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生成AI、社内にどう広める?376枚の付箋から見えてきたAI活用のリアル

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はじめに

ここ数ヶ月のコーディングエージェントの盛り上がり、すさまじいですね。組織的にAI活用に踏み出したところも増えてきているのではないかと思います。

Hacobuでも、Devin、Cursor、ChatGPT、Claude Codeを全エンジニアが 「無制限」 に使える環境を整え、開発の当たり前を再定義しようとしています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

https://note.hacobu.jp/n/n55e38c3399a6

わたしはAIチームとして開発組織のAI活用を推進しています。この数ヶ月で生成AIが社内で一気に広がり、コード書いたり、要件を整理したり、テストを自動化したりと、あらゆるところでAIが浸透しつつあることをうれしく思っているのですが、活用レベルの差やノウハウの偏りも見えてきていました。

そこで、この課題に組織全体で立ち向かうべく、プロダクトチーム横断で生成AIの悩みや活用事例をみんなでわいわい共有するAIワークショップを企画しました。この記事では、当日の様子と参加者の気づきをお届けします。

当日の様子

当日の流れ

  1. イントロダクション(10分)
    • CTOからAI活用の社内状況と今回の狙いを共有
  2. グループワーク(40分)
    • 6人1チーム、プロダクトチーム・職種混合で編成
    • Miroを囲んで対面でディスカッション
    • 「やってみたこと」「やってみたいこと」「わかったこと」「次にやりたいこと」を記載

結果

開始した瞬間、あっという間に付箋が貼られていき、30分で書かれた付箋はなんと376枚。開催側としては想像以上の盛り上がりで、AI活用への高い関心を実感しました。

わかったこと

みんな想像以上にAIを活用していた

CursorやClaude Codeの利用ログからツールが活発に利用されていることは把握していましたが、付箋に書いてくれたさまざまなとりくみをみて、想像以上に活用しているんだなと感じました。

予想をはるかに超える付箋が集まったことはAIへの関心が高い証だなと感じていますし、全員がバランスよく意見を出してくれたこともうれしいポイントでした。

コストを気にしてくれている

前述の通り、Hacobuでは全エンジニアがAIツールを 「無制限」 に使える環境を整えています。とはいえ、ワークショップでは「本当に気にしなくていいの?」「トークン数を減らす工夫をしています」などのコメントが見受けられました。

こうしたコスト意識の高さはHacobuのよいところだと思いつつ、AIチームとしては「コストを気にせず存分に使ってください」というメッセージをもっと明確に伝えて、AI活用を加速させていきたいです。

FE/BEに比べてQAが苦戦している

Hacobuでは、エンジニアを大きく分けてフロントエンド(FE)、バックエンド(BE)、QAの3つの職種に分けて開発を進めています。そのうち実装を担当するFEとBEはコーディングエージェントを活用して実装スピードを上げていましたが、QAはやや苦戦していることがわかってきました。

まだ業務量が明らかに増えた感覚はないものの、このままいくとQAプロセスがボトルネックになるのでは?という不安の声が多かったです。とはいえ、7月に同ブログに投稿された記事のように、QAのAI活用は着実に進んでいます。AIチームとしてはより一層サポートを強めていきたいと思っています。

https://zenn.dev/hacobu/articles/dd7715c7cd38c2

参加者の声

アンケートに寄せられた参加者の声

  • 他者のAI活用が参考になった
    • 「他の方のAI活用法を知れてよかったです」
    • 「チームを超えた使い方が参考になりました」
    • 「Claudeユーザーが多いことがわかり、共通の課題も見えました」
    • 「Miroにまとめたのは振り返りにも活用できそうです」
  • 自分の振り返りや気づきに繋がった
    • 「自分のAI使い方を整理できました」
    • 「まだまだ活用の余地がありそうです」
    • 「他メンバーの取り組みに刺激を受けました」
  • 率直な意見交換ができた
    • 「みんなの考えを知れてよかったです」
    • 「不安点や課題も共有でき、建設的な場でした」「活発に意見交換ができました」
  • 面白かった、またやりたい
    • 「面白かったです」
    • 「また参加したいです」
    • 「良い取り組みでした」
    • 「定期的に開催してほしいです」

AIチームの今後

今回のワークショップは想像以上に盛り上がりましたし、AIを積極的に使ってくれる開発メンバーの存在がとても心強いなと感じました。

一方で、QAプロセスがボトルネックになりつつあることも見えてきています。AIチームとしては、QAのAI活用を優先的にサポートしていくつもりです。

AIの活用は、まだまだ「とにかく触ってみよう」「いろいろ試してみよう」という体験を重ねることが大切な時期だと思っています。まずはアウトカムよりアクティビティを増やすことを重視し、たくさん試行錯誤して慣れていく過程そのものを楽しんでもらえるような環境づくりを目指していきます。

Hacobuでは、こうした新しいチャレンジを一緒に楽しめる仲間を絶賛募集中です!少しでも「おもしろそう」と思ったら、ぜひ採用情報をのぞいてみてください。

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