なぜ Google Cloud でお客様とカルチャーについて語るのか?
この記事は Google Cloud Japan Advent Calendar 2023 (入門編)の 21 日目です。
こんにちは。 Google Cloud で Data Analytics 領域の Partner Development Manager をしている、Mayu です。クリスマスまであと数日・・! そろそろ今年の終わりも見えてきましたね。
このアドベントカレンダーは日々 Google Cloud を使ってこんなことができるよ、こんな製品があるよ、という Tech 系のご紹介がメインですが、今日はちょっと違うネタ、Google のカルチャーを通じたお客様との関わりについて、書いてみようと思います。
はじめに
私は、2016 年 1 月に Google に入社し、2019 年秋に Google Cloud に社内異動しました。Google アナリティクスの営業チーム在籍時に、Google アナリティクスに関わる女性(自認)を対象にした Women@Analytics というイベントをチームの仲間と実施したり、#IAmRemarkable[1]という自分の実績を伝え、自己 PR のスキルを磨くワークショップを社内外に提供する、などの活動をしてきました。
Google Cloud に異動してからは、広告領域よりも Google をまだ十分に知っていただいていない、関係をこれから深める段階のお客様が多くいらっしゃる中、Google Cloud の製品についてお伝えするだけではなく、Google という会社のカルチャーや制度についてお話しさせていただく機会が以前よりも増えました。今年は、10X Innovation Culture Program を通じてお客様やパートナー様に参加型のワークショップを提供する機会もありました。
そこで今日は、Google で、というと広くなるので Google Cloud で、また、私が、なぜこのようなカルチャーについてお客様とお話しすることが大切だと思っているか、について書いてみようと思います。
この後読んでいただく内容は、 Google Cloud Next Tokyo ‘23 で株式会社ミスミ様に登壇いただいたセッションで話ししたことと一部重なるのですが、このセッションはアーカイブ未公開で、現地にいらっしゃった方々だけへのお届けでしたので、こちらでもお話ししていきます。(当日はご参加いただいた皆さま、ありがとうございました・・!)
Google Cloud Next '23 セッションにて
生成 AI 生成 AI ってみんな言っているけれど、それで何するの?
今年は一大生成 AI ブーム!ということで、皆さんも生成 AI で業務を効率化したい、既存ビジネスを変革したい、新しいビジネスチャンスを作りたい、など検討したり、実際に使ってみたりされた方が多くいらっしゃると思います。Google の生成 AI もものすごいスピードでアップデートされており、私はパートナー様担当チームなので、パートナー様とどういった形でお客様のご支援ができるか? を日々考えています。
生成 AI と絵に描いたあひるについてインタラクティブに話ができる世界で、私たちのビジネスは、社会は、どう変わるのでしょうか?生成 AI はあくまで「手段」で、「何をしたいのか」「どこにどう使えばビジネスが成長するのか?社会がよくなるのか?」は、私たち自身で考える必要があります。「これに使えるんじゃないか?」「これを試してみたらどうだろう?」は、日々の業務の延長線ではなく、固定概念を捨てて Out of the Box で取り組む必要がありそうです。
イノベーションってなんだっけ?
ビジネス成長のためにはイノベーションが必要だ! のような言葉を聞くことがありますが、では、イノベーションとは何を意味するでしょうか? よく、全く新しいものをゼロから作り出すこと、と捉えられがちですが、OECD(経済協力開発機構)により2018 年に公表されたオスロ・マニュアルによると、イノベーションとは
「自社にとって新しいものや方法を導入すること」
です。この定義だと、自社に新たに生成 AI を導入することも、イノベーションの 一種と言えそうです。新しいものや方法を導入する際、生成 AI でいうと「生成 AI をどの領域に導入してビジネスを成長させるのか、変革していくのか」について社員からアイディアが出され、導入を実現し、トライアンドエラーを経て、成果を出していく、というプロセスになりますね。
全く新しいものを取り入れる際には、これまで他の人が思いつかなかったようなことを臆さずに周りに話してみる、失敗を恐れずチャレンジしていくことが重要です。こういったこと、みなさんのチーム、組織で日頃からできていますか・・? 意外と簡単ではないかもしれませんね。
イノベーションが生まれるカルチャー 6 つの要素
Google はチームの成果をあげるために様々な研究や大規模な調査を行っており、6つの要素がイノベーションを生みだすのに重要であることを導き出しました。「多様性の尊重」
「ビジョン共有」「自主性」「内発的動機付け」「リスクテイク」「つながりとコラボレーション」 です。
Google re:Work イノベーションが生まれる職場環境をつくる より
例えば、最初の「多様性の尊重」。様々なバックグラウンドや属性の人が会社にいて、その誰もが職場で自分の能力を発揮できる環境だと、その一人一人から異なる、ユニークなアイディアが出てきます。なぜ多様な組織が強いのか、は色々なところで語られていますが、私は「多様性の科学」という本が非常にわかりやすかったので周りに勧めています。興味がある方は年末年始のリラックスタイムにぜひ。(某 ECサイトのリンクを張るのは空気を読んで自主規制しておきます)
5 つ目の要素である「リスクテイク」。チームメンバーが多様なアイディアを心の中に留めておくのではなく、周りに共有し、リスクを恐れずに試し、失敗から素早く学んで次に活かすことが成果に繋がる、とされています。
「こんなことを言ったらまわりに、はあ?何それ??って思われるかも・・」
「ここでトライしてみて駄目だったら責められそう。手を挙げるのはやめておこう・・」
こう思ってしまうような環境では、新しいことは何も起こりません。安全なゾーンから出ることができず、過去の成功体験だけを繰り返すチームになってしまいます。
カルチャーに関するワークショップをお客様に実施する時には、こういった、イノベーションを起こすために大切なこと、それらをどう Google では実現しているのか、をお話しし、お客様の組織でできていること / これから取り組むべきことを考えていただきながら、次のアクションをディスカッションします。
技術だけでは何も変わらないから。
いくら素晴らしい技術があっても、生成 AI がどんなにアップデートされても、BigQuery が超速でも、それを使っていただくお客様側に、新しいものや方法にトライし、それを使ってビジネスを成長させ、イノベーションを起こすことができる組織、そして組織を構成する人とカルチャーという土台がなければ、私たち Goolge Cloud のミッション「企業のデジタル トランスフォーメーションを加速する」は実現できないと思うのです。
Google が検索や Map で世の中を変えたように、Google Cloud も社会をより良い場所にできる力があると信じたいですし、信じています。そのため、2024 年もまた、たくさんのお客様、パートナー様、みなさんとカルチャーについてお話ししていきたいと思っています。
Google Cloud Next Tokyo 23’ の Google カルチャーブースにて。たくさんの方が足を止めて話しを聞き、自社やご自身の話をしてくださいました。下は、同じチームの Take-san
終わりに
最近は何か文章を用意する時に、Bard が回答してくれたものを下書きにして時短することが増えましたが、今回は自分の思いを入れて書こうと、AI に頼らず書き下ろしてみました。Google のカルチャー、働き方に興味がある方は、本もたくさん出ていますが、こちらのGoogle re:Workにも多くの情報があります。イノベーション、チーム、マネジャー、心理的安全性・・ などテーマ別になっていて、そのまま使っていただけるディスカッションテンプレなどもありますので、よろしければ覗いてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました :)
それでは、引き続き Google Cloud Advent Calender をお楽しみください!
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#IAmRemarkable - Google の 2人の女性社員が始めた、自分の実績や能力を人に伝えるスキルを高めるためのワークショップ。世界で 50 万人に実施。当初はマイノリティ的な立場で自己 PR が難しいひとをメインに実施していたが、今では性別や他の属性問わず実施している。2023 年に NPO Rmrkblty にライセンス移管。 ↩︎
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