AWS DevOps Agent と New Relic MCP サーバ連携を試してみた
はじめに
re:Invent 2025 で発表された AWS DevOps Agent を試してみました。
本記事では、
「AWS DevOps Agent を実際に触ってみると、どこまで自動で調査してくれるのか」
「New Relic MCP サーバと連携すると、どんな調査体験になるのか」
を中心に紹介します。
深掘り解説というよりは “まず触って雰囲気を掴む” ことを目的とした内容 ですが、
これから試してみたい方の参考になれば幸いです。
本記事での完成イメージ
- 障害やパフォーマンス劣化が起きた際に、
- AWS リソース(ALB / EC2 / CloudWatch など)の調査
- New Relic など外部 APM のメトリクス・トランザクション分析
を 人が画面を行き来せずに自動で横断調査 できる
AWS DevOps Agent
ではさっそくAWS DevOps Agentの設定をしていきます。
Agent Spaceの作成
現在は東京リージョンは対応しておらず、バージニア北部リージョンで有効にする必要がありますが、調査はバージニア北部リージョン以外でも行えます。

設定は名前を付けたくらいでほぼデフォルトにしました。

Incident Response Dashboard へのアクセス
ダッシュボードへは Operator access ボタンからアクセスします。

調査開始
調査の前に、
今回の検証環境は、以下のようなシンプルな構成です。
- Application Load Balancer(ALB)
- EC2 インスタンス
- EC2 上で Docker コンテナとして動作する PHP Web アプリケーション
ALB をエントリーポイントとして EC2 にトラフィックが流れ、EC2 上では Docker コンテナ内で PHP Web アプリケーションが動作しています。
検証をシンプルにするため、EC2 上で Docker コンテナを直接起動する構成としています。
また、調査が行われる状態を再現するため、検証時にはあらかじめ一定のトラフィック(軽い負荷)を流しています。
それでは早速調査開始です!
まずは何か潜在的な問題が起こっていないかを調査してもらうことにしました。
調査内容と調査の開始地点などを指定できるので、下記のように入力してみます。
- Investigation details (調査内容)
Please investigate whether there are any potential issues with AWS resources in the Tokyo region (ap-northeast-1).
Focus on error rates, performance degradation, and abnormal resource utilization.
If you find any issues, please describe which resources are affected and what might be happening.
- Investigation starting point (調査の開始地点)
Please start the investigation from the Application Load Balancer (ALB).
Since the ALB is the entry point for user traffic,
check for error rates and response time issues first,
and then drill down into the underlying EC2 instances if necessary.
リージョンやプライオリティなども設定できますね。

さっそく調査が開始されます。指定したとおり、まずはALBから調査してくれるようです。

ALBを発見したようです。

リソースの変更は行っていないことを確認してくれていますね。そしてCloudWatchアラームを確認し、より広範なメトリクスの分析をしようとしてくれています。

トラフィックの急増を発見しました。

お試しALBでは アクセス ログを有効にしていなかったのでソース IPなどの調査はされず、ここまでとなりますが、ログを出していれば調査をしてもらえそうです。
このパターンは、自動監視または負荷テストだろうとの見解。その通りですね。

New Relic MCP サーバとの連携
それでは、今度はNew Relic MCP サーバと連携した際の動作も見てみましょう。
New Relic 設定
New Relic では、[Administration] - [Previews & Trials] の [New Relic AI MCP Server] を [Opted in] 状態にしておく必要があります。

Capabilities 設定
AWS DevOps Agent に戻って、Add a capability から New Relic の Register ボタンをクリックします。

New Relic の Account ID, API Key, Region をそれぞれ入力・設定します。

Save をクリックします。

Association created successfully になりました。

調査開始
先ほどと同様に、何か潜在的な問題が起こっていないかを調査してもらうことにしました。
New Relic APM は、この PHP Web アプリケーション(Docker コンテナ)に導入しており、AWS DevOps Agent による AWS リソースの調査と、New Relic MCP サーバ経由の APM データの調査を同時に行える構成となっています。
また、アプリケーションにはわざとレスポンスが遅くなるような変更を加え、あわせて少々の負荷(トラフィック)をかけています。
調査内容と調査の開始地点などは下記のように入力してみます。
- Investigation details (調査内容)
Please investigate a degradation in response time for AWS resources in the Tokyo region (ap-northeast-1).
Focus on identifying possible causes of the increased latency, such as errors, performance bottlenecks, or abnormal resource utilization.
In addition, please investigate the php-docker-app in New Relic and include any relevant findings from APM metrics or transaction data.
If you find any issues, please describe which resources are affected and what might be happening.
- Investigation starting point (調査の開始地点)
Please start the investigation from the php-docker-app in New Relic, focusing on APM metrics and transaction data to identify any slow or anomalous behavior.
New Relic の php-docker-app はこちらの画像のものです。

調査が開始されます。

New Relic の php-docker-app の情報を見つけましたね。インシデントが発生したことを知らせてくれています。

nrql_query で情報を収集してくれています。

アプリケーション php-docker-app のスループット低下が起こっていたことを示しています。

どのサーバ上でアプリケーションが動いているかを突き止めました。

ALB アクセス ログを検索してトラフィック パターンと高負荷の原因を探そうとしています。

調査した内容のいったんの結果が出たようです。

ブラウザの翻訳機能で日本語化してみます。

すばらしいですね!
まとめ
re:Invent 2025 で発表された AWS DevOps Agent と、New Relic MCP サーバとの連携を実際に試してみました。
どちらも現時点では Preview 版ですが、
メトリクスやログが揃っていれば、人が「どこを見るか」を考えなくても複数サービスをまたいだ調査を自動で進めてくれるという体験は、非常に可能性を感じます。
本記事では試していませんが、アラートから調査開始の部分も自動化することができます。
たとえば夜間にアラートを受けた場合でも、布団から起きて椅子に座った頃には、調査が終わっている
そんな未来は、かなり現実味を帯びてきたと感じました。
本記事が、同じように試してみたい方の参考になれば幸いです。
Discussion
ちゃんとログ周り連携したらAWS DevOps Agent良さそうですね!