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Google Cloud Dataplexの新機能「Data Product」が登場!データ管理と活用を加速させるその全貌とは?

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このブログは Google Cloud Japan Advent Calendar 2025 17日目の記事です。

組織内のデータが爆発的に増加する中、Google CloudのインテリジェントなデータファブリックであるDataplexに、待望の新機能Data Product(データプロダクト)」 が追加されました。

本記事では、この「Data Product」が一体どのようなもので、なぜ今のデータ活用において重要なのか、そして具体的にどのように機能するのかを解説します。

1. Data Product とは何か?

Data Productとは、特定のビジネス課題を解決するために設計され、厳選・パッケージ化されたデータ資産(アセット)の集合体です。
以下のようなことが実現可能です。

単にデータを集めただけではなく、以下の3つの基本的な属性に基づいて構築されている点が特徴です。

① 目的主導型かつガバナンスの効いた管理 (Purpose driven & Governed)

Data Productは、Dataplex Universal Catalogにカタログ化されたアセットを論理的にキュレーション(選別・整理)することを可能にします。明確に定義されたユースケースをサポートするように設計されており、同時に強固なガバナンスを確保します。

② 信頼性と豊富なコンテキスト (Trustworthy & Context Rich)

利用者(データコンシューマー)が安心してデータを利用できるよう、「契約上の保証(Contractual Guarantees)」を明示します。これには、明確な所有権(オーナーシップ)、豊富なメタデータ、ドキュメント、そしてそのユースケースにおけるビジネスコンテキストが含まれます。

③ 発見しやすく、セルフサービスで利用可能 (Discoverable & Self Service)

Data Productは、利用者が自分自身で必要なデータを発見し、アクセス権を申請するためのセルフサービスメカニズムを提供します。

2. なぜ「Data Product」が重要なのか?(Why is it a big deal?)

多くの組織は、断片化された大量のデータに圧倒されており、データ提供側(プロデューサー)と利用側(コンシューマー)の間に深刻な断絶が生じています。

  • データプロデューサーの悩み:
    • 手動でのアクセス承認作業に忙殺される。
    • セルフサービス化が進まない。
    • 自分たちの作成したデータの価値を証明できない。
  • データコンシューマーの悩み:
    • 正しいデータが見つからない。
    • データの信頼性がわからない。
    • アクセス権の取得に手間取る。

Data Product がこのギャップを埋める

Data Productは、データの管理方法と消費方法を根本的に変えることで、この問題を解決します。

  • データプロデューサー: 自身の成果物の価値を組織に対して明確に示すことができます。
  • データコンシューマー: 必要なインサイト(洞察)を得るまでの時間を大幅に短縮できます。

3. 具体的な仕組み (How does it work?)

Data Productは、Dataplex Universal Catalog上で以下のようなフローで機能します。

ステップ 1: Data Product の作成(プロデューサー側)

  1. 基本情報の定義: 名前、説明、リージョン、所有者を設定してData Productを作成します。
  2. アセットの追加: Dataplex Universal Catalogにカタログ化されているアセットを追加します。複数プロジェクトや複数データセットに跨って追加可能です。
    注: プレビュー段階では、BigQueryのテーブル、ビュー、データセットがサポートされています。
  3. アクセス管理: Data Product内のアセットに対するアクセスを管理するための「アクセスグループ」を作成し、必要なロール(権限)を付与します。
  4. 信頼とコンテキストの付与: 利用者が信頼して使えるよう、データ契約(Contract)、アスペクト、ドキュメントを追加します。

ステップ 2: Data Product の発見と利用(コンシューマー側)

  1. 検索と評価: Dataplex Universal Catalogの検索機能を使ってData Productを探し、自分のニーズに合っているか評価します。
  2. アクセス申請: Data Product内のアセットに対してアクセス権を申請します。
  3. 活用: Data Productの所有者によってアクセスグループに追加されると、アセットを利用してインサイトを生み出すことができます。

まとめ

Dataplexの「Data Product」は、単なるデータカタログ機能を超え、データを真に価値ある「製品」として扱い、組織全体での流通と活用を促進するための強力なフレームワークです。

Data Productを作ることで、プロデューサーはアクセス承認作業の時間を取らなくてすみ、効率的に自分たちの作成したデータを共有できます。

また、コンシューマー側は自ら必要なデータを見つけることができ、アクセス申請まで行えることでセルフサービス化が進みますし、Data Contractによってデータの信頼性を確認が出来ます。

データのサイロ化に悩んでいる組織や、データメッシュアーキテクチャの導入を検討しているチームにとって、この機能は大きな武器となるでしょう。

是非Dataplexの「Data Product」を組織内に取り入れてみてはいかがでしょうか?

Google Cloud Japan

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