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「Blockchain as a SNS としてのSymbol」というフレーズがなんとなく思い浮かんだ、というお話

2025/01/06に公開

Engraver──Blockchainが生み出す、新しいSNS体験

常々、暗号通貨Walletというものの位置付けは難しいな、と考えていました。何かへの支払い手段として新しいアプリを入れるのであれば、それは別にPayPay等で良いわけであり、普通の人々にとって暗号通貨のウォレットアプリを日常的に利用する動機としては弱いです。もっと、普段のユースケースの中に暗号通貨利用が自然と組み込まれるようなものはないのでしょうか?

今回ご紹介するのは、私が開発中の新しいサービス「Engraver」。
Blockchain as a SNS をテーマに掲げたこのサービスは、ただのコミュニケーションツールにとどまらず、「現実の出会い」を記録し、「信頼性を重視した発言」を促進する仕組みとして活用されることを志向しています。


オープンブロックチェーン上に刻まれるデータ──これまでのSNSにはない透明性

Engraverの特長は、投稿やメッセージが単なる「サーバー内の記録」ではなく、オープンブロックチェーン上に直接記録される点です。この仕組みにより、以下の利点が実現します。

  1. 改ざん不可能な信頼性
    投稿や履歴が暗号通貨と同じ仕組みで管理され、特定の管理者による改ざんが不可能。公正で透明な環境が保たれます。

  2. ユーザーがデータの所有者
    データはウォレットアドレスと紐づけられ、サービス提供者に依存せず、自分のデータをいつでもどこでもアクセス可能。

  3. 投稿に“消せない”重み
    投稿内容はブロックチェーン上に永続化されるため、削除できません。これにより発言に責任を伴わせ、不誠実なコミュニケーションを抑制します。

  4. 現実の出会いを記録
    Engraverの特徴的な機能として、実際の人と人との出会いをブロックチェーン上に記録することができます。例えば、イベントや日常の場面での出会いが相互に承認されることで、信頼性のあるつながりを形成できます。この記録は削除不可能であり、出会いの価値を永続的に保持します。

これらの特性は単なる「分散型SNS」の域を超え、オンチェーンならではの独自性をSNS体験に取り込むものです。例えば、「発言が記録として社会に残る」 という事実は、投稿者に慎重で誠実な行動を促し、SNSの信頼性を高める効果を期待できます。


SNS感覚で始められるウォレット機能

暗号通貨ウォレットという言葉には少し身構える方も多いかもしれません。実際、多くのウォレットは専門知識を要し、初心者には敷居が高い印象を与えます。

「Engraver」では、このハードルを大幅に下げることを目指しています。
暗号通貨ウォレットにメッセージ送信機能がある、という見せ方ではなく、「SNSを使っていたら暗号通貨送金もできる」 という自然な流れを意識しました。

  • SNSを始める感覚で、暗号通貨の送受信が可能
  • 面倒な秘密鍵管理や難解な操作を不要に

これにより、暗号通貨の利用を意識せずとも、誰もが気軽に「ブロックチェーン体験」を楽しめます。


広告不要の運営モデル──真にユーザー本位のSNS

従来のSNSは、広告収益やデータ利用を収益源としており、これがユーザー体験を損なう原因ともなっています。
一方「Engraver」は、ブロックチェーンを基盤にした分散型アーキテクチャによって、広告に頼らずとも運営可能な仕組みを採用しています。

  1. 投稿や履歴はブロックチェーン上に記録される
  2. 取引手数料(暗号通貨の手数料)をユーザーが少額負担
  3. サーバーコストを最小限に抑えた持続可能な運営

このように、広告収入に依存せずとも運営可能な仕組みは、SNSにおけるコミュニケーションの純粋さを守り続けるカギとなるでしょう。


「いいね」に価値を与える暗号通貨

従来のSNSで「いいね」は数字以上の意味を持ちませんでした。しかし「Engraver」では、暗号通貨が基盤にあるため、「いいね」や「フォロー」が実利を伴うアクションに進化します。

  • 気に入った投稿に少額トークンを送る
  • クリエイターへの投げ銭感覚で「いいね」

これにより、ユーザー同士の承認や応援が経済的な価値と直結。特に、アーティストやインフルエンサーにとって、ファンからの直接支援を受けられる仕組みは、新たな収益モデルとしても期待されます。特に、「いいね」のアクションからシームレスに投げ銭が連携する体験は想像以上の快適さを持っていると思います。

以下は、まだまだプリミティブな機能のみが実装されているPoC的なものではありますが、SNSの中に暗号通貨が溶け込むように組み込まれているという雰囲気は伝わるかと思います。


Symbolブロックチェーンを基盤とする利点

そして「Engraver」は、既に上場済みで高い信頼性を持つ暗号通貨「Symbol」を基盤に採用しています。これにより以下の特長が活かされています。

  • 堅牢なネットワーク: 世界中のノードによる安定した取引検証
  • 既存通貨の利用: 新規トークンの発行不要で、利用ハードルを下げる
  • 検索や集計処理をサーバーノードで担当: アプリは軽快な操作感を維持しつつ、分散型特有の利点を損なわない

実際にシステムを構築してみると、実はSymbolという暗号通貨は最初からSNSを志向していたのではないか?と思うほどに、SNSというユースケースと相性が良いことに驚きました。


未来のSNSコミュニケーションを共に創る

「Engraver」は、単なるSNSの延長線上ではなく、「責任を伴う発言」と「価値あるエンゲージメント」を軸に、新しいデジタルコミュニケーションの形を提案します。これにより、信頼性の高い情報発信と現実の人間関係を結びつけ、ユーザーにとってより意義のあるプラットフォームを提供できるのではないか?と考えています。

現在、デザイン面を中心にブラッシュアップを進めており、近日中に、まずはテストネット上で利用可能なAndroidアプリを利用したトライアルを実施したいと考えています。興味を持ってくださった方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!
一緒に未来のSNSについて語りましょう。

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