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[Windows]削除できない回復パーティションを削除する方法

2023/06/16に公開

概要

OSがWindows 10 Proの環境で2.5インチHDD(ハードディスク)を増設しました。
増設に使用したHDDが以前ノートパソコンで使用していたHDDとなり、
回復パーティションが残っていました。

通常、データドライブ(Dドライブなど)のパーティション(ボリューム)を削除する場合、
コンピューターの管理 -> 記憶域 -> ディスクの管理 よりパーティションの削除が可能ですが、
回復パーティションはパソコンを復元する際に使用する領域である為、簡単に消せないようになっていました。

ディスクの管理 ではなく ≪DISKPARTコマンド≫ を使用し、きれいさっぱり削除できたので、
その手順を紹介します。

この記事のターゲット

  • Windows ユーザーの方
  • ディスクの管理で削除できない領域(回復パーティションなど)を削除したい方

発生した問題

前述している通り、以前ノートパソコンで利用していた2.5インチのHDDを転用し、
HDDの増設に使用した結果、“回復パーティション”という領域を消していませんでした。

通常、パーティションを消す際に使用するWindows標準ツールは、
コンピューターの管理 -> 記憶域 -> ディスクの管理 となりますが回復パーティションの場合だと、
削除ができませんでした。

便利情報:キーボード操作だけで [コンピューターの管理] を開く方法 < クリックで折りたたみが開く >

“ファイル名を指定して実行”でコンピューターの管理をキーワードだけで起動可能。

  1. ショートカットキー「Winキー + R
    ファイル名を指定して実行 が起動
  2. ファイル名を指定して実行で「compmgmt.msc」と入力
  3. Enterキー
  4. [コンピューターの管理] が起動

ディスクの管理で削除したいパーティションを選択し右クリックしても“ヘルプ”が表示されるのみ
画像:削除対象を右クリックしても“ヘルプ”のみ表示され「パーティションの削除」ができない

環境

Windows 10 Pro環境

Get-WmiObjectコマンド
PS C:\Windows> Get-WmiObject Win32_OperatingSystem


SystemDirectory : C:\WINDOWS\system32
Organization    :
BuildNumber     : 19045
RegisteredUser  : XXXXX                     # マスク
SerialNumber    : 00000-00000-00000-AAAAA   # マスク
Version         : 10.0.19045

解決方法

Windows標準コマンド、DISKPARTコマンド により回復パーティションを削除。

詳しい作業手順

  1. PowerShellのコマンドレット、もしくはコマンドプロンプトを“管理者として実行”

    • PowerShellのコマンドレットを起動する方法

      1. ファイル名を指定して実行で「powershell」
      2. Ctrl + Shift + Enter で管理者として実行
      3. ユーザーアカウント制御で「はい」を選択
    • コマンドプロンプトを起動する方法

      1. ファイル名を指定して実行で「cmd」
      2. Ctrl + Shift + Enter で管理者として実行
      3. ユーザーアカウント制御で「はい」を選択
    • 直接DISKPARTコマンドを起動する方法

      1. ファイル名を指定して実行で「diskpart」
      2. Enter で実行
      3. ユーザーアカウント制御で「はい」を選択

      この手順でDISKPARTを起動した場合、次項の“DISKPARTを起動”は不要。

  2. DISKPARTを起動
    以降はPowerShell経由でDISKPARTコマンドを実行した際の実例を使い説明。

    コピー用
    diskpart
    
    “管理者として実行”の必要あり
    PS C:\WINDOWS\system32> diskpart
    
    Microsoft DiskPart バージョン 10.0.19041.964
    
    Copyright (C) Microsoft Corporation.
    コンピューター: XXXX
    
    DISKPART>
    
  3. ディスクの一覧を表示

    コピー用
    list disk
    
    “管理者として実行”の必要あり
    DISKPART> list disk
    
    ディスク      状態           サイズ   空き   ダイナ GPT
    ###                                          ミック
    ------------  -------------  -------  -------  ---  ---
    ディスク 0    オンライン           465 GB   464 GB
    ディスク 1    オンライン           238 GB    12 MB        *
    
    DISKPART>
    
  4. 削除対象のパーティションがあるディスクを選択

    コピー用
    select disk 0
    
    “管理者として実行”の必要あり
    DISKPART> select disk 0
    
    ディスク 0 が選択されました。
    
    DISKPART>
    
  5. 対象のディスクが選択された事(一番左の*マーク)を確認

    コピー用
    list disk
    
    “管理者として実行”の必要あり
    DISKPART> list disk
    
    ディスク      状態           サイズ   空き   ダイナ GPT
    ###                                          ミック
    ------------  -------------  -------  -------  ---  ---
    * ディスク 0    オンライン           465 GB   464 GB
    ディスク 1    オンライン           238 GB    12 MB        *
    
    DISKPART>
    
  6. パーティションの一覧を表示

    コピー用
    list partition
    
    “管理者として実行”の必要あり
    DISKPART> list partition
    
    Partition ###  Type                Size     Offset
    -------------  ------------------  -------  -------
    Partition 3    回復                 788 MB   250 GB
    
    DISKPART>
    
  7. 削除対象のパーティションを選択

    コピー用
    select partition 3
    
    管理者として実行
    DISKPART> select partition 3
    
    パーティション 3 が選択されました。
    
    DISKPART>
    
  8. 対象のパーティションが選択された事(一番左の*マーク)を確認

    コピー用
    list partition
    
    “管理者として実行”の必要あり
    DISKPART> list partition
    
    Partition ###  Type                Size     Offset
    -------------  ------------------  -------  -------
    * Partition 3    回復                 788 MB   250 GB
    
    DISKPART>
    
  9. パーティションの削除

    コピー用
    delete partition override
    
    “管理者として実行”の必要あり
    DISKPART> delete partition override
    
    DiskPart は選択されたパーティションを正常に削除しました。
    
    DISKPART>
    
  10. DISKPARTを終了

    “管理者として実行”の必要あり
    DISKPART> exit
    
    DiskPart を終了しています...
    PS C:\WINDOWS\system32>
    
  11. 削除できた事を確認
    ディスク管理で削除対象の“回復パーティション”が削除できた事を確認
    画像:ディスクの管理にて問題なく対象の“回復パーティション”が削除できたことを確認

参考情報:区切りがない一連のコマンド < クリックで折りたたみが開く >
管理者として実行
PS C:\WINDOWS\system32> diskpart

Microsoft DiskPart バージョン 10.0.19041.964

Copyright (C) Microsoft Corporation.
コンピューター: XXXX

DISKPART>

DISKPART> list disk

  ディスク      状態           サイズ   空き   ダイナ GPT
  ###                                          ミック
  ------------  -------------  -------  -------  ---  ---
  ディスク 0    オンライン           465 GB   464 GB
  ディスク 1    オンライン           238 GB    12 MB        *

DISKPART>

DISKPART> select disk 0

ディスク 0 が選択されました。

DISKPART>

DISKPART> list disk

  ディスク      状態           サイズ   空き   ダイナ GPT
  ###                                          ミック
  ------------  -------------  -------  -------  ---  ---
* ディスク 0    オンライン           465 GB   464 GB
  ディスク 1    オンライン           238 GB    12 MB        *

DISKPART>

DISKPART> list partition

  Partition ###  Type                Size     Offset
  -------------  ------------------  -------  -------
  Partition 3    回復                 788 MB   250 GB

DISKPART>

DISKPART> select partition 3

パーティション 3 が選択されました。

DISKPART>

DISKPART> list partition

  Partition ###  Type                Size     Offset
  -------------  ------------------  -------  -------
* Partition 3    回復                 788 MB   250 GB

DISKPART>
DISKPART> delete partition override

DiskPart は選択されたパーティションを正常に削除しました。

DISKPART>
DISKPART> exit

DiskPart を終了しています...
PS C:\WINDOWS\system32>

参考記事

https://pc-karuma.net/windows-10-delete-recovery-partition-diskpart/

雑学

Windowsのシステムドライブは、なぜ「C」から始まっているのか < クリックで折りたたみが開く >
  • 疑問
    なぜ、Windowsのシステムドライブが規定値で「Cドライブ」となっているのか
    疑問に感じたことはありますか?

    おそらく疑問に感じている方の多くは、若い方だと思います。

  • 答え
    HDDが一般化した際、すでにフロッピーディスクドライブ(FDD)でAドライブとBドライブを使っていた為となります。

  • 経緯
    WindowsのシステムドライブがCから始まっている理由は、
    昔は「フロッピーディスク」というメディアがあり、
    パソコン側にもフロッピーを読み書きする為のドライブが2つパソコンに搭載されていました。

    その2つのドライブで「Aドライブ・Bドライブ」を使用していました。

    HDD(ハードディスク)は今では一般的なストレージですが、フロッピーディスクよりも後発の技術です。

    フロッピーディスクドライブでドライブレターをBまで使用していた為、
    HDD = Cドライブという構成がスタンダードに。
    フロッピーディスクを使用して起動していたシステムも、Windows OSを始めとする大容量のHDDを前提としたシステムが一般的となりました。

    フロッピー + HDD というパソコンの構成が主流だった時期もありましたが、
    時代とともにフロッピーディスクは、より大容量なCDやDVDに移り変わりました。
    Cドライブは継続してHDDが使用され、AドライブとBドライブだけが使用されなくなった
    というのが、ざっくりした経緯です。

  • 最近の移り変わりは…
    最近ではHDDがより高速に読み書きでいるSSDとなるケースや、安価な外部ストレージとして使用されていたCDやDVDについても、
    価格が安くなったUSBメモリ、外付けHDD、NASなどに移り変わっています。

    急速に進化しているので今後は、メガネや家の窓、車のガラスなどにモニターが付属するようになり、
    端末を保有するという事が古くなる時代がくるのでしょうか。今後が楽しみです。

  • 参考記事
    https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1611/22/news058.html

まとめ

  • Windows標準コマンド、DISKPARTコマンドで回復パーティションの削除可能
  • DISKPARTはユーザーフレンドリーなコマンドではなく、わかりにくい表示
  • DISKPARTは強い権限を持ったコマンドな為、間違えないよう慎重に実行する必要あり

関連記事

https://haretokidoki-blog.com/pasocon_powershell-startup/
https://zenn.dev/haretokidoki/articles/7e6924ff0cc960

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