方法を紹介します.
1. Homebrewのダウンロード
すでに入っている人はスキップしてください
公式ページのコマンドをTerminalで実行するだけ
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
2. MacTeXのインストール
brew install mactex --cask
3. TeXLiveを最新版に更新
TeX関連のコマンドであるtlmgr
を使用するので,これが使えるようにPathを通します.
sudo /usr/local/texlive/2022/bin/universal-darwin/tlmgr path add
tlmgr
が使えるようになったら以下のコマンドを叩いてTeXLiveを更新
sudo tlmgr update --self --all
VSCodeの設定(Win Mac共通)
1. 拡張機能のインストール
VSCodeの拡張機能である「[* LaTeX Workshop]」をインストールします.
2. setting.jsonの編集
画像のように歯車マーク→settingをクリックするか,Ctrl
+ ,
(Windows), ⌘
+ ,
(Mac)でsetting.json
を開きます.
setting.json
に次の設定を追加します.
- TeXは実行のたびにいっぱいファイルが作成されるので
latex-workshop.latex.clean.fileTypes
でいらない拡張子を指定することで自動で削除(推奨). - ビルドレシピはbibTeXの有無だけで十分だと思います.
- ビルドツールはレシピに使うパーツなので,もしレシピを増やす場合は適宜追加する.
{
// LaTeX
"latex-workshop.intellisense.package.enabled": true,
//補助配流を自動的に削除
"latex-workshop.latex.autoClean.run": "onBuilt",
//削除する補助ファイルを追加
"latex-workshop.latex.clean.fileTypes": [
// "*.aux",
"*.blg",
"*.idx",
"*.ind",
"*.lof",
"*.lot",
"*.out",
"*.toc",
"*.acn",
"*.acr",
"*.alg",
"*.glg",
"*.glo",
"*.gls",
"*.ist",
"*.fls",
"*.log",
"*.fdb_latexmk",
"*.snm",
"*.nav",
"*.dvi",
"*.synctex.gz"
],
//latexmkのビルドレシピ
"latex-workshop.latex.recipes": [
//bibTexを使用しない場合のレシピ
{
"name": "ptex2pdf (uplatex)*2",
"tools": [
"ptex2pdf (uplatex)",
"ptex2pdf (uplatex)"
]
},
//bibTexを使用する場合のレシピ
{
"name": "ptex2pdf (uplatex) -> bibtex -> ptex2pdf (uplatex) *2",
"tools": [
"ptex2pdf (uplatex)",
"pbibtex",
"ptex2pdf (uplatex)",
"ptex2pdf (uplatex)"
]
}
],
//latexmkのビルドツール
"latex-workshop.latex.tools": [
{
"name": "ptex2pdf (uplatex)",
"command": "ptex2pdf",
"args": [
"-interaction=nonstopmode",
"-l",
"-u",
"-ot",
"-kanji=utf8 -synctex=1",
"%DOC%"
]
},
{
"name": "pbibtex",
"command": "pbibtex",
"args": [
"%DOCFILE%"
]
}
],
//これより下の設定は人それぞれかも
"latex-workshop.view.pdf.viewer": "tab",
"latex-workshop.chktex.enabled": false,
"latex-workshop.latex.autoBuild.run": "never",
"editor.minimap.enabled": false,
"window.zoomLevel": 1,
"grammarly.files.include": [
"**/readme.md",
"**/README.md",
"**/*.txt",
"**/*.tex"
],
}
3. buildのショートカットを割り当て(やらなくてもよいが推奨)
Ctrl
+K
→Ctrl
+S
(Win),⌘
+K
→⌘
+S
(Mac)を押す.
検索窓に「build with recipe」と入力し,ショートカットを割り当てる.
動作確認
1. 確認用のフォルダを開く
ここでは「TEST」というフォルダを作成し開いた.
フォルダにはmain.tex
ファイルを作る.
(内容は以下のものを引用しています)
\documentclass[a4j,12pt]{jreport}
\title{ {\LaTeX} 動作確認テスト・サンプルファイル}
\author{情報リテラシTA}
\date{\today}
\begin{document}
\maketitle
\chapter{\LaTeX の世界にようこそ!}
\section{インストール成功!}
\LaTeX の世界にようこそ!この文章が「dviout」というソフトで閲覧できていれば、
インストールに成功しています。
\LaTeX(ラテフ)もしくは\TeX(テフ)は、
組版処理を行うソフトウェアです。
数学者・コンピュータ科学者のドナルド・クヌース氏によって作られました。
このソフトを使うと、きれいな文章の作成ができます。実際に出版の現場でも使われているそうです。
数学者が作ったということもあって、特に数式の出力がきれいにできるのが特徴です。
\begin{eqnarray}
& \displaystyle \lim _{x \rightarrow 1} \left( \frac{2}{x-1} - \frac{x+5}{x^3 -1} \right)\; ,\;
& \displaystyle \int ^\pi _0 \cos ^2 (x)dx \nonumber
\end{eqnarray}
2つの数式が、きちんと表示されていますか?
複雑な数式が入った文章も、きれいに出力することができます。
\section{基本手順}
では、\LaTeX で文章を作る際の、基本的な手順をここに示します。
\begin{enumerate}
\item ソースファイルをTeraPadなどのエディタで作成する。
ソース(素)となるファイルを作成します。これにはエディタと呼ばれるソフトを使います。
この地点では文章の形にはなっていません。
\item ソースファイルをコンパイルして、dviファイルを作成する。
パソコンに変換を命令して、先ほどつくったソースファイル
をdviファイルに変換、文章の形にして確認します。
\item dviファイルができたことを確認したら、PDFに変換する。
dvi形式は、あまり一般的ではありません。
そこで、Adobe Readerなどで閲覧ができるPDF形式に変換します。
\end{enumerate}
\end{document}
2. TeXのコンパイル]
先ほど割り当てたショートカット(Ctrl
+Alt
+B
)からmain.tex
のコンパイルをします.
-
setting.json
でレシピを2つ(bibTeXの有無)を作成したので2つの選択肢が出てきます. - 今回はbibTeXを使用しないので「ptex2pdf(uplatex)*2」を選択します.
コンパイル中は画面左下に以下のようなメッセージが表示される.
成功すると✓がつきmain.pdf
が作成されます.
3. pdfの表示方法
画面右上の🔍マークをクリックするとpdfが表示される.
参考にしたサイト
- [Visual Studio Code(VSCode)とは?インストールや使い方も現役エンジニアが解説 https://techacademy.jp/magazine/39548]
- [Tex Wiki https://texwiki.texjp.org/?TeX Live#w628bee6]
- [Visual Studio CodeでTeXのコンパイルをできるようにする方法 https://qiita.com/SUZUKI_Masaya/items/7fb5509006163e7e671f]
- [M1 MacへのTex導入方法【2021年版】 https://moromisenpy.com/m1-mactex2021/]
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