モーションキャプチャースタジオを自前で作った話
こんにちは。株式会社GUNCY'Sの岡崎です。
弊社では先日、光学式モーションキャプチャー用カメラのVICON Veroを設置し、モーションキャプチャの検証用環境を整えました。
VICONカメラの設置にあたり、カメラを取り付ける骨組みの図面を起こし、部材の購入、施工を自社で行いました。
カメラレイアウトもカメラの特性を生かした配置にしています。
今回はその検証環境ができるまでの過程と、どのような環境が出来上がったかを紹介をします。
モーキャプ環境ができるまで
設置した機材は光学式のカメラで、複数台を使用します。これらのカメラを死角がないように設置していくことでモーションキャプチャーの精度を上げるように設置しました。
骨組みの設計は人が乗る床面と壁から切り離し、余計な振動をカメラに与えないように設計しています。施工は床面と垂直、水平を取りながら、カメラ配置を考慮した位置に組み立てていきました。
床面は役者動作に影響が無いようにカーペットを貼り、スペースがわかりやすくなるような色使いや配置をしました。
その骨組みにカメラを取り付けていきます。光学式のモーションキャプチャーでは、キャプチャースペースの周りに(トラスという)骨組みを組む事が一般的な手法です。本スタジオの設計としては高いところに取り付けて広い範囲をカバーできるようにしたいという意図で少し高めの位置に設置しています。
こちらが骨組みに使用する材料(の一部)です。経費節約のため、単管パイプを利用しました。
設計をもとに、これらを組んでいきます
単管をクランプで組んでいく作業と床貼りができるまで
床も水平を取るための施工をしてあるため、その後のタイルカーペットも敷き詰めていきます。タイルカーペットが敷かれていく様子をタイムラプス動画で撮影したので我々の努力の模様を是非ご覧ください。
床も水平を取るための施工をしてあるため、その後のタイルカーペットも敷き詰めていきます。
そうして出来上がったのがこちら
スペース周囲に組んだ骨組みにカメラを360°上下もカバーできるように設置するとこのような形になりました。
今回導入したカメラ12台のうち、8台を組んだ骨組みの頭上側から、4台を下の四隅から映すように設置しました。様々な角度から対象を映すことでモーションデータの高い精度と安定性をとります。
用途によって取り付け方も変えることもできる設計としました。精度と引き換えにスペースを広くとったり、逆にスペースを狭くして精度を上げる想定した運用にも対応できます。
モーキャプ撮影
モーションキャプチャーの設備の設置も完了できたところで、撮影風景をお送りします。
今回は役者さんにお願いして撮影に協力していただきました。
取得しているモーションも良好です。流石はVICON、データも大きなズレやノイズはなく、演者さんのモーションをそのままにキレイに撮れます。
右側の画面がVICONから取得したデータ、左側の画面がMotionBuilderで右側のデータをリターゲットして3Dモデルのキャラクターを動かしている画面となっています。
ちなみに棒にマーカーをつけて、小道具を使ったモーションを撮影することもできます。
演技指導の様子
GUNCY’Sにはモーションキャプチャーに長けたスタッフがおりますので、モーション撮影を踏まえた演技指導も可能です。
剣以外にも箱や椅子などの小道具にマーカーをつけることでモーションデータを取得できるので、データに小道具の動きも反映させたり、物理カメラに見立ててカメラワークに取り入れることもできます。
また、頭のマーカーの位置を利用して主観視点を映し出す…なんてこともできます。
こちらの動画は岡崎自らのモーションを撮ったものです。
弊社のモーションキャプチャースペースはモーションの収録用途はもちろんですが、その一つの使い方に限らず、利用方法のR&Dも行なっております。
モーションキャプチャでお悩みの方は
株式会社GUNCY'Sではモーションキャプチャーの総合支援サービス”Mocap SOS”を開始しています。
今回の記事でも紹介したように、VICONのシステムを利用した自社環境でのR&Dを行う事も可能です。プロジェクトでモーションキャプチャーを取り入れた検証や、問題解決のためのツール開発を通じてお手伝いいたします。
また、その他モーションキャプチャーの人材不足にも対応できます。
ご相談はぜひ弊社へお問い合わせください。
メールでのお問い合わせ:mocap_contact*guncys.com
(※記号「*」を「@」に置き換えてください。)
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