光造形3Dプリンターでケースなどを作る際の俺ルール
はじめに
ネジ止めをした際にケースが割れてしまった、
印刷した際に大きく反ってしまった、
その他多くの失敗からCADで設計する際に作った俺ルールをまとめたいと思う。
これはあくまで光造形、一般的なレジンを使用した場合、
私が必要としている強度であったりの許容範囲ですのでその点をご了承ください。
反りにくく割れにくい板厚
これは、自作キーボードのトッププレートの断面図。
最低板厚は3mmに設定していて、爪を引っ掛ける部分などどうしても薄くしないといけ箇所は
極力小さめにとるようにしています。
長尺物に関しては気持ち程度のリブを付ける。これは1mm
費用や厚みを度外視するのであればいくらでも分厚く作るのですが、
安く抑えたいというのが第一にあるので最低限に留めてあります。
これでももちろん反ることはありますが、割らずに矯正できる範囲に入っています。
ネジ穴(通し)
M2の場合通しの穴は2.2mmに設定します。プリント環境やプリンターによっては
穴が小さくなると思いますが、ドリルで後から広げてもいいという考えで設定してあります。
後で手加工を加えるのはめんどくさいと思われますが、穴が大きくなりすぎて強度が落ちたり
穴の形が歪になってしまうのであれば手加工で直したほうがいいと私は考えています。
ザグリは4mmに設定してあります。これは手直しをしないように大きめにとってあります。
強度にさほど影響がないと思うので。
これは壁際のネジ穴の図なのですが、2.2mmの穴に対して壁の厚みを3mm確保できるように
設計してあります。ネジを締めた際に一番割れやすいのがここなので、確実な厚みを確保してあります。もしこれが熱積層式でABSならもっと薄くても構わないのですが、レジンは
固く割れやすいので。ただ強度の高いレジン、ABSライクなレジンは薄くても大丈夫かも
しれません。コスト面でまだまだ高いので試してませんが。
ネジ穴(タップ加工)
M2~M4の小径のネジ山を加工するのは現状無理かなと考えています。
モデル段階でねじ山を付けるのはもちろん、
後からハンドタップでネジ山を付けるにしても、
数回の使用でねじ山が潰れてしまいます。
試してないので予想ですが、インサートナットも厳しいと思います。
熱圧入式はレジンが溶けないのでもちろんのことネジ式もむりではないかと思います。
印刷の向き
5年以上前の安い機種の話なので今はどうかわかりませんが、
熱積層式の3Dプリンターで印刷した場合、層ごとの結合が甘く力を加えると剥がれる場合がありました。
力をかける向きと印刷方向を考えないといけなくなり、
図のようにX方向、Y方向に力が加わる場合、向きに悩んだりしていました。
充填率を上げ結合を高めればいいのですが、熱積層の場合は
充填率を増やす=加工時間が増えてしまうので困っていました。
光造形は、元の強度は別として層ごとの結合が弱いということもなく、向きをあまり意識
しなくてよくなりました。また充填率を上げても加工時間=高さなので影響がでないのが
とても助かっています。
では光造形で印刷の向きを考えなくてはいけない状況とは?
光造形は熱積層に比べサポート量が増えてしまうので、
サポート量減らす方向であったり、造形面に影響がでるので綺麗に見せたい面を
選別したりするときです。
サポート材
よく失敗するのが、自動でサポートを設定した場合、
サーポートが印刷中に曲がったり、太ったりして、サポートと本体がくっついてしまう
(図の赤で囲んだ箇所)先端のような点ではなく、面でばっちりくっついてしまうので、
サポートを除去する際に面が荒れたり、最悪割れてしまう。
あまり自動サポートを過信せず目視でも確認し、必要であれば手で直したほうがいいです。
終わりに
昔に比べ光造形プリンターも値段が下がりぐっと身近なものになりました。
海外では格安な印刷サービスも多々あり、モデルを作成してしまえば、
簡単に作成することが可能になりました。
Fusion360を使用すれば無料でモデリングも可能です。
まだの方も興味があれば一度挑戦してみてはどうでしょうか?
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