民間企業から行政へ~GovTech東京職員のマインドセット~
はじめに
はじめまして!GovTech東京(GTT)の岡田です。この記事はGovTech東京アドベントカレンダー21日目の記事です。
私は、デジタル人材本部 採用グループに所属しており、財団における中途採用に係る業務全般とGovTech東京パートナーズ事業(都内区市町村向けの人材紹介サービス)の運営に携わっております。
元々の経歴としては、人材紹介会社にてWeb/IT系企業・コンサルティングファームに向き合っての採用支援や当該業界での転職希望者の方への転職サポートを10年弱行ってきており、直近の5年間は事業会社の人事として採用を中心に人事全般の経験を積んできました。行政機関での経験はGTTに入職してからの5か月程となります。
そんな私からは、本記事の中で、これまで転職をサポートしてきた方/転職者として受け入れてきた方と、GTTにジョインをして下さった方々との間にある「入口段階でのマインドセットの違い」についてお話をさせていただければと思います。エンジニアの方向けというよりは、広義にとらえたデジタル人材と呼ばれる方全般へ向けた内容になります事をご了承下さい。
事業軸で感じる民間企業への転職との意思決定ポイントの違い
転職の意思決定軸とは?
中途採用ですので、自身の経験を活かした職種での転職というのは大前提となると思いますのでここでは職種軸には触れませんが、その他に、人によって優先度は変わってきますが、転職を決める際には三つの軸があると思っています。
-
事業軸
Mission/Vision/Valueを含み、その企業がどのような領域で何を成そうとしているのかに対しての共感 -
人軸
誰と働くかによって変わる、コミュニケーションの中で得られる心地良さや学びの量と質への期待感 -
条件軸
年収や各種制度に加えて、人以外の就業環境全般への納得感
私がGTT入職後、これまでの民間企業と顕著に違いを感じているのは、事業軸の捉え方になりますす。
「あったら便利のアイデア」への共感 vs 「当たり前がなくなってしまうかもしれない可能性」への危機感
行政サービスは、国民として生きる中でそこにあって当たり前の存在で、何かを便利にする・世の中を豊かにするというよりは、もはや空気のように感じられている事が多いのではないでしょうか?私自身も、空気がなくなってしまうかもしれないという事を考えた事はありませんでしたが、実態として2040年には行政サービスを提供してくれている公務員の人数が激減するというレポートもあり、このままではこれまでの当たり前の維持さえ難しい可能性すらあるのです。
一般的な事業は、それがある事によって何かを便利にする・世の中を豊かにする事にコンセプトやアイデアがあって、民間企業への転職においてはそのアイデアやコンセプトへの共感が軸であるように感じますが、GTTを志望して下さる方々からは、Mission/Visionへの共感も然ることながら、当たり前がなくなってしまうかもしれない可能性への危機感の声をお聞かせいただくことが多いです。
社会に貢献していない・意義がない企業というのは存在しませんので、私は、どんな形であれ共感を持って働けるというのは素晴らしいことだと思っています。ただ、共感内容に対しての切迫度の違いみたいなものを感じるのです。
そういった危機感は、多くの場合、お子さんの出産や育児・親御さんの介護等、様々なライフイベントの中で行政サービスに触れる機会が増えた事で、実体験をもって生じる事が多いのが実態です。そのためか、社会的には中堅以上となる年齢帯の方にエントリーをいただくことが比較的多いです。
「後世に何を残すか?」というテーマにおいて、”豊かで便利な社会"も当然目指すところですが、その前段となる”在るべき行政サービスが正しく在る社会”をデジタルの力で作っていく事が必要であると、ライフステージの変化があったからこそ、そう感じられている方がGTT職員には多いように思われます。
条件軸で感じるGTT職員の特徴
最大五年任期の捉え方
GTTでの雇用における大きな特徴の一つとして、「任期付き職員」であるという点があります。無期雇用で採用を行っている民間事業会社が多い中で、期間が定められている事を懸念する方もいるとは思いますし、それぞれの状況や価値観によってどう捉えるかが変わるものだと思いますので、決して否定はいたしません。ただ、実際にGTT職員として働いているメンバーを見回してみると、リスクと考えている方はあまりおらず、転職市場全体が活況で人材の流動性が高まっているという背景もありますが、自身の将来の選択肢を広げられる場であると、ポジティブに捉えられている方が多いのが特徴です。
選択肢を広げるためのパッシングポイント
「官と民の垣根をなくすリボルビングドアを目指す」と、私の上長である小島さんのインタビュー記事がありますが、エンジニアやデザイナーといった技術職の方は特にその志向性が強い印象があります。GTTでの行政サービスに関わった経験を踏まえ、任期満了後にはGovTech東京パートナーズのサービスを通じて、都内区市町村や全国各自治体のCIO補佐官やDX推進員などの行政職を複数またにかけるような新しいキャリアの選択肢を得られる可能性もありますし、当然、民間事業会社にもいつでも戻れるだけの経験を積めるだろうと。
民間であればマーケットの中で30%程度のシェアを取れれば業界トップになれる可能性もあるため、フォーカスするターゲットを定めた上で自分たちのプロダクトやサービス作りをしていきますが、行政サービスは住民全てがユーザーになりえるものですので、アクセシビリティに関しても厳しいガイドラインが引かれている(※)中でのモノ作りが求められる事になります。もちろん難しさは伴うものだとは思いますが、「マーケットシェア100%のサービス開発って考えるとワクワクしませんか?」と、一緒にカジュアル面談に入ってくれている現場メンバーがキラキラした顔で話をしていたのがとても印象的でよく覚えています。本当にそれを叶える事が出来たなら、ビジネス要件の整理力も技術的な課題への対応力も、どこにでも求められるレベルであると言えるでしょうし、それを成すためのステージは潤沢にある環境だからこそ、ポジティブにキラキラしていられるのだろうなと思います。
※:総務省|情報バリアフリー環境の整備|みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)
最後に/GovTech東京にフィットする人物像
「GTT職員の転職意思決定時のマインドセットについて」という事で、私の感じている事をつらつらと書かせていただいたわけですが、そんな特徴を持った人材の集まっているGovTech東京にフィットするであろう・今後積極的にお会いしていきたい人物像についてを最後に記載して、本記事を終わりたいと思います。
①行政・公共を自分事化出来るパブリックマインド
ライフステージの変化があった上で行政サービスを自分事化して考えて目を向けるようになられる事が多いとは書きましたが、そういった変化やライフイベントは、未来の自分や自身の大事な人を含めて、誰しもに起き得る事だと思います。だからこそ、「あって当たり前」でなく、行政サービスの現在地点と公務員の方が減っていく未来の中での行政サービスの在るべき姿を、自ら見つめ、考えられる人材であって欲しいなと考えます。
②どこにでも行ける自分としての自信と、そうあるためのアウトプット機会への欲求
AIなどの新しいテクノロジーの出現によって、なくなりゆく職種や業種が出てくるなどという事が囁かれる事もあります(そんな事にはならないんじゃないかと私は思っていますけども)が、国が存在する限り、少なくとも行政はなくなりません。なくならないマーケットの中で、デジタルの力を駆使してMore Betterを目指し続ける・全ての住民にサービスを提供し続ける仕組みを作っていく事が出来れば、どこにでも行ける自分になっていける。ある意味で楽観的に「なんとでもなる!」とポジティブに任期を捉えるマインドに加えて、アウトプット機会へのあくなき欲求をお持ちであれば、ご活躍のステージは広がっていきます。
GovTech東京では、まだまだ拡大に向けて多くの仲間を募集しております。ご興味をいただける方はカジュアル面談からでもかまいませんので、お話をさせていただけますと嬉しいです。以下、採用ページからエントリーが出来ますので、是非よろしくお願いいたします。
◆採用情報 | GovTech東京
また、複業として区市町村の業務に携わりたいとのお考えをお持ちの方については、GovTech東京パートナーズの登録者も募集をしております。
◆GovTech東京パートナーズ | サービス紹介 | GovTech東京
以上、皆様からご連絡をお待ちしております!お忙しい中、ご覧いただきましてありがとうございました!!
Discussion