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オープンスタジオプラットフォームAYONを試す(1)

2024/11/17に公開

概要

AYON はYnput(ワイインプット、所在地はプラハ)の開発するオープンソースの制作パイプラインプラットフォームで、かつては OpenPype という名称で提供されていました。Youtubeの講演動画を確認する範囲では読みは「アイオン」のようです。

AYON1.0リリース時の記事
https://ynput.io/blog/introducing-ayon-1-0-on-premise-cloud-platform-for-animation-and-vfx-pipelines/

有料のクラウド版と、無料のコミュニティ版があります。
今回はコミュニティ版を使ってみます。

なおクラウド版(Hosted on ynput cloud)は10ユーザー月額約47000円(年間契約時)からでサポートが付きます。コミュニティ版は自前でインストール(Self deployed on-prem)して使うもので、公式サポートはなくForumやDiscordでのコミュニティがサポートを担います。

設置

AYONは中央に設置する サーバー と、各作業者が利用する ランチャー の2ツールで構成されます。パイプラインを敷くにあたっては標準的な構成ですが、ランチャーはビルドした上でリリースします。

ドキュメントによると、サーバーはLinux上での稼働が 強く推奨(highly recommended) されていますが、評価時はWindows WSL上でも可といったことが書かれているので、本稿ではWindowsで進めます。

Quick AYON Deployment on Windows
https://community.ynput.io/t/quick-ayon-deployment-on-windows/758

準備

gitがインストールされている状態で作業を始めます。

  • WSL2をインストール
  • Docker for Windowsをインストール
  • Docker が WSL2 を使用しているかどうかを確認

以下、順に確認します。

WSL2

まずはWSL2。公式ドキュメントは下記

https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/install

一応GUIベースでの作業もできるようで気にはなったんですが、ウ ウワーMicrosoft Storeダ ニゲロ-!!って感じだったのでやめました。
https://dev.classmethod.jp/articles/how-to-setup-wsl2-for-windows11/


Power Shellを管理者として実行し、

wsl --install

なにも指定しなければUbuntuがインストールされますが、ほかのディストリビューションをインストールすることも可能です(Rockyはありませんでしたが)

再起動と、WSL用ユーザー登録(ユーザーID/パスワード)を求められます。

Windows上にすでに存在しているユーザーIDだとはじかれます。

インストール完了後は、WSLがリソースを使いすぎないよう制限するよう推奨されています。
ユーザー直下に .wslconfig ファイルを作成して、下記の内容を書き込みます。

[wsl2]
memory=2GB # Limits VM memory in WSL 2 up to 2GB
processors=2 # make the WSL 2 use up to two virtual processors


memory=4GB にしている例も見かけたので、適宜に調整してください。

Docker Desktop for Windows

次にDocker Desktopをインストールします。

https://docs.docker.com/desktop/install/windows-install/

インストーラーはx86版とArm版があるので動かす予定のPCに合わせて選択します。
Arm版は本稿執筆時点(20241113)ではBetaでした。

インストールが終わるとまたしても再起動

その後はサブスクリプションについてのあれこれ等があって

起動しました

DockerがWSL2を使用しているか確認

DockerがWSL2を使用しているか確認します。
先にインストールしていた場合デフォルトでそうなっている模様。

準備はここまでです。

Ayonをdeploy

ここからは下記のドキュメントに沿った内容
https://ayon.ynput.io/docs/admin_server_deployment

大まかには「ayon-dockerリポジトリをクローンしてきて、ymlや .env を調整して実行」ですが、なにも考えず最短では下記の内容で済みます。

cd your-preferred-dir
git clone https://github.com/ynput/ayon-docker.git
cd ayon-docker
docker compose up -d

ayon-dockerをクローンしてきます。
https://github.com/ynput/ayon-docker

docker-compose.yml を調整したり .env ファイルで環境変数を設定したりするそうですが、ここではそのまま使います。


(「version」属性は廃止されているので除去してください、という旨のメッセージが出ています。。。)
無事起動が済んだら、ブラウザで http://127.0.0.1:5000/ (http://localhost:5000/) にアクセスしてみます。

動きました!

使ってみる

ここまでで設置できました。
次からはAYONを使っていきたいと思います。

このあとアドオンインストールとかでマーケットプレースにアクセスする必要があるので、Ynput Cloudアカウントは登録してしまった方が良いかと思います。登録やアドオンマーケットへのアクセスだけなら無料です。

参考

YnputのAYONのページ
https://ynput.io/ayon/

AYONドキュメントの管理者向けのページ
https://ayon.ynput.io/docs/system_introduction

Academy Software Foundation LandspaceのAYON/OpenPypeのページ
https://landscape.aswf.io/?selected=ayon

2024年のロードマップ
https://community.ynput.io/t/ayon-roadmap-2024

2024/09/26時点でのUSD対応
https://community.ynput.io/t/ayon-pipeline-usd-experimental-integration

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