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`method!` はRubyだと「破壊的」・Railsだと「厳密な」

たまたま

ひとことで

method! のように ! がつくと、Rubyだと「破壊的」・Railsだと「厳密な」を意味する

たまたま

説明

RubyやRailsにおける!(エクスクラメーションマーク)の使用は、一般的に二つの文脈で見られますが、それぞれ異なる意味を持ちます。

破壊的メソッド

Rubyの標準ライブラリや多くのRubyソフトウェアでは、!がメソッド名の末尾に付くことで、そのメソッドが「破壊的」であることを示します。これはメソッドがレシーバーとなるオブジェクトの状態を変更することを意味します。例えば、Array#sortArray#sort!の違いは、sortが新しい配列を返すのに対し、sort!が配列自体をソート(つまり変更)することです。

厳密なメソッド

Railsでは、!がメソッド名に付くと、そのメソッドが「厳密な」バージョンであることを示します。これは、メソッドが失敗した場合に例外を発生させることを意味します。createcreate!の違いが良い例です。create!は、オブジェクトの保存がバリデーションに失敗した場合にActiveRecord::RecordInvalid例外を発生させます。これにより、開発者はエラーを即座に検知し、適切に対応することができます。

たまたま

具体例

Ruby on Railsでは、!を使用して「厳密な」動作を示すメソッドはいくつかあります。これらのメソッドは、通常のバージョンと比較して、何らかの形で失敗した場合に例外を発生させる点が特徴です。以下に、そのようなメソッドの例をいくつか挙げます。

ActiveRecordのメソッド

  • save!save

    • saveメソッドは、オブジェクトをデータベースに保存しようと試みますが、バリデーションに失敗すると単にfalseを返します。
    • save!メソッドも同様にオブジェクトを保存しようとしますが、バリデーションに失敗した場合はActiveRecord::RecordInvalid例外を発生させます。
  • create!create

    • 前述の通り、createは新しいレコードをデータベースに保存しようとしますが、失敗するとオブジェクトを返します。オブジェクトは保存されず、persisted?falseを返します。
    • create!は、保存に失敗した場合(バリデーションエラーなど)にActiveRecord::RecordInvalid例外を発生させます。
  • update!update

    • updateメソッドは、指定された属性でレコードを更新しようとしますが、バリデーションに失敗するとfalseを返します。
    • update!メソッドは、更新操作がバリデーションに失敗した場合にActiveRecord::RecordInvalid例外を発生させます。

ActiveModelのメソッド

  • valid!valid?
    • valid?メソッドはオブジェクトがバリデーションを通過するかどうかをチェックし、trueまたはfalseを返します。
    • valid!メソッドは、オブジェクトがバリデーションを通過しない場合にActiveModel::ValidationError例外を発生させます。
たまたま

Railsにおいて!を使うケース

Railsの開発において!を用いるかどうかは、アプリケーションの要件、エラーハンドリング戦略、そして開発チームの方針によって異なります。しかし、いくつかの一般的なガイドラインと考慮事項を挙げることはできます。

!を用いるメリット

  • 即時のエラー発見: !を用いたメソッドは、操作が失敗した際に例外を発生させます。これにより、問題が発生した正確な場所と原因をすぐに特定できるため、デバッグが容易になります。
  • データの整合性: データベースに無効なデータが保存されるのを防ぐことができます。例えば、バリデーションに失敗した場合に例外を発生させることで、アプリケーションのデータの整合性を保つことができます。
  • 明示的なエラーハンドリング: 例外を発生させることで、エラーハンドリングを強制し、開発者がエラー処理をより意識的に行うようになります。

!を用いるデメリット

  • エラーハンドリングの必要性: 例外を発生させるメソッドを使用する場合、適切なエラーハンドリングコードを書く必要があります。これは、特に大規模なアプリケーションでは、コードの複雑さを増す可能性があります。
  • ユーザー体験: フォームの入力など、ユーザーからの入力を扱う場合、例外を発生させるよりも、エラーメッセージを表示してユーザーに修正の機会を与える方が望ましい場合があります。

一般的な使用ガイドライン

  • バックエンドのロジック: データの整合性が重要なバックエンドのロジックでは、!を用いたメソッドを使用して、データが正しく処理されることを保証することが推奨されます。
  • ユーザー入力の処理: ユーザーからの入力を扱う場合は、!を用いずに、バリデーションエラーを捕捉してユーザーにフィードバックを提供する方法が一般的です。
  • エラーハンドリング戦略: アプリケーション全体で一貫したエラーハンドリング戦略を持つことが重要です。例外を発生させるメソッドを使用する場合は、これらの例外を適切に処理するためのメカニズムを実装する必要があります。

結論として、!を用いるかどうかは、その使用がアプリケーションの品質、メンテナンス性、およびユーザー体験に与える影響を考慮して決定するべきです。厳密さを重視する場面では積極的に使用することが推奨されますが、ユーザーインターフェースやエラーハンドリングの複雑さを考慮する必要があります。