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大好きだったDevinと疎遠になるまで

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これはGLOBIS アドベントカレンダーシリーズ2の18日目の記事です。


こんにちは!
株式会社グロービスのデジタルプラットフォーム(GDP)部門、GLOPLA事業開発室でエンジニアをしております、太田です。

2025年も、もうすぐ終わりですね。
この記事では、ひとりの開発エンジニアとして、2025年のAIツールの使い方の変遷を振り返り、その中での「Devin」との付き合い方の変化について考えてみたいと思います。

前提として、私はAIツールに詳しいというわけではありません。
開発支援ツールとして日常的に使ってはいますが、仕組みを深く理解しているわけでも、全ての機能を使いこなしているわけでもありません。
あくまで「私個人がどのようにAIツールを使ってきたか」という主観的な振り返りとしてお読みいただければ幸いです。

2025年の始めごろに利用していたAIツール

私は当初、開発において主にCursorを利用していました。
これにとても満足しており、Cursor Rulesを整備してチューニングしたり、Composerを使ったりして効率的に開発を進めていました。

また、1月からチームにDevinが試験的に導入され、CursorとDevinを併用するスタイルが定着していきました。

3月のLT:「私はDevinが大好きです」

今年の3月、私は社内で「私はDevinが大好きです」というタイトルのLTを行いました。

当時、チーム内ではDevin導入から数ヶ月が経っていましたが、評価は分かれていました。「指示が難しい」「思った通りに動かない」といった声もあり、なかなか利用が定着しきっていない時期でした。

一方、私はDevinをメインツールにはしていなかったものの割と気に入っており、チーム内の雰囲気から(このままではDevin不要論が出てしまうのでは……)という不安を感じ、彼への愛を伝えるLTをしたのです。

期待通りに動かないと感じていた方の多くは、指示が抽象的だったり、「依頼ひとつでタスクが全て完了すること」を期待しすぎていたりする印象がありました。

そこで私は、「彼はツールではなく、人間なのだ」という主張をしました。

人間にタスクを依頼するとき、「これやって」と丸投げするよりも、「背景・目的・ゴール」を丁寧に伝える方が効果的です。
Devinに対しても同じように依頼することで、うまく活用できるのではないか、という話をしたのです。

SlackでDevinにメンションして利用するスタイルが多かったので、「彼をリモートワークしている同僚だと思って接してみてはどうか」という提案もしました。

実際、私は本当に人間に依頼するように、文頭で「お疲れ様です!」と挨拶したりしていました。

当時のDevinの使い方

その頃、私が実際にどのようにDevinを活用していたかというと、主に以下の3点です。

1.Issue作成

SlackのスレッドにDevinを呼んで、会話の内容からIssueを起票してもらっていました。
普段Slackでチャットをしていて、会話の流れでIssue起票の必要性が出てきた時に、スレッドの内容を読んでもらうだけで作ってくれるのでとても重宝していました。

また、普段のIssue作成も全てDevinに依頼していました。
背景・内容・ゴールとIssueテンプレートを伝えることで、体裁を整えて作成してくれるので非常に便利でした。

2.調査

コード上の仕様調査や、ファイルの列挙などを依頼していました。
Cursorでも調査は出来ますが、手元の開発環境とは別に、裏側でDevinに調査してもらうことで、まさに「別の人に依頼する」感覚で利用していました。
調査結果の精度も個人的には結構高い印象で、信頼していました。

3.(簡単な)実装

開発中、今の実装とは関係ない箇所でコード修正をしたい場面がちょくちょくありました。
今の作業を止めたくないし、ブランチを切り替えるのは面倒。しかし後回しにすると忘れてしまう……。そういう場合はDevinに依頼していました。

複雑な開発を依頼するとうまくいかないことがあるので、軽微ならやってもらうスタンスです。

もう一つの側面として、当時のCursorには月間Premium Requests回数の制約があったため、自分で実装しなくていいけれどPremiumモデルを使いたいときはDevinに依頼したりしていました(実際にはCursorの枠を使い切ることはなかったですが……笑)。

Claude Codeの導入

開発では主にCursor、サポート役としてDevinを利用していましたが、7月ごろからClaude Codeを利用するようになりました。

Claude Code、すごい。

体験はCursorと似ていますが、Claude Codeはサブスクリプションプランの形態が異なり、CursorのようにPremium Requestsの上限を気にしてプロンプトを節約する必要がなくなりました。
また、CLIベースなのでターミナルを複数立ち上げれば、実装とは別に調査も並行して走らせられます。
何より、SonnetやOpusの性能のおかげか、アウトプットの質が格段に良くなりました。

それによって、これまでDevinに感じていたメリットがどう変化したか比較してみます。

1. Issue作成

  • 以前: Devinに依頼
  • 現在: Devinに依頼(変化なし)

ここに関しては、Devinに依頼し続けています。
SlackのスレッドにDevinを呼ぶだけで、勝手に文脈を読み取り、適切なIssueを作ってくれる。この体験は依然としてDevinの強みです。

2. 調査

  • 以前: Devinに依頼
  • 現在: Claude Codeに移行

かつてはDevinの調査能力に頼っていましたが、現在はClaude Codeに依頼しています。回答精度やコンテキストの理解力があまりに高く、残念ながらこの分野でDevinに出番が回ってくることは少なくなりました。
実装からPR作成までのフローも、今はClaude Codeがメインです。

3. (簡単な)実装

  • 以前: Devinに依頼
  • 現在: Devin / Claude Code を併用

「手元のブランチを切り替えずに済む」というDevinのメリットは健在です。
ただ、Claude Codeは立ち上がりが早く体験が良いので、軽微な修正であればサッとブランチを切り替えてClaude Codeで終わらせてしまうことも増えました。

(手元のブランチを切り替えずに済むようにするのであればGit worktreeを使えば良いと社内の人に教えてもらったので、それも試してみたい)

まとめ:現在のDevinの立ち位置

結果として、Devinに依頼していたタスクの一部はClaude Codeに移行し、以前のような「密な付き合い」ではなくなりました。疎遠というには言い過ぎかもしれませんが、体感としては以前よりも使用頻度はとても減りました。

Claude Codeは扱えるコンテキスト量が非常に多いと感じており、以前Devinに行っていたように都度「背景・目的・ゴール」を丁寧に伝えなくても、まさに「これやって」の一言だけでタスクを完了してくれることが増えました。Claude Code、すごいなあと感じています。

しかし、Devinとの関係が終わったわけではありません。
「Issue作成」や「並行作業の依頼」など、Devinに頼りたくなる場面は未だにあります。

私としては少し疎遠になりましたが、社内ではまだDevinを活用しているメンバーもいます。

Devinの良いところは、GitHubとつながっているAIをSlackから呼び出せる点です。
特に非エンジニアにとっては、非常に使いやすいツールなのではないかなと思います。

DevinにせよClaude Codeにせよ、はたまたCursor、Windsurfにせよ、この一年だけでも進化は目まぐるしいものがあります。
今私はClaude Codeを使っていますが、状況が変わればまた別のツールに乗り換えているかもしれません。

Devinとの関係も続きますように、、

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P.S.
Devinの正体は カワウソ なんですね。
私はついこの前知りました。

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