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Platform Engineering Kaigi 2025 スポンサー協賛・参加レポート

に公開

先日、2025年9月18日に開催されたPlatform Engineering Kaigi 2025に、GENDAはブロンズスポンサーとして協賛しました。
https://www.cnia.io/pek2025/

GENDAのPlatform Engineering部は、2024年7月に前身であるPlatform Engineering Chapterとして組成されました。そのため昨年のPlatform Engineering Kaigi 2024は自社のPlatform Engineering組織の在り方を考える参考にさせていただきました。今年はその感謝の意も込め、Platform Engineering Kaigiにスポンサー協賛させていただきました。

本記事では現地参加したメンバーの参加レポートをお送りします。

参加レポート

当日参加したメンバーの感想と印象に残ったセッションをピックアップしてお届けします。

木村

今回はPlatform Engineering部のSRE/インフラのメンバーと一緒に参加しました。仲間と一緒に参加することで、同じセッションの感想を共有したり、逆に自分が選ばなかったセッションの感想を聞けるのがよかったです。

セッションではすぐに活用できそうなナレッジが多くありました。特に、小規模な組織での経験談は、今の自分たちと近い目線での悩みや取り組みが共有されており参考になりました。また、セッションでは成功事例が語られていても、後で登壇者の方と直接話してみると、そこに至るまでの水面下の苦労や工夫をお聞きすることもできました。こうした裏話を直接聞けるのもイベントの醍醐味ですね!

印象に残ったセッション: Four Keysが改善しても、生産性が上がらない不都合な真実 〜指標を変えて挑んだ改善の道のり〜

発表概要 | スライド

まずFour Keysを改善した時点で偉業と思われますが、それだけでは顧客価値につながっていなかったという悲しい話から始まり、「そこまでやっても足りないのか」と衝撃を受けました。しかし、最初に他の開発者を巻き込んでFour Keysの改善に取り組んだからこそ、開発者との協力体制が整い、以降のステップでも動きやすくなったのではないかと思います。

顧客価値に近い指標を目標とし、そこから逆算して改善アクションを考える手法はぜひ自分たちのチームでも取り入れたいです。最適な改善アクションは組織によって異なると思いますが、個人的には「開発集中時間の確保」という観点が印象的でした。これは「特定の曜日の午後にミーティングを入れないルールにして、開発に集中できる2時間以上の時間を月45時間以上確保する」というものです。自分の身の回りでも、ミーティングが細切れに入っていたらつらいという共通認識はあるものの、こういった角度での解決はありそうでなかったので目から鱗でした。

大澤

今回、Platform Engineering Kaigiに、初めて参加しました。
SRE/インフラのメンバーと内容を共有しながら、Platform Engineeringが単なる技術的なアプローチに留まらず、組織や文化に深く根差した取り組みであり、技術的なベストプラクティスだけでなく、組織内での信頼関係づくりやコミュニケーションの工夫といったソフトスキルも含めた総合的な視点を持って活動を進めていくことが重要だと再認識しました。
今回得られた知見を元に、「開発者体験をいかに高めるか」「事業成長に貢献できる組織をどう築くか」といった自社の課題に対して一つずつ取り入れ、実践していきたいと思います!

印象に残ったセッション: 開発者の声を起点としたPlatform Engineeringの実践~開発プロセス変革に向けた取り組み~

発表概要
金融系企業におけるCCoE(Cloud Center of Excellence)が「開発者生産性の向上」と「品質確保」を両立させるために、Platform Engineeringをどのように実践したかを紹介するセッションでした。
特に印象的だったのは、実践にあたって直面した「3つの壁」です。

  1. 組織の壁: チーム間の連携不足による認識の違い
  2. 文化の壁: Platform Engineeringの価値が理解されず、必要性を感じてもらえない
  3. 技術の壁: 技術的なハードル

これらの課題に対し、事業に携わるメンバーへのインタビューやアンケートを通じて現状を深く理解したり、Platform Engineeringに興味を持つ社内メンバーを巻き込んだりすることで、その価値を浸透させるという取り組みが非常に参考になりました。
今回のセッションを通じて、Platform Engineering部のSRE/インフラの価値をプロダクト開発者や事業責任者へ届けること、事業成長に貢献する組織づくりを進めることの重要性を再認識しました。

布田

これまで、カンファレンスに現地参加することは多くはなかったのですが、GENDAに入社してから多くの機会を得ることができています。チームメンバーは参加に慣れていて、セッションやブースの回り方が非常に参考になります。
あまり現地でコミュニケーションをとれなかったのが改善点なので、次回はもっと発表者やブースの人とコミュニケーションをとって情報交換をしたいなと思います!

印象に残ったセッション: Platformに“ちょうどいい”責務ってどこ? 関心の熱さにあわせて考える、責務分担のプラクティス

発表概要 | スライド

今回、特に印象に残ったのは、株式会社estie様によるセッションです。私自身、Platform EngineeringやSREとしてのキャリアはGENDA入社後にスタートしておりまだ日が浅いです。その中で直面した課題の一つとして、プロダクトチームとの関わり方があります。

チームによってインフラへの関心度合いやスキルが異なったり、どこまで踏み込んで支援すべきか、あるいはどのように関わるのが適切なのかを判断するのは非常に難しいと感じていました。本セッションでは、具体的な事例とともに「どのように関わっていくか」が実践的に示されていて、大変参考になりました。

特に印象的だったのは「責務の線引きは固定ではなく、柔軟に変えていく」という考え方です。頭では“そうだよな〜”と理解していても、実際に他社事例として伺えることは非常に心強く感じました。人員の入れ替わりでシステム構成に詳しくないメンバーが増えるなど、チーム構成や状況の変化によって、プロダクトチームから求められる関係性は変わってくると考えています。そのため、柔軟に責務を変えていく姿勢が重要であると改めて気付かされました。
さらに、プラットフォームチームが責任を持って担うべき領域についても自分の考えを補強する参考になりました。ビジネス貢献に直結する領域を「攻め」とすれば、認証・認可の基盤や監査といった領域は「守り」だと考えています。組織やサービスがスケールする中で、こうした「守る」べき要件にオーナーシップを持ち、確実に維持していくことが重要であると改めて感じることができました。今回の学びを踏まえ、弊社においても具体的な事例を積み重ね、共有していけるよう取り組んでいきたいと思います!

おわりに

Platform Engineering Kaigi 2025は、セッションやブースはもちろんのこと、運営による企画も盛り沢山でした。

https://www.cnia.io/pek2025/blog/onsite-fun-activities.md/

たこ焼きやクレープの屋台など、セッションの合間に立ち寄りたくなるスペースがありました。

また、マッサージがあったり、当日の会場で提供されていたWi-Fi環境のNOC(ネットワークオペレーションセンター)もあったりしました。NOCには、スタッフ各自が持ち寄ったルーターやサーバーがずらり(備品ではなく私物!)。Platform Engineering Kaigiらしさがそこにもありました。

GENDAのPlatform Engineering部もさまざまなことに挑戦し、そこで得た知見をコミュニティに還元していけたらと思います。是非、コミュニティでお会いした際には、お気軽にお声がけください!

GENDA

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