Gemcook AI Weekly #1 - Devin がGemcookに入社しました!
概要
こんにちは、株式会社 Gemcook の soso です。
Gemcook AI Weekly とは
Gemcook AI Weekly は「AI 時代の今、AI の力を最大限に活用し、Gemcook が日本のエンジニア業界をリードしていきたい」という想いから始まりました。
トレンドになっているニュースや実際にプロダクトを作っている過程で得たノウハウを週単位でアウトプットしていきます。「ワクワクさせる」「情報のタイムリー性」「明日から使える」の 3 軸を意識し、AI に関する情報をお届けします。
Gemcook AI Weekly を始めるもうひとつのきっかけとして、AI の進化速度への危機感があります。Devin は登場当初からキャッチアップしていましたが、当時はまだ性能的には足りないという評価をして、Cline, Cursor, Windsurf などのアップデートを中心に追っていました。しかし、Devin の進化により「これはいよいよチーム開発の手法そのものが変わるぞ!」という話で盛り上がり、キャッチアップとノウハウの蓄積を加速させるために週刊で記事を書くことにしました。特に 週刊 であることに意味があると思っており、進化の早い AI 関連の話題を逃さず追いかけていきます。
今回のテーマは Devin の入社です。Devin 自体は数ヶ月前から導入していました。社内で Devin の話題になったときに「Devin いいよね」という話になったため、まだ使っていない人はぜひ試してほしいと思い改めて記事にしました。今後は、アップデートや新機能の紹介等も含めて紹介していきたいと思っています。
また、今後の Gemcook AI Weekly では Devin に限らず AI 関連全般の話題を取り上げていく予定です。
そもそも Devin って?
Devin is a collaborative AI teammate
Built to help ambitious engineering teams achieve more.
Devin はアメリカのカリフォルニア州に本社を置く Cognition AI が開発する AI ツールです。公式が AI チームメイトと言っている通り、自然言語で指示をすると自律的に何が必要なのかを考えてタスクを実行します。必要になれば、依頼者に自分で質問を投げかけるなど、「人間的な」仕事をこなすことができます。タスク実行能力は現状ジュニアエンジニアレベルではあるものの、割となんでも依頼できるので開発に関係が無い日常的なタスクを依頼できたりもします。
以下は公式の紹介文から引用した、Devin に依頼するタスクの例です。めちゃくちゃ幅広いですね。
- Application development
- Frontend bugs and edge cases
- Unit and E2E testing
- Building SaaS integrations
- Personal assistant tasks
- Web research
- Repetitive task automation
- Online booking and reservations
- And many others
- Technical debt
- Performance optimization
- Scraping
- New repo onboarding
- Maintaining documentation
余談ですが、競技プログラミングの最上位勢が Devin を作っているらしく、競プロ界隈で話題になったりもしていました。(あの tourist[1] が作ってるんか!という驚き)
Devin のセットアップ
公式
セットアップに必要なもの
Devin のセットアップには GitHub アカウントと Slack ワークスペースが必要...だったのですが、記事を書いている最中に Devin のアップデートが入り Slack ワークスペースは必須では無くなったようです。とはいえあった方が便利に使えますし、公式としても Slack 連携を推奨しています。また、タスク管理ツールの Jira, Linear, GitHub Issues などとも連携できるので、これらを使用している場合は連携しておくと便利です。
2025 年 3 月までは、$500/m で 250ACU のプランが最低料金でしたが、2025 年 4 月から月 20 ドルで 10ACU から利用開始できるプランが新しく登場しています。(1ACU = 15 分のタスク実行)ただし、API 経由で使えなかったりと制限はあったりします。
アカウントセットアップ手順
まずは Devin のアカウント登録です。このあたりの UI は頻繁にアップデートが入っているので、執筆時点と変わっているかもしれません。
- GitHub 接続
- Slack 接続
- メンバー招待
- リポジトリ接続
リポジトリセットアップ手順
ここからはアカウント登録完了後のリポジトリセットアップ手順を紹介します。
Devin はリポジトリ毎に独立した動作環境を持つため、各リポジトリでセットアップを行う必要があります。
- Devin に GitHub のリポジトリ権限を追加
GitHub 連携により、Devin がリポジトリにアクセスできるように権限を渡します。
全リポジトリの権限を渡している場合、個別リポジトリの設定は不要です。
- Devin の作業スペース追加
「Add Repository」から Devin の作業スペースを追加します。
- リポジトリセットアップ
作業スペースを追加するとリポジトリ用の作業環境が作成され、VSCode が起動してブラウザ上で操作できるようになります。
後はセットアップ手順に則って、必要な設定を行っていきます。
- Git Pull
- リポジトリの最新の状態を取得するコマンドの設定
- Configure Secrets
- アプリの実行に必要な認証情報などの設定
- Install Dependencies
- 必要なパッケージがあれば VSCode ウィンドウでインストールする
- Maintain Dependencies
- パッケージのアップデートを行うコマンドを記述する
- Setup Lint
- Linter を走らせるコマンドを記述する
- Setup Tests
- テストを走らせるコマンドを記述する
- Setup Local App
- ローカルでアプリケーションを起動するコマンドを記述する
- Additional Notes
- その他追加設定を記述する
この設定を完了後、数分待てば Devin がリポジトリのセットアップを完了してくれます。
後は Slack で Devin にタスクを依頼するだけです。
これにて Devin のセットアップは完了し、入社の儀式も完了しました!
まとめ
ということで Devin の入社紹介でした。
Devin の他にも Copilot, Cline, Cursor, OpenHands のようなツールもありますし別の自律型エージェントが出てくるかもしれません。そういった中で Devin が主流になるかは分からないですが、今後は自然言語で AI に指示をしてコードを書かせるというのが一般的になる未来は間違いないでしょう。
Devin は現在色々試している最中で、実装・テストタスクはもちろん、レビューをさせたり設計相談をしたりなど、様々なタスクに挑戦しています。今回の記事は入社記事でありそのあたりの内容を盛り込めなかったのですが、今後の週刊記事では Devin が現状どこまでできるのか、どういった使い方が効果的なのかを
紹介したいと思います。
-
AtCoder の Rating 一位のユーザー ↩︎
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