Gunther Brunner

 🔥 はじめに：なぜ今このスタックなのか最近、Claude Codeを使った開発が話題になってますが、実際に使ってみると「これ、もっと速くできるんじゃね？」と思うことありませんか？
私も同じことを考えて、過去1ヶ月間、ありとあらゆるビルドシステム、キャッシュツール、orchestrationツールを試してきました。
結論：ヤバい組み合わせを見つけてしまったかも
Claude Code + Moon + Depot + Task Master = 理論上100倍の高速化

Gunther Brunner

 💀 従来の問題点Claude Codeは git worktree での並列開発を推奨してます。理由は簡単：
複数のAIエージェントが同時に別機能を開発
ブランチ切り替えのオーバーヘッドゼロ
コンフリクトの心配なし
でも、ここで壁にぶち当たる。
主要なmonorepoツールがworktree対応してない問題
# Turboでworktree使おうとすると...
$ cd ../myapp-feature-auth
$ turbo run build
# ❌ キャッシュが効かない、設定が読み込まれない

# Nxも同様...
$ nx build
# ❌ ワークスペースのキャッシュや認識に失敗

Gunther Brunner

 🚀 解決策：4つのツールの完璧な組み合わせ
 1. Claude Code - Anthropic製AIコーディングアシスタント
Claude Codeとは：
Anthropicが開発したAIペアプログラミングツール
ターミナルからclaudeコマンドで起動
ファイル編集、コード生成、デバッグを自動実行
重要：git worktreeでの並列開発を公式推奨
# 基本的な使い方
$ claude "implement authentication feature"
# Claudeがコードを書いて、テストも実行

Gunther Brunner

2. Moon - Rust製の次世代ビルドシステム

Moonとは：

Rust製の超高速monorepoビルドツール
業界唯一のネイティブgit worktree対応
タスクの依存関係を自動解決
インクリメンタルビルドで無駄を排除

moon.yml

# タスク定義
tasks:
  build:
    command: 'vite build'
    inputs:
      - 'src/**/*'
    outputs:
      - 'dist'

なぜMoonか：

Moon = Nx > Lerna > Turbo > Lage （ビルド速度）
git worktree対応はMoonだけ
リモートキャッシュとしてDepotとのシームレスな統合

Gunther Brunner

 3. Depot - クラウドネイティブな開発インフラ

Depotとは：
クラウドベースの開発インフラプロバイダー
3つの主要サービス：

Depot Claude Sessions - Claudeをクラウドで実行

Depot Cache - 組織全体で共有する高速キャッシュ

Depot Runners - GitHub Actions互換の高速ランナー

 Depot Claude Sessions# ローカルマシンのスペック不要
$ depot claude --session-id feature-auth

# 別のマシンから再開
$ depot claude --resume feature-auth
メリット：
Claudeがクラウドで動く（ローカルリソース不要）
セッション永続化
チーム全体で共有可能
CIともセッションシームレス共有

 Depot Cache .moon/workspace.yml
unstable_remote:
  host: 'grpcs://cache.depot.dev'
  auth:
    token: 'DEPOT_TOKEN'
特徴：

10倍速いキャッシュスループット（1GB/s）
ビルドステップごとに結果を保存
組織全体で共有

 Depot RunnersGitHub Actions互換ランナー：
30%高速なCPU
10倍速いネットワーク
無制限の同時実行

半額（$0.004/分 vs $0.008/分）
 .github/workflows/build.yml
jobs:
  build:
    runs-on: depot-ubuntu-latest  # GitHub Actionsと完全互換

Gunther Brunner

 4. Task Master - Claude Code用タスク管理システム
Task Masterとは：

Task Master（GitHub）
ローカルファイルで保存されるタスクと進捗
Claude Codeエージェント向けに設計されたタスク管理ツール
プロジェクトを実行可能なタスクに分解
自動優先度付け
タスクの依存関係を解析
各エージェントのコンテキストを最適化

Gunther Brunner

🔥 4つを組み合わせた時の相乗効果

ワークフロー全体像

Task MasterがPRDを分析、並列タスクに分解
各タスクにgit worktreeを作成（Moon対応）
depot claudeでクラウドセッション開始
Claude Code Agentが各git worktreeで開発
Moonがビルド実行 → Depot Cacheに保存
他のエージェント/開発者/CIが即座にキャッシュヒット

Gunther Brunner

動作例

# Developer A: 認証機能を実装
$ git worktree add ../app-auth -b feature/auth
$ cd ../app-auth
$ depot claude --session-id auth
# Claudeが実装...
$ moon run build
# ✅ Built in 45s, cached to Depot

# Developer B: API機能を実装（同じ依存関係）
$ git worktree add ../app-api -b feature/api
$ cd ../app-api
$ depot claude --session-id api
$ moon run build
# ✅ Cache hit! Built in 3s 🚀

# CI/CD（Depot Runner使用）
$ moon run all
# ✅ All cache hits! Total: 15s ⚡⚡⚡

Depot claudeでセッションが保存されるので、デベロッパー間・デバイス間・環境間（CI含めて）、Claude Codeのコンテキスト、プロンプト等が引き継ぎされる。

Gunther Brunner

🛠️ 完全セットアップガイド

前準備：Proto（統一バージョンマネージャー）

インストール（Linux/macOS/WSL）

Proto

bash <(curl -fsSL https://moonrepo.dev/install/proto.sh)

インストール（Windows）

irm https://moonrepo.dev/install/proto.ps1 | iex

ステップバイステップ

# 1. 必要なツールをProto経由でインストール
proto install bun moon

# 2. Depotアカウント作成 & CLI設定
bun install -g @depot/cli
depot login
export DEPOT_TOKEN=your_token_here

# 3. Task Masterインストール
bun install -g task-master-ai

# 4. Moonプロジェクト初期化
moon init
moon sync

# 5. Depot Cache設定
cat > .moon/workspace.yml << EOF
unstable_remote:
  host: 'grpcs://cache.depot.dev'
  auth:
    token: '\${DEPOT_TOKEN}'
EOF

# 6. git worktree作成例
git worktree add ../myapp-auth -b feature/auth

# 7. Depot Claudeセッション開始
cd ../myapp-auth
depot claude --session-id auth

Gunther Brunner

 📊 期待される効果（理論値）

改善項目
従来手法
新スタック
改善率
実時間例（従来→新）


ローカルビルド
npm/yarn
bun/moon
3-5倍
60秒 → 15秒

依存関係キャッシュ
ローカルのみ
Depot Cache (1GB/s)
10-50倍
45秒 → 2秒

CI実行
GitHub Actions
Depot Runners
2倍 + 50%安
5分 → 2.5分

並列開発
ブランチ切替
Git Worktree
∞
30秒/切替 → 0秒

AI実行環境
ローカルCPU
Depot Claude Sessions
スペック依存なし
制限あり → 無制限

ビルドステップ
毎回フル実行
Moon増分ビルド
5-10倍
全体 → 変更分のみ

チーム共有
なし
組織全体キャッシュ
N倍（人数分）
個別ビルド → 1回のみ



ステップ
追加技術
ビルド時間
前ステップからの改善
ベースラインからの累積改善


0
ベースライン（npm + ローカル）
300秒
-
-

1
+Moon
100秒
3倍速（-66%）
3倍速

2
+Depot Claude Sessions
100秒
並列実行可能に
3倍速

3
+3並列実行
33秒
3倍速（-67%）
9倍速

4
+Depot Cache
10秒
3.3倍速（-70%）
30倍速

5
+Depot Runners
5秒
2倍速（-50%）
60倍速

6
+Git Worktrees
3秒
1.7倍速（-40%）
100倍速

改善項目	従来手法	新スタック	改善率	実時間例（従来→新）
ローカルビルド	npm/yarn	bun/moon	3-5倍	60秒 → 15秒
依存関係キャッシュ	ローカルのみ	Depot Cache (1GB/s)	10-50倍	45秒 → 2秒
CI実行	GitHub Actions	Depot Runners	2倍 + 50%安	5分 → 2.5分
並列開発	ブランチ切替	Git Worktree	∞	30秒/切替 → 0秒
AI実行環境	ローカルCPU	Depot Claude Sessions	スペック依存なし	制限あり → 無制限
ビルドステップ	毎回フル実行	Moon増分ビルド	5-10倍	全体 → 変更分のみ
チーム共有	なし	組織全体キャッシュ	N倍（人数分）	個別ビルド → 1回のみ

ステップ	追加技術	ビルド時間	前ステップからの改善	ベースラインからの累積改善
0	ベースライン（npm + ローカル）	300秒	-	-
1	+Moon	100秒	3倍速（-66%）	3倍速
2	+Depot Claude Sessions	100秒	並列実行可能に	3倍速
3	+3並列実行	33秒	3倍速（-67%）	9倍速
4	+Depot Cache	10秒	3.3倍速（-70%）	30倍速
5	+Depot Runners	5秒	2倍速（-50%）	60倍速
6	+Git Worktrees	3秒	1.7倍速（-40%）	100倍速

Gunther Brunner

 🔮 まとめ：エージェント開発の新標準この組み合わせの何が革命的か：

完全な並列化 - worktreeで競合ゼロ

リソース制約からの解放 - クラウド実行

組織全体での相乗効果 - 全員の作業が全員を加速

コストと速度の両立 - 速くて安い
正直、この組み合わせを思いついたとき「これ、反則じゃね？」と思った。

でも全部公式にサポートされてる機能の組み合わせ。ただ、誰もこの組み合わせの破壊力に気づいてなかっただけ。
現在、詳細なベンチマークとより詳しいセットアップガイドを準備中

Task Masterから並行タスクの振り分けのところは調整必要かもしれない。
みんなも試してみて、感想教えてください。一緒にAIエージェント開発の限界を突破しましょう🚀

Gunther Brunner

 システム・アーキテクチャ図
https://www.mermaidchart.com/app/projects/4d77c599-346a-4313-8f6f-9bc2b063d3da/diagrams/23439fc1-cda2-4464-8e63-dc2964a4a1ca/version/v0.1/edit