2025年度 新卒研修 「コンピュータシステム」
はじめに
AI/DX統括本部 MA/CDP事業部 GENIEE MA開発グループの成田です。
今回は、当社で実施している新卒向けネットワーク研修の資料を公開します。本記事では、研修の全体像や目的、実践内容についてご紹介します。ネットワークの基礎から実践的な構築・トラブルシュートまで、現場で役立つ知識を体系的に学べる内容となっています。これからネットワークを学ぶ方や、研修設計を検討している方の参考になれば幸いです。
研修の概要
本研修は、新卒エンジニアが現場で必要となるネットワークの基礎知識と実践的なスキルを身につけることを目的としています。座学だけでなく、実際に手を動かしてネットワークを構築・設定し、トラブル対応まで経験できるカリキュラムです。本研修は、主に「ネットワーク初学者」を対象とした講義となっています。
研修は以下のような構成で進行します。
- ネットワークの基礎理論(OSI参照モデル、IPアドレス、サブネット、VLANなど)
- ネットワーク機器の役割(スイッチ、ルータ、NAT、DHCP、DNSなど)
- セキュリティの基礎
- 実践演習(Cisco Packet Tracerを用いたネットワーク構築)
研修の目的
新卒エンジニアが配属後にインフラ構築や運用、トラブル対応で困らないよう、以下の力を身につけることを目指しています。
- ネットワークの基本原理を理解し、現場で応用できる
- AWSやGCPなどクラウド環境でのインフラ構築時にネットワークでつまずかない
- ネットワークトラブル発生時に、原因を推測し自力で解決できる
- チームでのコミュニケーションや情報共有を円滑に行える
研修の内容
研修スライド
1. ネットワーク基礎
ネットワークとは何か、どんな役割があるか
LANとWANの違い、Wi-Fiの仕組み
IPアドレス、サブネットマスク、CIDR、グローバルIPとプライベートIP
OSI参照モデルとTCP/IPモデル
パケット通信の仕組み
2. ネットワーク機器の基礎
- スイッチ(L2)、ルータの役割と動作
- VLANによるネットワーク分割
- NATによるアドレス変換
- DHCPによるIPアドレス自動割り当て
- DNSによる名前解決
3. セキュリティの基礎
- ネットワークの脅威と対策
- 無線LANの暗号化方式(WEP/WPA/WPA2/WPA3)
実践編の概要
実践編では、Cisco Packet Tracerなどのシミュレーションツールを使い、実際にネットワークを構築・設定します。
→ 56ページ目(Cisco Packet Tracerとは)
主な演習内容は以下の通りです。
- PC同士のPing通信確認
- スイッチ経由、ルータ経由の通信確認
- DHCPサーバによるIP自動割り当て
- DNSサーバによる名前解決
- NATを使った外部アクセス
- VLAN間通信
- 冗長構成の設計・設定
演習では、設定内容や通信確認の結果をREADME.mdに記録し、進捗シートで管理します。AIや検索の活用も推奨しており、現場での自己解決力を養うことも重視しています。
終わりに
本研修を通じて、ネットワークの基礎から実践的な構築・運用まで一通り経験できるよう設計しています。
本記事が、これからネットワークを学ぶ方や、研修設計を検討している方の参考になれば幸いです。
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