MagicPod MCPサーバーを試してみた ─ MCPサーバーならではの体験
株式会社Hacobu(以下、Hacobu)でQAエンジニアをやっている、かわせです。
2025年4月、MagicPodから MagicPod MCPサーバー(ベータ) がリリースされました。
GUIベースの操作に加えて、API経由で一括実行の操作やデータ取得ができるようになり、テスト自動化の運用がさらに進化する可能が広がります。
リリースから少し間が空いてしまいましたが、社内のQAエンジニアにもAIアシスタント「Cursor」のアカウントが付与されたことをきっかけに、さっそく試してみました。
セットアップ時の注意点:社内セキュリティとの調整
CursorとMagicPod MCPサーバーのセットアップについては、公式ガイド を参考にすすめて問題なく完了しました。ただし、そのままでは弊社の導入しているセキュリティソフトの制約で外部サービスとの通信が制限されてしまうため、MCPサーバーを通じてAPIの実行ができない問題がありました。そこで コーポレートITと連携しながら MCPサーバー本体や、MagicPodが提供するドメインを除外設定することで、Cursorから接続できるようになりました。ひと安心です。
試してみたこと①:失敗したテストだけを再実行
まずは 公式ガイド のプロンプト例を参考にして、一括実行のうち、失敗したテストだけを再実行するという処理を試してみました。
MagicPodで、"〇〇" 組織の "〇〇" プロジェクトにおいて、前回の一括実行で失敗したテストケースのみを再実行してください。 再実行時には、失敗したテストケースの番号を明示的に指定して、成功したケースはスキップしてください。
これはGUI上でやろうとするとかなり面倒ですが、MCPサーバー経由で実行となるとプロンプトで指示しながら進められるのでかなり便利に感じました。複数のテストで失敗したときの改修後の確認に活用できると思いました。試しに手動でやるとして、どんな手続きになるか考えてみました。
- 既存の設定に影響がでないように、対象となる一括実行を制御する設定のコピーを作成する
- コピーした設定からテスト失敗したテストケースのみ対象にするように実行対象をテストケース番号を指定に変更する
- 手動にて一括実行をする
- 管理が煩雑になるのでコピーして作成された設定は削除する
手続きをまとめてみると、削除をしない運用にした場合は3ステップで完結するので手間がかからないように見えます。しかし選択したいテストケース数は10かもしれないし20かもしれません。それを毎回選択する手間や毎回同じ手続きをするよりも、正確に指示のできるプロンプトを一度作ってしまえば、かなり使い勝手が良くなると思いました。
試してみたこと②:実行時間の変化をグラフ化
次に試したのが、一括実行の実行時間の推移をグラフで可視化するという試みです。
MagicPodのUIでは、実行履歴の確認はひとつずつ開かないといけないため、傾向を掴みにくいと感じていました。
そこでCursorに対して次のようにプロンプトを投げてみました:
その結果、MagicPodのAPIを使ってデータを取得 → Pythonコードでグラフ化という一連の処理を自動生成してくれました。
もちろん一発でうまく動いたわけではなく、多少のエラーやプロンプトの調整は必要でした。今回は実用性があるのか検証したかったので精緻なグラフ作成まではやりませんでしたが、プロンプトを調整すれば十分なグラフ生成ができるんじゃないかと思いました。ちなみに結果が20件とれずに何度かやり取りをした際に「指定件数より少ないのは直近、失敗した一括実行が多かったから」と返してくれたり、AIとの対話も楽しかったです。(失敗が多かったのはたまたまUI修正が入って失敗してたので普段は成功しています)
まだまだ試行錯誤。でも可能性は感じた
今回の取り組みは、あくまで Cursor × MagicPod MCPサーバーの初歩的な試行にすぎません。
プロンプトの書き方もまだ慣れておらず、出力精度は正直いって実用レベルに至っているとは言えません。ただし、GUIではできない操作がスクリプトで可能になるという事実は大きく、今後の運用に確かな期待を感じました。
まとめ
MagicPod MCPサーバーは、MagicPodのもう一歩踏み込んだ使い方をしたい人にこそ刺さる機能だと思いました。画面上では難しい集計や再実行、分析処理がAPIを通じて可能になり、テスト自動化の自由度が格段に上がります。
今後も実験的にいろいろ試しながら、活用事例を広げていけたらと思います!
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