メインフレームにおける「アプリケーション」とは?
以下の記事を見かけ CICS やら IMS の名前が並んでいたので、年寄りが昔を懐かしんでメインフレーム(ホストコンピューター)におけるアプリケーションについて少し書いてみます。
アプリケーションとは?
普通「アプリケーションとは?」と質問されれば、返答は「エクセル」のような具体的な名称だったり「スマホアプリ」「ウェブアプリ」など様々になるでしょう。
一方でメインフレームでは少し事情が異なっていて、アプリケーションは通信システムで APPL として定義されているソフトウェアを指すことがあります。
たとえば TSO(Time Sharing Option)はざっくり言うと bash(または ssh)に近いものです。こう書くと TSO はいわゆるシェルというイメージになりそうですが、メインフレームでは APPL として定義されます。そのため構成上はアプリケーション(アップル)または日本語で適用業務プログラムと認識されることが多かったです。
この辺は SNA や VTAM などが絡むので詳しい説明を省きますが(そもそも忘却の彼方です)、以下の説明は雰囲気をつかみやすいです。
それは共通認識なの?
組織の成り立ちなどにもよりますが、上記の話は技術部門(システム管理)側の話であって、生産管理や人事管理などの業務システムを開発している部署では異なることがあります。
たとえば、オンライントランザクションを扱う CICS や IMS もアプリケーションですが、運用するときは以下のようになります。
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CICS11JINJI
CICS12HANBAI
IMS13SEISAN
のようなアプリケーション(APPL)を定義する - 開発部門はそれぞれのアプリケーション上に業務システムを構築する
そして、開発部門では構築された業務システムに意識が向くので、CICS11JINJI
などがアプリケーションであると意識することは少なかった印象です[1]。
また、私がメインフレームに関わっていたときは OS/2 や Windows 上での 3270 エミュレータが普及し始めたので、アプリケーションといえば「普通にエクセル」であることも多かったです[2]。
そのようなこともあり、クラサバ系の会社の人が最初に開発部門へ営業かけて、そのあと技術部門と話すとアンジャッシュ状態になることがたまにありました。
どっちの意味で言っているのか?
この辺は組織内での言い回しや文脈、あるいは時代などで異なりますが。
アプリケーション定義では APPL というキーワードが出てきます。そのためか、認識にズレが出ないようにするときは意識して「アップル」と言っていました。「アップルの定義がなんとかかんとか」言っていたら大体はこっち側の人間です。
が、いまどきは普通にアップル社のことを言っている可能性もあります。アンジャッシュが増えそうな難儀な時代になったものです。
おわりに
メインフレームにおけるアプリケーションについて書いてみました。
昔を思い出しながら書いてみましたが、運悪く[3]メインフレーム系のシステムをリプレースすることになった人が「そういえばアップルがどうこう言ってたな」的に何かのお役に立てれば幸いです。
ちなみに、冒頭のブログ記事はアプリケーションとして「CICS 上に構築された業務システム」を指しているようです。
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