5-Day Design Sprint Report
2024.7.22 〜 2024.7.26 の5日間を通して、神戸のシステム開発会社のプロダクトをテーマに向けにデザインスプリントを実施しました。
Alpha+ Project がモデレーターとして実施した、5日間を使ったフルスペックのデザインスプリントの様子をご紹介します。
※ 社外秘情報が含まれるため、掲載写真・画像はすべてサンプルとなります
- 参加人数: 10名(5名 x 2チーム)
Day1
自己紹介
まずは全員で簡単な自己紹介をしました。自分が普段どういった仕事をしているか、1人3分程度の発表形式で実施しました。
アイスブレイク
各チームで、アイスブレイクの余興で「間違い探し」をしました。
今回のデザインスプリントのテーマとなるプロダクトにも関連すお題であり、各自・各チーム和気あいあいと取り組み、緊張をほぐすことができました。
スプリントクエスチョンを書き出す
今回のテーマとなるプロダクトに対して、どういった課題・問題点があるか、Post-it に書き出していきました。
- 質より量
- 1人で黙々と
- 大きな文字で端的に書く
これらを意識して、各自作業に取り組みました。
ジャーニーマップの作成
今回のテーマを元に、その前後のフローがどうなっているかも含めたジャーニーマップを作成しました。
既存のフローに、今後どういったフェーズが追加されるか、実は見落としているステップが無いかなどをチームで話し合い、議論しながら新しいジャーニーマップへカスタマイズしました。
エキスパートインタビューの実施
現在のプロダクトの内情に精通している社員をエキスパートに設定して、インタビュー形式の議論を実施しました。
現在どういったことができているか、今後どうすべきか、現状の課題は何かなど様々な質問をやり取りする中で、今後の方針を具体的にする時間になりました。
問題点・課題の洗い出し
スプリントクエスチョン・ジャーニーマップ・エキスパートインタビューを元に、問題点・課題を Post-it へ各自・各チーム書き出しました。
プロダクトの現状理解を十分にしてからの洗い出し作業は、既存の問題点だけでなく、新しい課題が多く張り出されました。
How Might We? の書き出し
課題を元に「どうすればもっと私たちは〇〇できるのか?」という視点で、Post-it に質問形式の HMW を書き出しました。
課題を更に深堀りすることで、自分たちがどういったソリューションを考えるべきか、より深い視点で考えられるようになりました。
Day2
ペルソナの確認
今回のプロダクトを使うユーザーを想定して、1体のペルソナを設定しました。
ペルソナの役職・特徴から、プロダクトとしてどういったアプローチができるか、本当に欲しているものは何かを各チームで再認識する時間になりました。
参考事例の調査
既存の他社製品、競合製品にはどういったものがあるか、各自・各チームで調査しました。
ビジネスモデルとしてうまく言っている事例など、別分野の視点なども取り入れることで、今回のテーマとするプロダクトに新しい発想が得られるきっかけづくりをしました。
光速デモの実施
調査した参考事例を元に、各チームで光速デモを行い、良い部分・自分たちのプロダクトに活かせる部分はどういった部分なのか議論しました。
短い時間で説明するという制約は、商品説明・プレゼンテーションの良いトレーニングになりました。
アイデアのスケッチ
A4紙を使って、光速デモの内容等を元にどういったソリューションになり得るかスケッチをしました。
ラフに書く
とりあえず書く
まずはキーワードを並べるだけでも良い
上記のポイントを意識しながら、スケッチの事前練習をして描き始めました。
クレイジーエイトに挑戦
A4紙を8つ折りにして8コマの枠を作り、1枠2分のペースでアイデアの描き出しに挑戦しました。
制限時間があることで、じっくり考える場合と異なり尖ったアイデアが出やすくなる・アイデアのバリデーションが増えるという効果が得られ、各チーム普段は考えつかないような案がいくつか誕生しました。
ランディングページの作成
アイデアスケッチ・クレイジーエイトで出てきたプロダクトの完成イメージを元に、ランディングページ形式のラフ画を作成しました。
- キャッチ
- 機能説明
- CTA(行動、購買)
上記のポイントを1フレームA5サイズに収め、合計3フレーム作成しました。
作成したランディングページはチーム内で発表しました。
発表後、各チームでドット投票をして、チームでどういったソリューションをベースに進めていくか決定しました。
ストーリーボードの作成
テストに向けて、9コマのストーリーボードを作成しました。
今回のテーマとなるプロダクトが、導入・使用・問題解決まで至る流れをイラストとセリフを用いて1つのストーリーにまとめました。
Day3
ペーパープロトタイプの作成と試運転
Day2 で作成したストーリーボードをベースに、各自ペーパープロトタイプを作成しました。
作成したプロトタイプは、チーム内で説明・デモ、意見交換を何度も繰り返し、回数を重ねて最終的なペーパープロトタイプへと仕上げていきました。
最後、チーム内でどのペーパープロトタイプを採用するかドット投票を行い、投票で選出されたプロトタイプをベースに他のプロトタイプの良い要素をマージしながら、各チームで1つの最終的なプロダクトの形として仕上げました。
Day4
ユーザーテストの実施
完成したプロトタイプを使い、別チームのメンバーを招き入れてユーザーテストを実施しました。
プロトタイプのデモを実施しながら、インタビューを行い、ユーザー意見をまとめてました。
プロトタイプの説明・デモを全5回繰り返したことで、最初は粗い部分も多かったプロトタイプが回数を重ねるごとに詳細化され、より具体的なソリューションが見えるようになりました。
最初はプレゼンが苦手だった人も、回数を重ねることで説明がうまくなり、最後にはプレゼンテーション力も身につけることができました。
Day5
最終成果発表
各チーム、再整理したプロトタイプを会社の役員向けに発表しました。
どのチームも、昨日までの辿々しかった説明から一変して、プロダクトの特徴や魅力を簡潔に伝えることができました。
ペーパープロトタイプを動かしながら、どういった機能を今後提供していくのか、どういったユーザーに向けてサービスを提供していくのかなど、各チームが具体的な形で提案する姿も印象的でした。
最後には社長から、各プロトタイプへの意見と感想をもらい、今回のテーマになったプロダクトは今後どういった進め方をしていくか、全員で共通認識を持つことができました。
今回のデザインスプリントを通して、各チームがそれぞれのソリューションにたどり着いたことだけでなく、デザインスプリントの中に含まれる Tips を得ることができ、今後の仕事に活かせることをメンバー全員で再認識しました。
おまけ: コードレビューの大切さを学ぶ
コードレビューが会社として正しく機能していないというもう一つの課題がありました。
それを解決するヒントとして、 Alpha+ Project の講師によるコードレビューの授業を1時間実施しました。
どうった目的をもってレビューするのか、レビューする上で注意すべきことは何か、レビューから得られるものは何なのかを、実践を交えながら全員で取り組みました。
今までの業務ではなかった気づきが得られたようで、各自活き活きとした姿が印象的でした。
まとめ
今回の5日間のデザインスプリントを通して、多くのことを伝え・還元することができました。
プロダクトの解決案を提供する機会
チームメンバーで話し合う機会を設ける
仕事で役立つ Tips を教え・体験する
このデザインスプリントを価値のある時間にするのは、次の日・次のステップでどう行動するかだということを最後にお伝えしました。
今回ご依頼いただいた会社が、この機会を経てより良いソリューションを社会に提供できることを心から願っています。
また Alpha+ Project としても、非常に価値の高い時間・経験になりました。
今後も定期的にデザインスプリントを実施、提供していくための自信につながったことも大きな成果です。
Alpha+ Project とは
Greek Alphabet Software Academy が主催する Alpha+ Project は元シリコンバレー企業、そして世界のテクノロジーをリードする会社の元エンジニアがシリコンバレー流の開発スタイルを教えています。
実践的かつ効率的、そして何より楽しい開発手法やマインドセットを学ぶことができます。
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