エンジニアが振り返る2022年のメルクストーリア
はじめに
Happy Elements株式会社 カカリアスタジオのメルクストーリアチームで働いているK.Y.です。
近年、アドベントカレンダーの取り組みで「エンジニアが振り返るメルクストーリア」という投稿を行っており、ありがたいことに多くの反響をいただいています。
そこで、今年も同様の趣旨で一年を振り返ってみたいと思います。
昨年の担当者から、「今年はよろしく!」とボールを渡されたので今年は私の方で振り返りを行っていきます。
簡単な自己紹介
所属グループでの主な業務内容
メルクストーリアチームのエンジニア業務を行っています。
最近は、Unityでクライアントサイドの開発を行うことが多めですが、Ruby on Railsでサーバーサイドの開発を行ったりもしています。
お問い合わせをいただいたり不具合が発生したりすれば、サポートや調査対応もします。
前職で何やってたか
前職は、SIerとして企業向けのシステム開発を行っていました。要件定義や基本設計などの上流工程を担当することが多かったですね。
ゲームとはまったく関係ない仕事をしていましたが、ゲームが好きだったこともあり転職時に思い切って応募した結果、ご縁があり入社させていただきました。
入社後は、前職との仕事の進め方の違いや自身の技術力不足で苦労しましたが、周囲の方々にフォローいただきながら日々成長できていると感じています。
以上、自己紹介でした。
ここからが本題の振り返りです!
2021年12月
一部昨年の記事に入っていなかった分です。
外伝イベント「メフテルハーネの16日間篇」「聖ベテルギウスの一週間篇」
アドベントカレンダーの様に毎日ストーリーを追加していくイベントを開催すると年末感もあって良いのではないか。ということで、この外伝イベントを実施しました。毎日更新されるストーリーを続きを待ちながら楽しんでもらえたなら幸いです。
外伝イベントは3ヶ月後に定常イベントとして復刻するんですが、工数や作りの関係もあり復刻時には通常の国別イベントと同じ形式になっています。
トトファイブ 来福祈祷祭
5口まで参加できるんですが、すべて同じ数値を選ぶ猛者や数字を巧みにバラすことで最低保証を確保する巧者など、人間性が垣間見える面白いイベントと感じています。
自分なりの攻略法(?)を駆使してダイヤを獲得してください。
2022年1月
ティンクルシードウィークトリプル開催
開催と同時にサーバーへ大量のアクセスが来ました!
メルストではシード効果による影響が大きいため、効率良くシードを獲得できるイベントが待ち望まれていたということを実感しました。私は各属性のソウルと後回しにしがちだった複属性ブレイクを集めてました。
スカウトの自動待機機能の実装
「1日1回 無料3連ダイヤスカウト」の実装後、多くのユーザー様が毎日スカウト(ガチャ)を実行する環境になりました。
その影響でクエスト出撃時にユニット所持数の制限に引っかかりクエストに出撃できないという問い合わせを多くいただいていました。特に、ギルバトのラスアタに出撃できなかったという悲しいお声を聞くことが多くありましたので、この機能を実装しました。
ギルバトのラスアタに出撃できなかったという悲劇を少しでも減らすことができ、他のことを気にせずに無料3連スカウトを気軽に実行できるようになったのではないでしょうか。
2022年2月
8周年記念!ハッピー8☆曜日クエスト開催
8周年ということで、ハッピー8☆曜日クエストを実装しました。
1時間×8回と限定ですが、欲しい素材を狙って好きな曜日のクエストにAp1で出撃できる破格のクエストでした。
始めて間もない人もベテラン癒術士の方にも満足いただけるためにはどの様なクエストが良いのかと頭を悩ませて考えました。
レジェンドスカウトフェス
メフテルハーネの住人の中でも特別なユニットが登場するフェスを開催しました。
初回は、超高耐久ユニットの「ヘェイスォ」を実装いたしました。レジェンドユニットと言うことで、レジェンドの名に相応しいものにすべく各クリエイターの方々が細部までこだわって制作してくれました。
リリース後、時間が経ってからですが、モーションイラストには特別なSEも付きました。まだ音を出して聞いていない方は、レジェンドユニットのモーションイラストを音を出して見て(聞いて)みてください。
2022年3月
ルーン機能の改修
ルーンの個数が増えてきたこともあり、ルーンのタブにそれぞれのルーンの個数を表示するようにUIを改修しました。
今までルーンの個数を「4×行数」で計算させてしまってすみませんでした。ルーンハントイベントなどで、各種ルーンを何個まで集めるか計算する時などに有効活用してもらえればと思います。
また、救援ユニットへのルーンの一括装備機能も利便性向上に向けた対応を行いました。
「メイドインアビス」とのコラボイベント
メイドインアビスの世界観とリンクするように、どこまで深く進めたかを競う「到塔」ベースのクエストを実装しました。深く潜ったユーザー様には、メイドインアビスの世界をイメージした称号を獲得できるようにしました。
メイドインアビスが好きなユーザー様にも満足していただけるように特設ページなどもこだわって実装しました。
2022年4月
外伝イベント「レネとアミャダ紅茶店篇」
通常の国別イベントとは少し違う試みで、マップ型イベントの「レネとアミャダ紅茶店篇」を開催しました。普段のメルストのストーリーは決まった順番でストーリーを読み進めるのですが、このイベントでは、自分の好きなクエストから進めることができ、どの順番でストーリーを読んでも物語が成立するように作ってあります。シナリオライターさんがすごく頑張ってくれました。
マップの演出やクエストの演出にも力が入っているので、普段クエストのエフェクト軽減をONで遊んでいるユーザー様も一度エフェクト軽減をOFFにして遊んでみてください。
前回の外伝の反省を踏まえて、こちらの外伝イベントは初回開催とほぼ同じ状態で復刻しています。
ギルバト演習機能の改修
ギルバトの環境に合わせて、設定可能な祈りの上限追加と武器特攻を自由に設定できるように修正しました。
なんとかトーナメントまでに実装が間に合ってよかったです。
2022年6月
アカウント削除機能
他のアプリもそうですが、ゲーム外の要件としてアカウント削除機能の実装が必要になりました。
アカウント情報を物理的に削除する恐ろしい機能のため、誤操作によるアカウント削除が発生しないように全社的にどのように対応するか検討を重ねました。
動線をなるべく深くする・鬱陶しいほど注意文を表示する・確認文言を入力してもらうなどなど、あえて利便性が低くなるように可能な限りの対応を行いました。
「あんさんぶるスターズ!!」とのコラボイベント
第3回目のコラボとなりました。前2回もストーリーやユニットのイラスト・モーションなどとても好評をいただいていたので、今回の開催についても、ユーザー様の高い期待値に応えられるように開発に取り組みました。
コラボクエストに出撃するとボスモンスターが出現する暴走イベントの様な形式のイベントを実装しました。ボスモンスター登場時の演出はあんさんぶるスターズ!!を意識したものになっていたのには気付いていただけましたでしょうか?
2022年8月
メインクエスト「死者の国(後編)」
「死者の国(後編)」ではストーリーとリンクするようにクエスト演出にもこだわりました。
ストーリーの盛り上がりがクエストで切れてしまうのはもったいないと常に考えていたのですが、今回追加したメインクエストは、クエストの演出でストーリーをさらに盛り上げることができたのではないかと思っています。
編成ボーナスの一部変更について
中衛ボーナスのミドルデュオとミドルトリオに「パーティ全体の攻撃力UP効果」を追加しました。
中衛ユニットがあまり活躍できない環境を変えるべく編成ボーナスを調整するという形で改善を図りました。中衛の攻撃力をただ上げるだけでは、今度は後衛ユニットが活躍できなくなってしまいますので、前衛・中衛・後衛それぞれに役割がありバランス良くパーティに編成してもらえる環境を目指して対応しています。
ギルドバトルの仕様変更
メルスト史に残る、今年最大の仕様変更となりました。
1日4回の開催時間を2回に減らすことにしました。朝と夕をメインに参加されていたユーザー様には申し訳ないのですが、様々なデータを考慮した結果、2回分の開催時間を減らすこととさせていただきました。
また、β運用中にロスタイムを復活させたことでユーザーの皆様を混乱させてしまう形になりました。運営が目指すギルバトと違う方向に向かう修正になってしまっていたので、仕様変更を実施したばかりでしたが元に戻させていただきました。
2022年9月
「にゃんこ大戦争」とのコラボイベント
ありがたいことに今年も仲良しコラボを実施させていただきました。
今年のコラボでは、エイプリルフールに続き2回目の選択肢付きのストーリーを実装しました。選んだ選択肢に応じてストーリーやクエスト画面の演出が変わるといったちょっとした遊び心満載のコラボでした。そのために多大な工数が掛かっております…w。ホーム画面エフェクトなども楽しんでいただけたなら幸いです。
2022年10月
ダイヤ価格の改定
円安が進んでいたのでいつか来ると思っていたのですが、9月20日についに価格改定のメールがAppleから届きました。
15日後(稼働日ベースで言うと10日)に新しい価格に変更する必要が急遽発生しました。
最低価格が160円からとなり、1ダイヤ160円に変更するとユーザー様への負担が大きすぎるため、2ダイヤ160円とする大幅な価格改定を行うことになりました。
価格対応はいつも緊急対応となるのでヒヤヒヤですが、数年前に対応した際のノウハウが役に立ち無事に危機を乗り越えました。
アナザースカウトフェス
過去の様々なイベントで登場したユニットを再登場させる度に、変わらない人気があることを実感していました。そこで、過去のユニットのふとした別の一面をもっとユーザー様に届けようという趣旨でこの企画が立ち上がりました。
初回のたいてんき様は、ギルバトでも活躍しやすくなり、ギルドバルトトーナメントでは活躍していただきました。
たいてんき様は運営の中でも人気で実際に「たいてんき様」と呼ばれています。
Unityアップデート対応
10月から11月にかけて、Unityアップデート対応を行いました。多くのユーザー様にご迷惑をおかけすることとなりすみませんでした。
2022年11月
同行ユニット数の増加
同行ユニット数を300体から500体に増やしました。
ありがたいことに長期間サービスをさせていただいており、★5ユニットだけで約250体になっています。前回300体への追加で★5ユニットをすべてユニット一覧に所持することはできるようになりましたが、救援ユニットなども加味するともっと欲しいと常に要望をいただいておりました。
クエスト出撃時などの負荷を計測しながら慎重に検討し、500体までなら影響が少ないと判断しなんとか枠を増やすことができました。しばらくはこれで勘弁してください。
「ラストピリオド」とのコラボイベント
社内コラボ第2弾の開催となりました。
ストーリーイベントやスカウト、高難易度クエストの前後半対応やストーリーの進行度に合わせてページの背景が変わるなど長く楽しんでいただけるように工夫しました。
高難易度クエストは、ギミッククエストを実装しました。単純にクリアすることはできないが、コラボから始めていただいたユーザー様でもパーティ編成やクエスト中の操作を覚えていただければクリアできるようにしました。音ゲーみたいでなかなか新鮮でした。
第13回ギルドバトルトーナメント
8月に行ったギルドバトルの仕様変更後、初めてのトーナメントとなりました。夜間バッチ処理の正常終了の通知が届くのをドキドキしながら見守っていました。
仕様変更で色々と変わるかな〜と思って見ていたのですが、全体的には前回までと変わらない熱い闘いを繰り広げていただきました。
個人的に昼と夜の2部開催になったことでかなり楽になりましたね。
幻闘クエストについて
昨年末から始まった幻闘クエストですが、2ヶ月に1度のペース(偶数月)で新しい遊びを提供し続けることができました。
エンドコンテンツと言うことで、上位層を意識したクエスト難易度設定にしています。簡単にはクリアできない難易度にしているので、パーティ編成から考えて楽しんでいただけると嬉しいです。
テストプレイでは、ギリギリクリアできるラインを目指して調整しているので、数日間に亘りバランス調整を行うこともありました。「練度が足りない」と言う言葉が飛び交っていました。
開発メンバーで「この難易度だったらなかなかクリアできないんじゃないか」と話しているんですが、だいたい予想を超えるスピードでクリアされますね。
獄・フィーラーズ!!
モンスターにダメージを与える順番を考える必要があり、最初のギミックに気付くまでに時間がかかったのではないでしょうか?
ギミック毎に一部のユニットを待機させる必要があり、その操作に慣れるまでが大変でした。
獄・オトのヌシ
2属性のモンスターに対してどのようなパーティを組むのか、どのブレイクを使うのかなどを考える必要がありました。
今の幻闘クエストから比べるとシンプルですね。
獄・女王の一刺
新ギミックの毒を新規開発しました。攻撃や毒状態の演出など、テストプレイで分かりにくいと言う声が上がったので、どうすれば分かりやすくなるだろうとこだわり開発を行いました。
ユニットを上げ下げする必要があり、普段とは違った操作・クエスト体験になったかと思います。
獄・咆哮の四龍
Wave毎に攻撃可能な属性が変わるギミックとなっているので、個人で複数属性を用意しても良いですしギルドメンバーと協力して役割分担をしても良いクエストとして考えていました。(できればギルドメンバーと役割分担してほしいと思っています)
役割分担することで、ギルドメンバーをキャリーしやすいクエストにもなっているので、ギルドにまだクリアしていないユーザー様がいる場合は手伝って一緒にクリアしてあげてください!
獄・街道を阻むもの
シルバーラビューン(硬いモンスター)をいかに上手く倒すかが求められるクエストです。しかし、シルバーラビューンばかりを意識すると他のモンスターにやられる可能性があるので、丁度良いバランスの編成を考えてもらいたいというクエストです。
獄・エヴィフの賢獣たち
今月も新ギミックを追加しました。ユニット側へのパライズ効果(マヒ)を実装しました。マヒに掛かったユニットは、攻撃や移動だけではなく、バック操作やシードを発動するなどのほぼすべての操作ができなくなります。
マヒ攻撃を発動するエフェクトをしっかり見てしっかり躱すことがとても重要になります。なるべく目立つように演出は頑張りました。完璧ではないかもしれないですが、頑張って見切ってください!
テストプレイ時の仮演出ではほとんど予兆なしでマヒ攻撃が飛んできて、前線が崩壊する激ムズ難易度でした…
まとめ
1年を振り返ると、色々な対応を行ってました。
中でも大きかったのは、ギルドバトルの仕様変更かと思います。慣れ親しんだギルドバトルに大きくメスを入れる対応となり開発チームとしてかなり思い切った判断でした。
また、クエスト面で新しい体験を届けることができた1年になったのではないかなとも感じています。幻闘では新規ギミックを継続的に追加しましたし、メインや国別イベントやコラボイベントなどのクエストでもギミックを使うことで従来のメルストのクエストとは一味違ったクエスト体験を楽しんでもらえたのではないかと思います。
来年以降も、新しい体験をお届けできるように様々な開発を準備していますので、引き続きメルストを楽しんでいただけたら幸いです。
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