行動経済学
非合理的な意思決定のメカニズム
- 認知のくせ
- 感情
- 状況
が、人間の非合理的な意思決定を生み出す
ファスト&スロー
早い思考と遅い思考
- 早い思考は、記憶や行動のくせ、雰囲気など抽象的なものから、早く決断する思考
- 遅い思考は、頭で考え論理的に判断する思考
これらが複雑に絡み合って意思決定がされる。
→ 30%早い思考 + 70% 遅い思考
システム1(早い思考)が人間の非合理的な判断をうみだす
BtoCでビジネスしていく上で、この非合理性を理解する必要がある
マクドナルドでは、
一時期ヘルシー嗜好とアンケートの結果に合わせてサラダやフルーツなどを導入し、健康的なメニューのマーケティングを大々的に行った
が、これは大失敗。
顧客がファストフードに求めていたのは、
早さとおいしさなど。
ファストフードを選ぶときには顧客はシステム1で思考しているため、ヘルシーだからとか合理的な判断がされづらい
一方アンケートを取った際には、
システム2で思考するため、ヘルシーなものがいいとかの意見がでた
アンケートに求められること
システム1の回答を引き出す
現状、アンケートはシステム2の情報しか引き出せない。
・なぜ、弊社の製品を選ぶのですか?
→ 高級感があり、素敵だから。
↑の回答はシステム2で顧客が思考すること。
疲れてる状況や忙しい状況では、
システム1が使われがちのため、安価の製品サービスとかはアンケートの回答と実際のユーザーの思いが一致しないケースがある
定性調査とエスノグラフィー
- 定性調査: アンケート
- エスノグラフィー: ユーザーと同じ行動をとってみる
フット・イン・ザ・ドア
「小さなお願いからはじめる」
→ 心理的一貫性を保たせる。
例)
目的: 安全啓発のポスターを部屋の窓に貼って欲しい
小さなステッカーをまずは貼ってもらう
その後ポスターサイズに変える
ポイントは、
小さなお願いを聞いたことによる「安全啓発に参加している」という自己イメージを作ること。
その自己イメージと矛盾する行動を取りづらくなる。
ポジティブ/ネガティブフレームワーク
- ポジティブな表現の場合、確実性のある対策を選ぶ
- ネガティブな表現の場合、リスクを求める(可能性にかける)
投資や確率性のあるものの場合、
ネガティブフレームワークを使った方が同じ情報でもメリットが見いだせる
例
A
- 対策A: 確実に200人が助かり、400人は助からない
- 対策B: 1/3の確率で600人全員が助かり、2/3の確率で誰も助からない
B
- 対策A: 確実に400人が死亡し、200人が死亡しない
- 対策B: 1/3の確率で誰も死亡せず、2/3で600人全員が死亡する
単独評価/並列評価
- A: カバーのきれいな1万語収録の辞書
- B: カバーの汚れた2万語収録の辞書
単独評価、つまりA/Bそれぞれだけ見せる場合、Aの方が価値が高くつけられる。
一方、並列評価の場合、Bの方が価値が高くつけられる。
- カバーのきれいさ
- 単独評価で分かる
- N万語収録
- 並列評価しなければ分からない
おとり効果
元々ある商品にもう一つ余分なものを追加する
=> 元々あるものが選ばれやすくなる
AppleのiPhoneなどがいい例。
ストレージ毎に3パターン用意し、少し多いストレージ、少ないストレージモデルを比較し、中間モデルが選ばれやすくなる
買うか買わないかという二択からどれにするかという問いに変える。
アンカリング効果
全く因果関係のない数字に意思決定が引っ張られる
A: この絵を10万円で買うか?という質問をされた後にいくらで買うか聞かれた場合
B: この絵を千円で買うか?という質問をされた後にいくらで買うか聞かれた場合
Aの方が値段が高くなる
→ 1000円として売らなくても、10万円の価値です、あなたの希望額を書いてください、私達がその価格で売れるなら売りますとしたほうが高くなる
自分にもこのアンカリング効果がかかっている
→ アンカリング効果を外すためにはあえて、因果関係のないランダムな数字を使ってみる
例えばこの機能を何日で作れるか見積もる際などに、サイコロの出た目で決めてみる、など。
自律性バイアス
自分の意思でしていると錯覚させることを促す。
- A: お皿洗いお願いできる?
- B: お皿洗いをお願いしたいんだけど、スポンジで洗う?食洗機使う?
Bの方が拒否率が低く、不満度も低い
応用例では、
例えばカード停止を解除するヘルプデスクで、
- カード番号の確認が必要なので番号を教えてください。
- 停止解除のお手伝いをさせて頂きたいので、カード番号を教えてもらえますか?
時間帯による判断の影響
休憩をとったあと、判断がよくなる
→承認がほしいときは休憩前や疲れてる時のがいい
→よく考える必要がある(高額なもの)広告は朝、衝動で買わせたい広告は夜
(行動経済学観点)
コントロール感
ストレスが溜まると衝動買いしたくなる
→コントロール感を取り戻したい