経営と開発現場をつなぐ、Findy Team+を活用した開発生産性の定点観測レポート運用
はじめに
プロダクト開発において、経営陣と開発現場の間で情報の非対称性が生まれることは珍しくありません。プロダクト開発ロードマップの継続的なアップデートや日々変化する開発状況を、経営陣に適切に共有できていないという課題は多くの組織で直面している問題ではないでしょうか?
Hacobu ではこの課題に対して、Findy Team+ を活用した開発生産性の定点観測レポート運用と経営会議への報告を2024年10月から開始しています。その取り組みの背景、実施内容、そして得られた成果について共有します。
課題と背景
プロダクト開発ロードマップの継続的なアップデートにより、経営陣が開発状況を適切に把握できていない状況がありました。また、情報収集の不備により意思決定の質に影響が出る可能性があるという懸念も存在していました。
四半期単位で経営陣とエンジニアリングマネージャー(EM)が議論する場は存在するものの、より高頻度で生産性報告と開発進捗共有が必要と言えました。
実施内容
対象チーム
取り組みの対象としたのは、Berth チーム、Fleet チーム、Vista チームの主要3プロダクトの開発チームです。
他にも複数チームが存在しますが、経営観点で注力する対象として3チームに焦点を当てています。
運用フロー
運用フローは大きく3つのステップで構成されています。
まず、開発チームのEMによる報告準備です。Findy Team+ を使用してサイクルタイムやプルリク作成数の振り返りを行います。場合によっては、EMとチームメンバーとの対話による状況理解を深めます。その後、開発速度・生産性の観点でのEMとしての観点を整理し、EMとCTO間で報告内容のレビューを実施します。
次に、経営陣向けダッシュボードも作成しています。Team+ にアクセスできない経営陣や他部署のために Looker Studio でダッシュボードを作成し、Team+ からサイクルタイムやプルリク作成数のデータを抽出して Looker データソース化しています。
最後に、経営会議での報告です。CTOから各チームの報告サマリーを共有し、施策効果や特殊事象影響による開発生産性(リードタイム)の変化分析を伝えています。
Looker Studio でのダッシュボード
補足: Findy Team+ のいいところ
プルリクによっては過剰な数値になることがあり、グラフ化すると突出した値が出てしまい判断材料として有効性が下がります。そのため、いわゆるハズレ値を計測対象から外すことが必要となりますが、Findy Team+ 上で「集計から除外」することができるので非常に便利ですね。
成果と効果
この取り組みにより、複数の成果を得ることができました。
まず、データドリブンな意思決定の実現です。「勘と経験と度胸だけじゃなく、計測するというモニタリングの重要性」を体現できるようになりました。
また、全社への透明性向上も実現できています。経営会議の議事録を全社公開し、その中で生産性報告も記載されることで、全社に対して生産性の状況が共有されるようになっています。
まとめ
Findy Team+を活用した定点観測レポート運用により、経営と開発現場をつなぐ効果的なコミュニケーション手段のひとつが確立できています。データに基づく透明性の高い報告は、組織全体の開発生産性向上に大きく貢献しています。
今週7月3日・4日に開催される「開発生産性Conference」にスポンサーとしてブース出展および登壇します。 この話題についても触れながら、マネジメントの効力感をいかに醸成していくかをお伝えできればと思っています。ぜひ気軽にご参加ください。
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