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PyCon JP 2025 参加レポート 新卒1年目が広島で得た学び

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こんにちは。株式会社ジーニーで営業管理ツール「GENIEE SFA/CRM」の開発をしています吉越です。

はじめに

9月27日〜28日に開催された Python カンファレンス「PyCon JP 2025」に、ジーニーは Gold スポンサーとして参加しました。ジーニーからはエンジニア2名と人事1名、計3名で参加しました。本記事ではイベントの様子、聴講したセッション、得られた学びをまとめます。

PyCon とは

PyCon JP は国内最大級の Python カンファレンスで、多くの Python エンジニアが集まり知見や体験を共有する場です。公式サイトの説明を引用します。

PyCon JP は、Python ユーザが集まり、Python や Python を使ったソフトウェアについて情報交換、交流をするためのカンファレンスです。PyCon JP の開催を通じて、Python の使い手が一堂に集まり、Python にまつわる様々な分野の知識や情報を交換し、新たな友達やコミュニティとのつながり、仕事やビジネスチャンスを増やせる場所とすることが目標です。

2025年は初の地方開催で広島で行われました。普段は東京で開催されることが多いため来場を見送る人もいますが、今回は近場ということで参加した方や、海外から来ている方も多く、活発に交流が行われていました。

スポンサーブースでの企画 — Python クイズ

ジーニーのスポンサーブースでは、1日目と2日目それぞれ異なる Python の問題を3問ずつ、計6問の4択クイズを出題しました。2日間で合計123名の方に回答いただき、満点を獲得した方は18名でした。満点を獲得された方、おめでとうございます!

出題内容は Python の標準機能に関する問題が中心で、「こんな特殊関数があるのか」「__hash__ を定義していなくて TypeError が出たことがあったけど思い出せなかった」など、参加者から多くの反応をいただきました。

聴講したセッション

1. Fast, Universal Data Access with Apache Arrow ADBC

https://2025.pycon.jp/ja/timetable/talk/Q7YYNZ

このセッションでは、私たちが日常的に pandas などで行っている列指向データアクセスの恩恵がどのような仕組みで支えられているか、どのようなところで使われているかが紹介されました。

普段 pandas や Polars を使うことがある中でなんとなく列指向でデータを扱うのが速いぐらいの認識で使うことが多かったのでより理解を深めたいと思い聴講しに行きました。今回のセッションを聞いて列指向でデータ操作することによってなぜ高速になるのか仕組みを少し理解することができました。また、 DB との接続にも ADBC アダプターが存在することを知り、機会があれば実際に既存のプロジェクトに取り入れて早くなることを身をもって実感したいです。

2. mypyの10年、pyrightの5年、tyの挑戦 - 型チェッカー進化論

https://2025.pycon.jp/ja/timetable/talk/SLYBTR

このセッションでは、mypy や pyright といった既存の型チェッカーの歴史と、それに続く新興のtyというツールの紹介がありました。

型チェッカを私は mypy と pyright しか知らず、なんか知らない型チェッカーだ、気になる!!と思い聴講しに行きました。速度面やエラーの見やすさの面からそれぞれのツールを比較し、tyはいいぞという流れにした後に誤検出が難点という話に持っていくオチが非常に聞いてて面白かったのです。tyと同じ開発元の uv という Python パッケージ管理ツールは知っており、使い心地も非常に良いという話を聞いているので、tyに関しても今後の成長を追っていきたいと思いました。

3. pytest を爆速にする10の方法

https://2025.pycon.jp/ja/timetable/talk/ZFYREY

このセッションでは、何をテストするべきかという観点でテストの並列化、データベースのインメモリ化といった具体的な手法が紹介されました。

趣味で開発してるプロジェクトが CI の pytest が長くて早く終わらないかなと思っていたことが多くあったため、聴講を聞いた後にすぐ出来そうなものから幾つか取り入れてみたら10分かかっていたものがが半分の5分程度になってめっちゃウキウキでした。テストが短いことによって気軽にテストを回せる嬉しさを身に沁みて実感しました。

その他

聴講するつもりだったセッションが他にもありましたが、ブース対応に追われて時間が取れず見られなかったものがあり、少し残念でした(次回はアラームを設定します…)。

また、今回が初めての広島訪問だったため、カンファレンス以外にも観光しました。X で見かけた投稿をきっかけに翌日は広島平和記念資料館を見学し、市内を散策してから東京に戻りました。

全体の感想

初めての PyCon JP 参加でしたが、思ったより海外からの参加者が多く、英語でのコミュニケーションに苦戦しました。今まではテキストベースでの会話が多かったのですが、会話に関しても練習をしていきたいです。スポンサーブースの対応も今回が初めてで慣れない点もありましたが、他社の担当者や参加者と多く交流できて非常に有意義な時間でした。

まとめ

興味深いセッションを聴講して新しい技術やツール、すぐ試したい知見を多数得られ、そのうちいくつかは早速取り入れてとても開発体験が向上しました。また、スポンサーブースや懇親会で色々な人と様々な話題で盛り上がり非常に楽しい時間でした。

次回の PyCon JP は2026年8月21日〜22日に広島で開催予定です。機会があればまた参加したいと思います。

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