【若手主催🌱ゲオ社内生成AI勉強会レポ】勉強会任されたからやってみた
はじめに
こんにちは。R&DチームのUIUX担当、上杉です。
みなさんはいきなり勉強会の主催を任された経験はありますか?
私は先月、「じゃ、よろしく!」みたいな感じで生成AI社内勉強会(初心者向け)の主催担当になりました。
イベント主催の経験もなく焦ったのですが、色々と手探りで準備を進め、先日勉強会を無事終えることができたので、備忘録として今回の経験を残しておこうと思います。
特別なことはしていませんが、実際にやってみてうまくいったことや苦労したこと、そして今後のためのTODOリストをまとめています。ゲオはこんな感じでやっているんだ〜と見ていただけると嬉しいです。
また勉強会をやってみたいと思っている方や、急に担当を任されて焦っている方、メンバーの教育を任された方など、どなたかのお役に立てれば幸いです。
勉強会概要
- 対象者: 生成AI初心者社員(非エンジニア向け)
- 人数: 約10人
- 目的: 生成AIを使用したことがない人のボトムアップ
- 講師: R&Dチーム島田(AI担当)/上杉
- 形式: 業務内
- 時間: 1時間
- 場所: 社外会議室・オンライン
- 開催のいきさつ: 「Google Gemini Advanced」を導入したものの、活用できている人が少ないため勉強会をしてみることになった。
TODOリスト(やること順)
事前準備
- 日程調整アンケート(1ヶ月前までに)
- 事前アンケート(3週間前までに)
- 開催方法(オンライン/オフライン)決める
- アンケートをもとに内容決め
- 会場の確保
- スライド/台本作成と練習(2週間)
- 参加メンバーへの事前準備案内
- デモ実施
- マイク・カメラの準備
- 台本の印刷(オフライン時はスライドも)
- 参加メンバーへのリマインド(前日)
当日
- 参加メンバーへのリマインド
- 会場の設営(モニター・マイク・カメラ設定)
- 録画・文字起こし
事後対応
- 事後アンケート案内
- 事後アンケート集計
- 実施レポート
- 効果測定
事前準備
開催にあたって不安だったこと
今回は対エンジニアではなく一般社員向けの勉強会だったので、担当するにあたってこんな不安を感じていました。
- ITアレルギーの人も結構いるんじゃ…
- つまらな過ぎて内職しちゃうかも
- 途中で変な空気になるかも
- 緊張して何を言っているかわからなくなるかも
- ハンズオンとか意味わかんなくなってグダるかも…
このような不安を解消するため、司会と講師役の2人で対話しながら進行することにしました。講師役は同じチームのAI担当島田さんだったので、緊張せずテンポよく話せるだろうという算段です。とにかく参加メンバーにIT、AIへのアレルギーを感じさせないよう、ラジオやYouTubeのように気軽に聞ける雰囲気を目指しました。スライド資料も文字を極力減らし、絵文字を多用した親しみやすいポップなデザインにしています。
準備での失敗
正直なところ、準備に思った以上に時間がかかってしまいました。台本と資料を2〜3回にわたり大幅に修正することになったためです。(生成AIを使えば資料もすぐできるだろうと甘くみていました)
なぜ時間がかかったか
原因はターゲット設定が曖昧だったことにあります。今考えると、本当に基本的なミスです。
初心者と上級者両方に満足してもらおうとした結果、かなり方向性がブレてしまいました。(今回は課ごとに参加してもらったため、参加メンバー内で生成AIへ関心の薄い人と、すでに使い慣れている人が混ざっていました。)
またエンジニア向けでなく、ITと無縁の社員へ説明するとなると、適切なレベル感が想像できていませんでした。
資料作成には生成AIを使っていましたが、最初に出力した構成に囚われすぎたのも遠回りをした一因です。
作っている途中で最新情報が変わっていくという状況でもありましたが…これは生成AIを題材にする以上仕方ないことですよね🙉
最終的には思い切って初心者向けに内容を絞り、上級者には勉強会へのフィードバックをお願いしたり、追加資料で補足学習を促す方針に変えたところ、準備がさくさく進みました。
やはり明確なゴールイメージを持たないまま今回のような生成AIの使い方をしてしまうと、かえって無駄な手間を増やすことになるということを痛感しました。
準備段階で得られた学びは以下です。
- ターゲットは絞れないと思っても絞る(ターゲット外の人のフォローも準備しておく)
- 生成AIでもなんでも最初の案に囚われない(これは難しい課題です…)
当日
勉強会内容(1時間)
- 軽い説明+注意事項
- ハンズオン①(イベントの案出しタスク)※ハンズオンでは、参加者が互いのプロンプトと結果を共有できるよう、スプレッドシートで記録しました
- プロンプトの作り方
- ハンズオン②(資料を使ってまとめるタスク)
- 追加説明
当日はオンラインとオフラインの同時開催で実施しました。
開始直前、カメラやマイクの設定に少し手間取り、予定より2〜3分遅れてのスタートとなりました。(資料や台本に集中しすぎて物理の準備を忘れていました…)
勉強会自体は和やかな雰囲気で始まり、ハンズオンだけ少し時間が足りなかったものの、おおむねスムーズに進めることができました。
質疑応答の時間では、参加者からの質問が少なかったため、事前に準備していた質問をいくつか投げかけ、予定時間内に終了しました。質問が出ない時間も間が持ったので、司会を2名体制にしてよかったと感じました笑
事後アンケートの結果
満足度は高く、特に対話形式での進行方法が好評でした!
また参加者の約8割が「これからすぐに学んだことを生成AIで試したい」と回答しており、生成AIに対する意識の変化や活用の意欲が高まったことがうかがえます。資料でも堅苦しい雰囲気をできるだけなくし、説明の途中にハンズオンを挟むことで、参加者が飽きないようにした点が良かったのだとと思います。
勉強会を行ってみて
大きくは以下のようなことを感じました。
- 対話形式は和やかに進んでいる雰囲気があって良い
- 1時間だとかなり短い
- ハンズオンはもっといっぱいあった方がいい
- 思ったよりも生成AIについてまったく知らない人は多い
また今後も対話形式での勉強会を継続したいと考えたので、メリデメをまとめました。特にモチベーションが低い人も参加する勉強会にはぴったりだと思います。
対話形式のメリット
- 会話のキャッチボールがあることで、場の緊張感がやわらぎ、参加者がリラックスしやすくなる
- 役割分担があることで飽きにくく、参加者の集中が持続しやすい
- 二人の意見や立場の違いを示すことで、内容に深みやバリエーションが出る
- 聴衆が共感しやすい視点を見つけやすくなる
- 質問と回答の流れで自然な説明ができ、理解しやすい
デメリット
- 準備に手間がかかる(台本や役割分担の調整が必要)
- 会話の流れによっては話が脱線しやすい
- 役割分担が曖昧だと進行が混乱する(進行が重なる、間が空くなど)
- 一方の力量が全体の質を左右する
NoteBookLMが日本語対応したことで、今後は台本の準備ももっと楽になっていきそうですよね。
みんなで集まって新しい技術に触れてみるという環境を作ることは大切だと感じましたし、今後も勉強会は月一回程度開催していく予定です。
まとめ
現状、社内で生成AIを十分に活用できている社員は少なく、触れたことのない層も存在します。だからこそ、弊社でこうした勉強会を実施する意義は確かにあると感じました。
もちろん費用対効果という観点では、まだ明確な効果を測るのは難しい段階かもしれません。しかし今後、生成AIによって効率化された業務をヒアリングしたり、新しいアイデアや改善提案の件数を追跡することで目に見える成果を測定・可視化していくことで、費用対効果についてもすぐに説明できるようになるはずです。
社員全体の知識を底上げし、活用を広げていくうえで、今回の取り組みは良いスタートになりました。
ただ勉強会の準備に時間を要してしまう点は課題なので、次からはどんどん新しいツールも活用し、より効率的な運営を目指したいです。
この記事が、同じように生成AI活用に取り組む方や勉強会の主催者の皆さんにとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
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