『オンライン研修ハンドブック』読書メモ

3 min read

0. はじめに

こんにちは。都内でエンジニアをしている、@gkzvoiceです。以下の本は折に触れて読み返したくなる箇所がいくつもあったので、その際に頼りにする読書メモを書き留めておきます。

オンライン研修ハンドブック | 中村 文子, ボブ・パイク |本 | 通販 | Amazon

1. 本書の目次

第1章 学習効果を高めるオンライン研修とは
1-1 オンライン研修に関するよくある誤解
1-2 応急措置
1-3 効果的なオンライン研修の基本

第2章 参加者主体のオンライン研修の基本原則
2-1 大切なのは講師ではなく参加者
2-2 伝えたからと言って、相手が学んだとは限らない
2-3 研修の目的は「結果」を出すこと
2-4 プロセスとして「研修」を設計する
2-5 インストラクショナルデザインの重要性

第3章 参加者主体のオンライン研修をデザインする
3-1 学習の法則
3-2 時間配分ーー「90/20/4」の法則
3-3 研修の構成ーーCSR:コンテンツ・参画・リビジット
3-4 研修の構成順序ーーEAT:経験・気づき・理論
3-5 参加者が主体的で安心して学べる学習環境をつくる
3-6 学習スタイル
3-7 記憶のメカニズム
3-8 アクティビティをデザインするーーCORE:クロージング・オープニング・リビジット・エナジャイザー
3-9 研修デザインのステップと作成例

第4章 参加者主体のオンライン研修のファシリテーション
4-1 なぜファシリテーションが必要なのか
4-2 オンライン研修でのファシリテーションの特徴
4-3 適切な人数を設定する
4-4 アクティビティの効果的な進め方
4-5 アクティビティのインストラクション
4-6 問いかけ・質疑応答
4-7 プロデューサーの役割

第5章 困った場面とその対処法
5-1 困った場面とその対処法

2. 本書を手にしようと思った理由

  • 「少人数でのイベント開催」 はアリか知りたかった

こじんまりと読書会を日曜日朝に開催していたのですが、参加者のみなさまそれぞれ「話したいことを雑談というスタンス」で話す方向に倒したところ、いいかんじになったという経験がありました。そこで、「少人数でのイベント開催」は参加者に発言などアクティブに動いていただきたくための方法としてアリか確認したく、本書を手に取りました。

#技術書を英語で読む会 という自分が参加したかった読書会を半年ほど開催したからふりかえる

3. オススメポイント

  • 圧巻は 第5章 困った場面とその対処法 で、困った場面とそれに対する方法が20ペアほど紹介されている
    • どれも ググろうとしても検索キーワードが思いつかない「かゆいところに手が届く」 ものばかり。困った場面の一例は、こちら。
    • 参加者の様子が見えず、伝わっているかわからない

さて、気になる方法は本書に書いてあるのでここでは割愛しますが、目視で参加者の様子を確認する以外の方法が紹介されています。もしかしたら、無意識的に取り組んでいることかもしれませんね。そういった経験則が言語化されるのも本書の魅力といってよいでしょう。

4. 読んだ感想

  • 読書会で偶然引き当てた少人数開催はアリ

筆者はオフライン研修ではグループの推奨人数は5〜6人であることが一般的であるが、 オンライン研修におけるグループの推奨人数は3〜4人 といいます。では、どうしてオンライン研修におけるグループの推奨人数がオフライン研修のグループの推奨人数と異なるのか?また、オンライン研修のグループの推奨人数を3〜4人とした場合の懸念事項とそれが払拭される理由について、それぞれ以下のように説明しています。

どうしてオンライン研修におけるグループの推奨人数がオフライン研修のグループの推奨人数と異なるのか?
  • オンラインでは、対面の時のように同時に複数の人が発言することが出来ず、1人ずつの発言になるために起きる

  • したがって、オンライン研修とオフライン研修のグループ人数が同じ場合、オンライン研修では、オフライン研修より 一人あたりの発言時間が短くなってしまう
オンライン研修のグループの推奨人数を3〜4人とした場合の懸念事項
  • 研修中、ずっと特定の個人が仕切り役となってしまうという構図が生まれてしまわないか
その懸念事項が払拭される理由
  • 全員がフラットな関係性になりやすい

  • オンライン研修では、対面での研修の場合に懸念される「誰か1人が仕切る」リスクは懸念される方向にあります。

参考:本書, 『4-3 適切な人数を設定する』より。

※ それでも「同じ人ばかり発言する」というケースは起こったらどうするんだ!?

筆者は 第5章 困った場面とその対処法 で以下のような対応策を提示しています。詳細は本書をご参照ください。

  • グループごとに振るリーダー役を固定しない
  • 質疑応答の時間を別途設け、そのなかでしてもらう

5. 本書とは直接的に関係ないけど書き留めておきたいこと

イベントに参加するハードルの低さと参加者間の距離はトレードオフ だよなーと。もちろん、本書が焦点をあてている参加者は一定のモチベーションを持って研修に参加することが前提となっていることは理解していますが、オンラインでのイベントは何も研修だけではないので、書きなぐりのメモを添えておこうと考えた次第です。

「イベントに参加するハードルが低い」ことを優先した場合のイベントの特徴

  • 参加者がイベントに対する姿勢は受け身になりがち
    • 話す時間より聞く時間が長い
    • 予備校の授業のような、1人の話し手に対して多数の聞き手が参加する構図が多そう
    • 「研修」というより「講義」に近い
    • e.g. アーカイブ動画を視聴
    • e.g. podcastを聞く
  • 参加者間の距離は遠くなってしまう

「参加者間の距離が近い」ことを優先した場合のイベントの特徴

  • 参加者がイベントに対する姿勢は積極的
    • 聞く時間より話す時間が長い

2021/06/30更新

オンラインイベントを主催した方からこのようなフィードバックをいただきました。
・参加者全員の顔を見ることが難しいので、反応が分かりにくい
・代わりに、会話ツール(Zoomなど)のアンケート機能や、Slack などの外部ツールを使い、全員の進捗、理解度を把握している

たしかにチャットアプリを使って文字で全員の進捗や理解度を図るというのはアリですね。

一方で、あまりイベントで使うアイテムを増やすと参加者にとって煩わしいものにならないかなとも感じます。イベントが社内で開催されるのであれば、日頃から使われているslackにイベントチャンネルを設けてそちらで参加者の意見を拾っていくことがよさそうですね。参加者の属性がバラバラとなりがちな、社外かつノンジャンルなイベントの運営はどうやるのがよいのでしょうか。。


参考

P.S. Twitterもやってるのでフォローしていただけると泣いて喜びます:)

@gkzvoice