[Windows]削除できない回復パーティションを削除する方法
概要
OSがWindows 10 Proの環境で2.5インチHDD(ハードディスク)を増設しました。
増設に使用したHDDが以前ノートパソコンで使用していたHDDとなり、
回復パーティションが残っていました。
通常、データドライブ(Dドライブなど)のパーティション(ボリューム)を削除する場合、
コンピューターの管理 -> 記憶域 -> ディスクの管理
よりパーティションの削除が可能ですが、
回復パーティションはパソコンを復元する際に使用する領域である為、簡単に消せないようになっていました。
ディスクの管理 ではなく ≪DISKPARTコマンド≫ を使用し、きれいさっぱり削除できたので、
その手順を紹介します。
この記事のターゲット
- Windows ユーザーの方
- ディスクの管理で削除できない領域(回復パーティションなど)を削除したい方
発生した問題
前述している通り、以前ノートパソコンで利用していた2.5インチのHDDを転用し、
HDDの増設に使用した結果、“回復パーティション”という領域を消していませんでした。
通常、パーティションを消す際に使用するWindows標準ツールは、
コンピューターの管理 -> 記憶域 -> ディスクの管理
となりますが回復パーティションの場合だと、
削除ができませんでした。
便利情報:キーボード操作だけで [コンピューターの管理] を開く方法 < クリックで折りたたみが開く >
“ファイル名を指定して実行”でコンピューターの管理をキーワードだけで起動可能。
- ショートカットキー「
Winキー + R
」
ファイル名を指定して実行
が起動 - ファイル名を指定して実行で「
compmgmt.msc
」と入力 - Enterキー
- [コンピューターの管理] が起動
画像:削除対象を右クリックしても“ヘルプ”のみ表示され「パーティションの削除」ができない
環境
Windows 10 Pro環境
PS C:\Windows> Get-WmiObject Win32_OperatingSystem
SystemDirectory : C:\WINDOWS\system32
Organization :
BuildNumber : 19045
RegisteredUser : XXXXX # マスク
SerialNumber : 00000-00000-00000-AAAAA # マスク
Version : 10.0.19045
- 参考記事:PowerShellでWindowsバージョンを確認する方法
https://macruby.info/powershell/powershell-os-version.html
解決方法
Windows標準コマンド、DISKPARTコマンド により回復パーティションを削除。
詳しい作業手順
-
PowerShellのコマンドレット、もしくはコマンドプロンプトを“管理者として実行”
-
PowerShellのコマンドレットを起動する方法
- ファイル名を指定して実行で「powershell」
-
Ctrl + Shift + Enter
で管理者として実行 - ユーザーアカウント制御で「はい」を選択
-
コマンドプロンプトを起動する方法
- ファイル名を指定して実行で「cmd」
-
Ctrl + Shift + Enter
で管理者として実行 - ユーザーアカウント制御で「はい」を選択
-
直接DISKPARTコマンドを起動する方法
- ファイル名を指定して実行で「diskpart」
-
Enter
で実行 - ユーザーアカウント制御で「はい」を選択
この手順でDISKPARTを起動した場合、次項の“DISKPARTを起動”は不要。
-
-
DISKPARTを起動
以降はPowerShell経由でDISKPARTコマンドを実行した際の実例を使い説明。コピー用diskpart
“管理者として実行”の必要ありPS C:\WINDOWS\system32> diskpart Microsoft DiskPart バージョン 10.0.19041.964 Copyright (C) Microsoft Corporation. コンピューター: XXXX DISKPART>
-
ディスクの一覧を表示
コピー用list disk
“管理者として実行”の必要ありDISKPART> list disk ディスク 状態 サイズ 空き ダイナ GPT ### ミック ------------ ------------- ------- ------- --- --- ディスク 0 オンライン 465 GB 464 GB ディスク 1 オンライン 238 GB 12 MB * DISKPART>
-
削除対象のパーティションがあるディスクを選択
コピー用select disk 0
“管理者として実行”の必要ありDISKPART> select disk 0 ディスク 0 が選択されました。 DISKPART>
-
対象のディスクが選択された事(一番左の*マーク)を確認
コピー用list disk
“管理者として実行”の必要ありDISKPART> list disk ディスク 状態 サイズ 空き ダイナ GPT ### ミック ------------ ------------- ------- ------- --- --- * ディスク 0 オンライン 465 GB 464 GB ディスク 1 オンライン 238 GB 12 MB * DISKPART>
-
パーティションの一覧を表示
コピー用list partition
“管理者として実行”の必要ありDISKPART> list partition Partition ### Type Size Offset ------------- ------------------ ------- ------- Partition 3 回復 788 MB 250 GB DISKPART>
-
削除対象のパーティションを選択
コピー用select partition 3
管理者として実行DISKPART> select partition 3 パーティション 3 が選択されました。 DISKPART>
-
対象のパーティションが選択された事(一番左の*マーク)を確認
コピー用list partition
“管理者として実行”の必要ありDISKPART> list partition Partition ### Type Size Offset ------------- ------------------ ------- ------- * Partition 3 回復 788 MB 250 GB DISKPART>
-
パーティションの削除
コピー用delete partition override
“管理者として実行”の必要ありDISKPART> delete partition override DiskPart は選択されたパーティションを正常に削除しました。 DISKPART>
-
DISKPARTを終了
“管理者として実行”の必要ありDISKPART> exit DiskPart を終了しています... PS C:\WINDOWS\system32>
-
削除できた事を確認
画像:ディスクの管理にて問題なく対象の“回復パーティション”が削除できたことを確認
参考情報:区切りがない一連のコマンド < クリックで折りたたみが開く >
PS C:\WINDOWS\system32> diskpart
Microsoft DiskPart バージョン 10.0.19041.964
Copyright (C) Microsoft Corporation.
コンピューター: XXXX
DISKPART>
DISKPART> list disk
ディスク 状態 サイズ 空き ダイナ GPT
### ミック
------------ ------------- ------- ------- --- ---
ディスク 0 オンライン 465 GB 464 GB
ディスク 1 オンライン 238 GB 12 MB *
DISKPART>
DISKPART> select disk 0
ディスク 0 が選択されました。
DISKPART>
DISKPART> list disk
ディスク 状態 サイズ 空き ダイナ GPT
### ミック
------------ ------------- ------- ------- --- ---
* ディスク 0 オンライン 465 GB 464 GB
ディスク 1 オンライン 238 GB 12 MB *
DISKPART>
DISKPART> list partition
Partition ### Type Size Offset
------------- ------------------ ------- -------
Partition 3 回復 788 MB 250 GB
DISKPART>
DISKPART> select partition 3
パーティション 3 が選択されました。
DISKPART>
DISKPART> list partition
Partition ### Type Size Offset
------------- ------------------ ------- -------
* Partition 3 回復 788 MB 250 GB
DISKPART>
DISKPART> delete partition override
DiskPart は選択されたパーティションを正常に削除しました。
DISKPART>
DISKPART> exit
DiskPart を終了しています...
PS C:\WINDOWS\system32>
参考記事
雑学
Windowsのシステムドライブは、なぜ「C」から始まっているのか < クリックで折りたたみが開く >
-
疑問
なぜ、Windowsのシステムドライブが規定値で「Cドライブ」となっているのか
疑問に感じたことはありますか?おそらく疑問に感じている方の多くは、若い方だと思います。
-
答え
HDDが一般化した際、すでにフロッピーディスクドライブ(FDD)でAドライブとBドライブを使っていた為となります。 -
経緯
WindowsのシステムドライブがCから始まっている理由は、
昔は「フロッピーディスク」というメディアがあり、
パソコン側にもフロッピーを読み書きする為のドライブが2つパソコンに搭載されていました。その2つのドライブで「Aドライブ・Bドライブ」を使用していました。
HDD(ハードディスク)は今では一般的なストレージですが、フロッピーディスクよりも後発の技術です。
フロッピーディスクドライブでドライブレターをBまで使用していた為、
HDD = Cドライブという構成がスタンダードに。
フロッピーディスクを使用して起動していたシステムも、Windows OSを始めとする大容量のHDDを前提としたシステムが一般的となりました。フロッピー + HDD というパソコンの構成が主流だった時期もありましたが、
時代とともにフロッピーディスクは、より大容量なCDやDVDに移り変わりました。
Cドライブは継続してHDDが使用され、AドライブとBドライブだけが使用されなくなった。
というのが、ざっくりした経緯です。 -
最近の移り変わりは…
最近ではHDDがより高速に読み書きでいるSSDとなるケースや、安価な外部ストレージとして使用されていたCDやDVDについても、
価格が安くなったUSBメモリ、外付けHDD、NASなどに移り変わっています。急速に進化しているので今後は、メガネや家の窓、車のガラスなどにモニターが付属するようになり、
端末を保有するという事が古くなる時代がくるのでしょうか。今後が楽しみです。 -
参考記事
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1611/22/news058.html
まとめ
- Windows標準コマンド、DISKPARTコマンドで回復パーティションの削除可能
- DISKPARTはユーザーフレンドリーなコマンドではなく、わかりにくい表示
- DISKPARTは強い権限を持ったコマンドな為、間違えないよう慎重に実行する必要あり
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