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チューリング賞歴代受賞者まとめ

2024/06/24に公開

記事の概要

  • 自分用のメモ
  • チューリング賞の歴代受賞者をまとめ、Computer Science の歴史を概観できるようにする
  • 受賞者の受賞理由に対する歴史的なバックグランドも書く(追記予定)

1966 年~1980 年

1966 年 - Alan J Pelis

概要

  • ALGOL の言語開発者
  • ALGOL の言語開発が評価され、初代チューリング賞受賞者に輝く

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/perlis_0132439.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Alan_Perlis

1967 年 - MAURICE V. WILKES

概要

  • 1949 年に作られた EDSAC という内部保管されたプログラムを実行できるコンピュータの開発者
  • "Preparation of Programs for Electronic Digital Computers"という書物を 1951 年に出版したことでも有名

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/wilkes_1001395.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Maurice_Wilkes

1968 年 - RICHARD W. HAMMING

概要

  • ハミング符合をはじめとした、誤り訂正・誤り検出技術を開発し、情報通信理論に多大に貢献した

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/hamming_1000652.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Hamming

1969 年 - MARVIN MINSKY

概要

  • シモーア・パパートの共著「パーセプトロン」はニューラルネットワーク解析の基礎を築いた
  • 人工知能への貢献から Turing 賞を受賞

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/minsky_7440781.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Marvin_Minsky

1970 年 - JAMES HARDY ("JIM") WILKINSON

概要

  • 応用数学と Computer Science の境界領域である数値解析の分野での貢献から受賞

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/wilkinson_0671216.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/James_H._Wilkinson

1971 年 - JOHN MCCARTHY

概要

  • プログラミング言語 LISP の開発者
  • MARVIN MINSKY と並ぶ初期の人工研究の第一人者
  • Artificial Intelligence という用語は彼が 1956 年のダートマス会議のために出した提案書で初めて使用された

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/mccarthy_1118322.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/John_McCarthy_(computer_scientist)

1972 年 - EDSGER WYBE DIJKSTRA

概要

  • グラフの最短経路を求める Dijkstra's method(ダイクストラ法)
  • goto 文の有害性を指摘し、構造化定理を発表。のちの構造化プログラミングにつながった
  • 他にも並行処理の分野での銀行家のアルゴリズムの提案

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/dijkstra_1053701.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Edsger_W._Dijkstra

1973 年 - CHARLES WILLIAM BACHMAN

概要

  • Integrated Data Store (IDS)をはじめとした DB 技術の分野で多大な功績を残した

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/bachman_9385610.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Charles_Bachman

1974 年 - DONALD ("DON") ERVIN KNUTH

概要

  • アルゴリズム計算量の解析手法としてプログラミング界にビッグオー記法を導入
  • 彼の書籍"The Art of Computer Programming"(TAoCP あるいは ACP)は Computer Science の Bible となっている

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/knuth_1013846.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Donald_Knuth

1975 年 - ALLEN NEWELL, HERBERT ("HERB") ALEXANDER SIMON

概要

  • 人工知能と認知心理学への基礎的貢献からチューリング賞を受賞
  • プログラマの J. C. Shaw と共に世界初の真の人工知能プログラム Logic Theorist を共同で開発した

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/simon_1031467.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/newell_3167755.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Herbert_A._Simon
https://en.wikipedia.org/wiki/Allen_Newell

1976 年 - MICHAEL O. RABIN, DANA STEWART SCOTT

概要

  • "Finite Automata and Their Decision Problems"(有限状態機械とその決定性問題)を執筆。計算複雑性理論の重要な概念をいくつも提唱した。
    • 例えば、非決定性有限オートマトンを活用して、クリーネの「有限状態機械は正確に正規言語を受理する」という結論を再証明することができた
  • RABIN は KARP と共に開発した文字列検索アルゴリズムである、ラビン-カープ文字列検索アルゴリズムでも有名

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/rabin_9681074.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/scott_1193622.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Michael_O._Rabin
https://en.wikipedia.org/wiki/Dana_Scott

1977 年 - JOHN BACKUS

概要

  • FORTRAN の開発をはじめに、プログラミング言語開発への貢献からチューリング賞を受賞
  • バッカスナウア記法(BNF)の B の人

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/backus_0703524.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/John_Backus

1978 年 - ROBERT (BOB) W FLOYD

概要

  • グラフ理論における最短経路問題の解決策の一つである、Warshall-Floyd 法の設計
  • 数列の循環を検出するフロイドの循環検出法があり、これらは構文解析にも利用されてる
  • プログラム検証を数理論理学の手法を使って行うという先駆的な試みを行なった(これは後のホーア論理につながる重要な貢献となった)

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/floyd_3720707.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Robert_W._Floyd

1979 年 - KENNETH E. ("KEN") IVERSON

概要

  • プログラミング言語 APL の開発者
  • 1983 年、ACM の Special Interest Group on APL (SIGAPL) はアイバーソンの栄誉を讃えて APL の発展に寄与した人物を表彰する「アイバーソン賞」を創設

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/iverson_9147499.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Kenneth_E._Iverson

1980 年 - C. ANTONY ("TONY") R. HOARE

概要

  • ホーア論理や、並行プロセスを形式記述する Communicating Sequential Processes(CSP)などを考案した
  • Sorting アルゴリズムとして有名な Quick Sort の考案者

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/hoare_4622167.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Tony_Hoare

1981 年 - EDGAR F. ("TED") CODD

概要

  • 関係データベースの理論的基盤であるデータベース管理の関係モデルを発明
  • 彼の発明が元となった RDBM(Relational Database Management System)は今日世界のあらゆるソフトウェアシステうで用いられている

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/codd_1000892.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Edgar_F._Codd

1982 年 - STEPHEN ARTHUR COOK

概要

  • 1971 年の論文 "The Complexity of Theorem Proving Procedures"(定理証明手続きの複雑性)で、多項式時間変換(チューリング還元)の記法と NP 完全性を定式化し、充足可能性問題 (SAT) が NP 完全だと示すことで NP 完全問題の存在を証明
  • その計算複雑性理論への多大な貢献により、82 年のチューリング賞を受賞

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/cook_n991950.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Stephen_Cook

1983 年 - DENNIS M. RITCHIE, KENNETH LANE THOMPSON

概要

  • 汎用 OS である UNIX の理論と実装に貢献
  • リッチーは,「C 言語」の開発者であり,はじめはアセンブラで記述されていた UNIX のソースコードを C 言語で書き直す作業も担当

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/thompson_4588371.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/ritchie_1506389.cfm

https://en.wikipedia.org/wiki/Ken_Thompson
https://en.wikipedia.org/wiki/Dennis_Ritchie

1984 年 - NIKLAUS E. WIRTH

概要

  • EULER, ALGOL-W, MODULA, PASCAL といったプログラミング言語を開発
  • PASCAL はのちのコンピュータ言語・システム・アーキテクチャに多大な影響を与えた

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/wirth_1025774.cfm
https://en.wikipedia.org/wiki/Niklaus_Wirth

1985 年 - RICHARD ("DICK") MANNING KARP

概要

  • 1972 年、計算複雑性理論における重要な論文 "Reducibility Among Combinatorial Problems"(組合せ問題間の還元可能性)を発表し、その中で 21 の問題が NP 完全であることを証明
  • KARP は、1972 年の受賞者である RABIn と共に開発した文字列検索アルゴリズムである、ラビン-カープ文字列検索アルゴリズムでも有名
  • 1971 年、ジャック・エドモンズと共同でネットワークの最大フロー問題を解くエドモンズ-カープアルゴリズムを開発

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/karp_3256708.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/リチャード・カープ

1986 年 - ROBERT (BOB) ENDRE TARJAN 年 - JOHN E HOPCROFT

概要

  • ホップクロフト-タージャン平面性判定アルゴリズムは、世界初の線形時間の(グラフの)平面性判定アルゴリズムなど、平面グラフへの研究で多大な貢献を示した
  • タージャンは、タージャンのオフライン最小共通祖先アルゴリズムやタージャンの強連結成分アルゴリズム、フィボナッチヒープ(木構造群からなるヒープデータ構造)とスプレー木を開発した
  • その他にもタージャンは、素集合データ構造の分析でも多大な貢献をし、初めて逆アッカーマン関数の最適実行時間を証明している

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/hopcroft_1053917.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/tarjan_1092048.cfm

https://ja.wikipedia.org/wiki/ロバート・タージャン
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョン・ホップクロフト

1987 年 - JOHN COCKE

概要

  • IBM 801 ミニコンピュータででコックは比較的単純な命令セットを実装し、コンパイラを最適化することでコストパフォーマンスを向上
  • コンピュータの命令セットアーキテクチャである RISC の開発
  • 構文解析アルゴリズムである CYK 法の発明者の 1 人(C は Cocke の C)

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/cocke_2083115.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョン・コック

1988 年 - IVAN SUTHERLAND

概要

  • コンピュータグラフィックス、バーチャルリアリティの先駆者
  • 今ではパーソナルコンピュータ上で当たり前となった GUI の先駆けとなる Sketchpad を発明

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/sutherland_3467412.cfm

https://ja.wikipedia.org/wiki/アイバン・サザランド

1989 年 - WILLIAM (“VELVEL”) MORTON KAHAN

概要

  • 浮動小数点数の父
  • IBM 7094 で浮動小数点数の正確な計算ができるソフト環境を実現した
  • 浮動小数点演算に関するバグを検出するプログラム”paranoia”を開発

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/kahan_1023746.cfm

1990 年 - FERNANDO J ("CORBY") CORBATO

概要

  • MIT で開発された CTSS は世界で初めてユーザーアカウントにパスワードを使用したシステム
  • CTSS に続いて開発を率いた Multics は、のちの UNIX 系 OS に大きな影響を与えた
  • あるプログラマーが一定時間内に書くことのできるコードの行数はプログラミング言語にかかわらず同じだとする「コルバトの法則」でも知られる

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/corbato_1009471.cfm
https://en.wikipedia.org/wiki/Fernando_J._Corbato

1991 年 - ARTHUR JOHN ROBIN GORELL ("ROBIN") MILNER

概要

  • 多相型のインタフェースを型安全な例外ハンドリングシステムを含む ML と呼ばれる言語を開発
  • 並行性の一般理論である CCS の開発
  • 自動で定理を証明する Logic for ComputableFunctions(LCF)の開発

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/milner_1569367.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/ロビン・ミルナー

1992 年 - BUTLER W LAMPSON

概要

  • 世界初のパーソナルコンピュータと称される Alto を開発した

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/lampson_1142421.cfm9
https://ja.wikipedia.org/wiki/バトラー・ランプソン

1993 年 - JURIS HARTMANIS, RICHARD ("DICK") EDWIN STEARNS

概要

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/stearns_1081900.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/hartmanis_1059260.cfm

https://ja.wikipedia.org/wiki/ユリス・ハルトマニス
https://ja.wikipedia.org/wiki/リチャード・スターンズ

1994 年 - EDWARD A ("ED") FEIGENBAUM, DABBALA RAJAGOPAL ("RAJ") REDDY

概要

  • 大きいスケールでの人工知能システムの設計と構築で先駆的な功績を残した
  • 人工知能の実践的・商業的利用に多大な貢献を残した

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/reddy_9634208.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/feigenbaum_4167235.cfm

1995 年 - MANUEL BLUM

概要

  • 具体的なハードウェアからは独立した公理的な複雑性理論を生み出し、この理論から圧縮定理、ギャップ定理、honesty theorem、ブラムの加速定理などを生み出した
  • 他にも、電話によるコイン投げのためのプロトコル、線形時間の選択アルゴリズム、暗号論的に安全性が証明された擬似乱数生成法である Blum-Blum-Shub、それとこの擬似乱数生成法をベースとした確率的公開鍵暗号である Blum-Goldwasser 暗号、Captcha などの業績がある

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/blum_4659082.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/マヌエル・ブラム

1996 年 - AMIR PNUELI

概要

  • 時相論理をコンピュータサイエンスに持ち込み、モデル検査に応用した
  • プログラム検証、システム検証に多大な貢献を残した

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/pnueli_4725172.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/アミール・プヌーリ

1997 年 - DOUGLAS ENGELBART

概要

  • 初期のコンピュータやインターネットの開発に関与
  • オーグメンテイション研究センター (ARC) を SRI 内に創設し、研究員を集め、oN-Line System (NLS) の開発と設計を主導した。ARC では、ビットマップ・スクリーン、マウス、ハイパーテキスト、グループウェア、先駆的なグラフィカルユーザインタフェース (GUI) などのインタフェース要素を開発した。彼は 1960 年代中ごろにユーザインタフェース (UI) のアイデアの多くを考案し開発した。
  • ARC はインターネットの前身である ARPANET にも関与

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/engelbart_5078811.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダグラス・エンゲルバート

1998 年 - JAMES ("JIM") NICHOLAS GRAY

概要

  • データベースおよびトランザクション処理に関する独創的な研究とシステム実装についての技術的リーダーシップに対して」チューリング賞を授与
  • DB の業界で以下の概念提唱や実装をおこなった
    • ACID
    • Two-tier transaction commit semantics
    • The Five-minute rule for allocating storage
    • OLAP cube operator for data warehousing

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/gray_3649936.cfm
https://en.wikipedia.org/wiki/Jim_Gray_(computer_scientist)

1999 年 - FREDERICK ("FRED") BROOKS

概要

  • System/360 およびそのオペレーティングシステム OS/360 の開発グループのマネージャ
  • コンピュータアーキテクチャという用語を生み出した
  • 他にも、ソフトウェア工学におけるプロジェクト管理の経験則であるブルックスの法則を提唱

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/brooks_1002187.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/フレデリック・ブルックス

2000 年 - ANDREW CHI-CHIH YAO

概要

  • アジア系初のチューリング賞受賞者
  • 計算複雑性理論に基づく擬似乱数、暗号理論、通信複雑性などの計算理論への基本的貢献に対して」チューリング賞を授与
  • 量子コンピュータ、量子暗号などに多大な功績を残した

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/yao_1611524.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/アンドリュー・チーチー・ヤオ

2001 年 - OLE-JOHAN DAHL, KRISTEN NYGAARD

概要

  • オブジェクト指向プログラミングのアイデアを生み出し、ノルウェー・コンピューティング・センター(英語版) (NR) で Simula I(1961 年–1965 年)と Simula 67(1965 年–1968 年)をシミュレーションのためのプログラミング言語として開発し
  • ここで世界初のクラス、(明示的カプセル化を可能とした)サブクラス、継承、動的オブジェクト生成などオブジェクト指向パラダイムに重要な観点の数々を生み出した

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/nygaard_5916220.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/dahl_6917600.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/オーレ=ヨハン・ダール
https://ja.wikipedia.org/wiki/クリステン・ニゴール

2002 年 - RONALD (RON) LINN RIVEST, ADI SHAMIR, LEONARD (LEN) MAX ADLEMAN

概要

  • RSA 暗号の開発
  • RSA は 3 人の頭文字から来ている

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/adleman_7308544.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/rivest_1403005.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/shamir_2327856.cfm

https://ja.wikipedia.org/wiki/ロナルド・リベスト
https://ja.wikipedia.org/wiki/アディ・シャミア
https://ja.wikipedia.org/wiki/レオナルド・エーデルマン

2003 年 - ALAN KAY

概要

  • みんな大好きアラン・ケイ
  • 「オブジェクト指向プログラミング」というアイデア・言葉の生みの親
  • Small Talks の開発
  • 「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」という言葉でも有名

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/kay_3972189.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/アラン・ケイ

2004 年 - VINTON (“VINT”) GRAY CERF, ROBERT (“BOB”) ELLIOT KAHN

概要

  • 現代のネットワークには欠かせない TCP/IP 開発を主導した

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/cerf_1083211.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/kahn_4598637.cfm

2005 年 - PETER NAUR

概要

  • ALGOL 60 プログラミング言語の創造に貢献
  • バッカス・ナウア記法(BNF)の N の人
  • B の BACKUS は 1977 年に Turing 賞を受賞している

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/naur_1024454.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/ピーター・ナウア

2006 年 - FRANCES ("FRAN") ELIZABETH ALLEN

概要

  • 女性初のチューリング賞受賞者
  • コンパイラやコード最適化、および並列化における発展的な業績を残した

関連リンク

https://ja.wikipedia.org/wiki/フランシス・E・アレン

2007 年 - EDMUND MELSON CLARKE, E. ALLEN EMERSON 年 - JOSEPH SIFAKIS

概要

  • 有限状態並行システムの検証技法として、モデル検査を使うことを初めて提唱した。クラークの研究グループは、ハードウェア検証にモデル検査を使うことを先駆的に行った。
  • クラークは、世界初の並列分析式自動定理証明機 (Parthenon) と世界初の記号的計算システムに基づく自動定理証明機 (Analytica) を開発

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/sifakis_1701095.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/clarke_1167964.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/emerson_1671460.cfm

https://ja.wikipedia.org/wiki/エドムンド・クラーク
https://ja.wikipedia.org/wiki/アレン・エマーソン
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョセフ・シファキス

2008 年 - BARBARA LISKOV

概要

  • オブジェクト指向プログラミングの発展へとつながったプログラミング言語(特に CLU と Argus)設計とソフトウェア方法論についての貢献により、ACM チューリング賞を受賞
  • Jeannette Wing と共に派生型という概念を定義し、現在では SOLID の L であるリスコフの置換原則として知られている

関連リンク

https://ja.wikipedia.org/wiki/バーバラ・リスコフ

2009 年 - CHARLES P. (CHUCK) THACKER

概要

  • アラン・ケイ、ボブ・テイラー、バトラー・ランプソンと共に、現在のパーソナルコンピュータの原型ともいえるワークステーション Alto をゼロックスのパロアルト研究所 (PARC) において開発
  • サッカーはイーサネット開発にも関わり、レーザープリンターの開発にも貢献

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/thacker_1336106.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/チャック・サッカー

2010 年 - LESLIE GABRIEL VALIANT

概要

  • 、機械学習の「確率的で近似的に正しい」(PAC、"probably approximately correct")モデルを提唱して機械学習の理論的発展に貢献し、ホログラフィックアルゴリズムの概念も提唱
  • 初期にはオートマタ理論を研究し、CYK 法を発展させたヴァリアントのアルゴリズムを考案。これは 2010 年現在も、文脈自由文法を判定する漸近的に最速なアルゴリズムである。

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/valiant_2612174.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/レスリー・ヴァリアント

2011 年 - JUDEA PEARL

概要

  • ベイジアンネットワークと人工知能への確率的アプローチの先駆者の 1 人であり、実験的科学の因果モデルを数学的に定式化した先駆者の 1 人

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/pearl_2658896.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジューディア・パール

2012 年 - SHAFI GOLDWASSER, SILVIO MICALI

概要

  • ゴールドワッサー=ミカリ暗号の発明
  • ゼロ知識証明の発明。これは、追加の知識なしで表明の正当性を蓋然的かつ対話的に証明する手法であり、暗号設計の重要な手段の一つとなっている。
  • 計算複雑性理論では近似問題の分類に関して NP の近似解だけが必要な場合でも解を得るのが困難な問題があることを示した

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/micali_9954407.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/goldwasser_8627889.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/シルビオ・ミカリ
https://ja.wikipedia.org/wiki/シャフィ・ゴールドワッサー

2013 年 - LESLIE LAMPORT

概要

  • 自律的に動作する複数のコンピュータがメッセージをやり取りして相互に通信を行う分散コンピューティングシステムの一見するとカオスな振る舞いに、明確で Well-defined な一貫性を課したことで、チューリング賞を受賞
  • 文書作成システム LaTeX の最初の開発者であり、その最初のマニュアルの著者
  • ランポートは時相論理の研究でも知られており、アクションの時相論理(TLA)を導入

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/lamport_1205376.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/レスリー・ランポート

2014 年 - MICHAEL STONEBRAKER

概要

  • Ingres, Postgres などを開発し、現代のデータベースシステム設計に多大な貢献をもたらした
  • Postgres は PostgreSQL の基盤となった

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/stonebraker_1172121.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/マイケル・ストーンブレーカー

2015 年 - MARTIN HELLMAN, WHITFIELD DIFFIE

概要

  • 公開鍵暗号のアルゴリズムの発展の基礎に貢献した。
  • "New Directions in Cryptography"という論文を発表。これは今日、Diffie-Hellman 鍵共有として知られている。

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/diffie_8371646.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/hellman_4055781.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/マーティン・ヘルマン
https://ja.wikipedia.org/wiki/ホイットフィールド・ディフィー

2016 年 - SIR TIM BERNERS-LEE

概要

  • World Wide Web の開発
  • 世界初の Web ブラウザの開発
  • Web 技術が発展するためのプロトコルやアルゴリズムの開発への貢献を行なった

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/berners-lee_8087960.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/ティム・バーナーズ=リー

2017 年 - JOHN L HENNESSY, DAVID PATTERSON

概要

  • RISC (Reduced Instruction Set Computer) の有効性を定量的に示し、RISC をマイクロプロセッサのアーキテクチャにおける一大潮流とした
  • CS 専攻の学生のバイブル的な書物である、「パタヘネ」の著者 2 人

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/patterson_2316693.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/hennessy_1426931.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョン・ヘネシー
https://ja.wikipedia.org/wiki/デイビッド・パターソン_(計算機科学者)

2018 年 - YOSHUA BENGIO, GEOFFREY E HINTON, YANN LECUN

概要

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/lecun_6017366.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/hinton_4791679.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/bengio_3406375.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヨシュア・ベンジオ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェフリー・ヒントン
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤン・ルカン

  • ディープラーニングの生みの親たち

2019 年 - EDWIN E. CATMULL, PATRICK M. HANRAHAN

概要

  • ピクサー作品はもとより、多くのハリウッド映画でも活用された 3DCG レンダリングソフトウェアである RenderMan の開発者
  • 現在はホビー向けの 3DCG ソフトウェアでも一般的に使われているスプライン曲線の生成手法である Catmull–Rom 曲線、同じく細分割曲面の生成手法である Catmull-Clark 曲面などの開発者

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/hanrahan_4652251.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/catmull_1244219.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/エドウィン・キャットマル
https://ja.wikipedia.org/wiki/パット・ハンラハン

2020 年 - ALFRED VAINO AHO, JEFFREY DAVID ULLMAN

概要

  • アルゴリズムやプログラミング言語実装などに関する影響力のある本を数々出版し、次世代の Computer Scientist を育て上げた
  • Google 創業者の 1 人セルゲイ・ブリンもウルマンの指導を受けた
  • 1974 年、エイホとウルマンはジョン・ホップクロフトと共にそれまでのアルゴリズム研究の成果をまとめた『アルゴリズムの設計と解析』を出版した。この本は計算機科学分野で数十年間最も引用・参照されてきた本であり、計算機科学教育でアルゴリズムとデータ構造が重視されるきっかけを作った。

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/ullman_1054360.cfm
https://amturing.acm.org/award_winners/aho_1046358.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルフレッド・エイホ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェフリー・ウルマン

2021 年 - DR. JACK DONGARRA

概要

  • ハードウェアの指数関数的な発展に伴うソフトウェアの数値アルゴリズムやライブラリの先駆的発展に 40 年以上貢献した
  • EISPACK、LINPACK、BLAS、LAPACK、ScaLAPACK、Netlib、PVM、MPI、NetSolve、TOP500、ATLAS、PAPI などの仕様策定・実装に携わった他、200 以上の論文・著書を執筆

関連リンク

https://amturing.acm.org/award_winners/dongarra_3406337.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャック・ドンガラ

参考文献

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