Google Agentspaceって何ができるの?
こんにちは、ぎょりです。
2025年8月にGAされ、今注目を集めているGoogle Agentspaceについて、どんなサービスなのか、社内に導入するべきなのかお話を聞いてきましたので、なるべくかみ砕いて簡単にご紹介します。
Google Agentspaceとは?
Google Agentspaceは、Googleが提供するエージェント構築・実行プラットフォームです。イメージとしては、 「社内の膨大なデータから必要な情報のソースを見つけてくれるAIエージェント」 という認識でいいと思います。
これまで多くの企業では、ドキュメント(Google DriveやOfficeなど)や、コミュニケーションツール(SlackやTeamsなど)、タスク管理ツール(JiraやAsanaなど)など、社内の情報が本当にあちこちに散らばって保存されていました。これは情報の断片化を招き、業務効率の低下につながっているとGoogleは認識していました。そこで、これら「すべての情報を単一のプラットフォームで検索できるように」と作られたのが、Google Agentspaceです。
Google Agentspaceは何がすごいのか
先ほど「検索」と書きましたが、Google Agentspaceは単なる検索エンジンではなく、 「検索 + AI + エージェント」 を足し合わせたプラットフォームになります。
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社内データの横断検索
先ほど挙げたようなツールを連携すれば、それら全てだけをソースにしたAI検索ができます。
あちこちに保存されている昔の議事録を一つ一つ探す必要はもうありません。
また、ドキュメントだけではなく、画像や動画からも見つけてくれます。 -
エージェント機能
要約やアイディア生成はもちろんのこと、Gmailと連携し、メールを送信できたり、Jiraと連携し、チケットの発行ができたりもします。
例えば、「自分のJiraチケットを要約して、概要を上司にメールして」といった指示もできます。 -
アクセス制御
社内情報は誰でも見られるわけではなく、Google Drive同様にロールベースのアクセス制御が可能です。 -
BigQuery連携
自然言語でBigQueryのクエリや分析を行うことができます。エンジニアでない人も自然言語で集計や分析ができるのは大きな魅力です。
(Google Cloud公式より)
Google Agentspaceを使うには
Agentspaceを使うには、Google Cloudとの契約が必要になります。
多くの企業では、Google Workspaceの契約はしているかと思いますが、残念ながら別契約が必要になります。また、無料版もないとのことです。ただ、無償期間はあるので、トライアルは可能です!
NotebookLMとの違いは
NotebookLMを使ったことがある方は、「NotebookLMと似ているのでは?」と思った方もいるかもしれません。確かにNotebookLMも「指定ソースに基づいて回答するAI」ですが、次の違いがあります。
- Google Agentspace:社内全体の情報を横断検索するのが得意
- NotebookLM:特定の情報を深掘りするのが得意
実際の使い分けとしては、Agentspaceで資料を探し、それをNotebookLMに読み込ませて深掘り分析する、という流れが良さそうです。
補足すると、Workspace版のNotebookLM(Pro版)と、Agentspace版のNotebookLM(Enterprise版)は契約先が異なり、利用規約や対応ソースに違いがあるので注意が必要です。Enterprise版ではMicrosoft系ファイルもソースとして扱えるのが特徴です。
Difyのように使える?
「メールを自動送信できるなら、Difyやn8nのようにワークフロー自動化もできるのでは?」と気になる方も多いと思います。その点、担当者に確認したところ、現時点ではAIエージェントとしての利用に限定され、自動化ワークフローは対応していないということでした。
ただ、GoogleはAgentspaceに注力しており、将来的に実装予定だとか、じゃないとか...
その辺は秘密保持契約(NDA)をGoogle Cloudと結んだらロードマップを教えてくれるとのことでした。
料金体系
エディション名 | 最低人数 | 月額料金(ユーザあたり) |
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NotebookLM Enterprise(単体) | 15ユーザ以上 | $9/人/月 |
Agentspace Enterprise(基本プラン) | 50ユーザ以上 | $25/人/月 |
Agentspace Enterprise Plus(最上位) | 50ユーザ以上 | $45/人/月 |
Agentspace Frontline(現場向け) | 150ユーザ以上(条件あり) | 要問い合わせ |
各エディションごとの機能の違いは下記ドキュメントをご参照ください。
まとめ
Google Agentspaceは、まさに「社内データのハブ」となるAIプラットフォームだと思います。SaaSが多様化する今、情報をひとつの窓口から検索できるだけでも大きな価値があるのではないでしょうか。
直近ではMIXIが全社導入したとプレスリリースしていました。
弊社でも導入できたらもっと効率化できそうだなと思いますが、現時点で利用中のツールが連携未対応のため、まだ少しハードルが高そうです。とはいえ日々Agentspaceは進化していますし、うまく導入できれば、圧倒的な業務効率化に繋がると思うので、今後も注目していきたいと思います。
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