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【読書録】ビジネスデザインのための行動経済学ノート
ビジネスデザインのための行動経済学ノート (中島亮太郎/翔泳社・2021)
要約
行動経済学の「バイアス」「ナッジ」の概念をサービスやプロダクトにどう生かすかを、デザイナーである著者の観点から書かれた書籍。
目次
- フレーム
- バイアス
- ナッジ
気になった箇所
「バイアス」と「ナッジ」
バイアス
人が情報を受けとり、判断を下す際に通るフィルター = 「バイアス」。
認知の錯覚とも呼べる。
ナッジ
人が行動する際に背中を押すもの。
意図した行動をとるように働きかけるもの。
ピア効果
一人だと頑張れないが、仲間や競争相手がいると頑張れる現象。
MAYA理論
イノベーションは「先進さ」と「馴染み深さ」があって初めて成立する。
目新しさがないとユーザーの好奇心は掻き立たないし、斬新すぎると拒否感が生まれてしまう。
任天堂が新規ハードのローンチタイトルとして常に看板のマリオを出すのと同じ理屈。
きりのいい数字効果
プロ野球で、.299の打者と.300の打者は安打数だと一本程度の差だが、他者からの評価ではかなりの差がある。
人はきりのいい数字で実際の差以上の評価をしてしまう。
チート
人は高機能なものよりも使いやすさを優先する。
VRが流行らないのもそのため。
ユーザに行動を促すための3要件
- 誰も不利益を被らない公平性
- 行動が誘われる誘因性
- 提供者と利用者の目的が異なる、目的の二重性
利用者と提供者の一致なしない二つの目的を以下に結びつけるかが鍵。
感想
難しい行動経済学の理論を、実際のビジネスの例に落とし込んでわかりやすく解説がしてあった。
筆者も言うように、「洗脳」や「詐欺」にも使われるなど悪く使おうと思えば使えてしまう。
だからこそ、自分の認知にはこのようなバイアスがかかっていることを認識しておくことが重要になる。
今回はサービスやプロダクトについての例が挙げられていたが、教育や人事などのマネジメントにも十分応用が効くと思われる。
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