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週刊Cloudflare - 2025/02/23週

2025/03/06に公開

こんにちは、あさひです 🙋‍♂️ 今週の Cloudflare のアップデートもまとめていきます!

この記事の主旨

この記事では、Cloudflare のサービスにどんな変更があったかをざっくりと理解してもらい、サービスに興味を持ってもらうことを目的としています。そのため、変更点を網羅することを優先します。

2025/02/23 ~ 2025/03/01 の変更

Wrangler

Wrangler CLI v4.0.0-rc.0

Cloudflare は、Workers 用の CLI ツールである Wrangler の次期メジャーバージョンwrangler@4.0.0-rc.0を公開しました。

主な変更点

  • 最新の JavaScript 言語機能のサポート
  • CLI コマンドのデフォルト動作の変更
  • Node.js のサポートバージョンの明確化
  • 非推奨機能の削除

インストール方法:

npm i wrangler@v4-rc

3.111.0

マイナーアップデート

  • R2 バケットロックの設定を行うwrangler r2 bucket lockコマンドを追加。

パッチアップデート

  • Workers Assets の Cloudflare にあるデプロイ後の環境において、未知の拡張子を持つファイルに対して Content-Type ヘッダーを省略するようになりました。
  • R2 ライフサイクルルールの日付入力形式を数値から文字列として解析するよう修正。

3.110.0

マイナーアップデート

  • wrangler CLI にグローバル引数 --cwd を追加し、任意のコマンド実行前にカレントワーキングディレクトリを変更可能になりました。

パッチアップデート

  • Node.js 互換モードにおけるグローバルオブジェクトのインジェクションを最適化し、パフォーマンスを向上しました。
  • Workers Assets のローカル環境において、未知の拡張子を持つファイルに対して Content-Type ヘッダーを省略するようになりました。
  • 依存関係の更新。
    • miniflare@3.20250214.1

3.109.3

パッチアップデート

  • unstable_splitSqlQuery 関数が SQL ステートメントを分割する際に、インラインコメント (--) やブロックコメント (/* */) を無視するよう修正。

Workers

Workers Builds

Workers Builds が、パッケージマネージャーとして pnpm 10 を使用するプロジェクトのビルドに対応しました。

agents-sdk

AI エージェントの構築と展開を支援するパッケージおよびツールセットであるagents-sdkをリリースされました。これにより、Cloudflare Workers 上でエージェントを構築し、リアルタイムの通信、状態管理、スケジュールされたタスクの実行、AI モデルの呼び出しなどの機能を活用できるようになりました。

サンプル

新しいプロジェクトを開始するには、以下のコマンドを実行し、agents-starterテンプレートを使用してチャットベースの AI エージェントを作成できます。

npm create cloudflare@latest agents-starter -- --template="cloudflare/agents-starter"

また、既存の Workers アプリケーションにエージェントを追加するには、agents-sdkパッケージを直接インストールし、エージェントクラスを定義します。

npm i agents-sdk
import { Agent } from "agents-sdk";

export class YourAgent extends Agent {
  // エージェントの構築
  // this.stateで状態にアクセス、this.sqlでエージェントのデータベースをクエリ
  // onConnectやonMessageでWebSocketイベントを処理
  // this.scheduleでタスクをスケジュール実行
  // AIモデルの呼び出し
  // 他のエージェントの呼び出し
}

https://developers.cloudflare.com/agents/

Pages

Pages のビルドシステムが、パッケージマネージャーとして pnpm 10 を利用するプロジェクトのビルドに対応しました。

AI Gateway

AI アプリケーションを安全にデプロイするための Guardrails 機能が追加されました。ユーザーからのプロンプトとモデルからの応答の両方を検出・評価し、有害なコンテンツを遮断することが可能になりました。

Workers AI

コンテキストウィンドウサイズの拡大

Workers AI のテキスト生成モデルを更新し、コンテキストウィンドウのサイズを拡大しました。より多くの情報を一度に処理できるようになり、長文のテキスト入力に対してもより正確な結果を得ることが可能になります。加えて、API の動作も変更され、これまでの文字数を基準とした処理から、トークン数を基準とした処理に移行しました。

JSON モード

Cloudflare は 2025 年 2 月 25 日、Workers AI においてJSON モードのサポートを開始しました。 これにより、AI モデルとのやり取りで構造化された出力を直接取得できるようになり、大量の非構造化テキストから必要なデータを抽出する手間やエラーを減らすことが可能となりました。

Images

Workers 内で直接 Images API を操作できる機能を導入しました。これにより、URL を介さずに画像のリサイズや変換、オーバーレイが可能になり、画像の変換フローやキャッシュ動作をより細かく制御できるようになりました。

Images バインディングは、Cloudflare ダッシュボード内の Worker 設定、またはプロジェクトディレクトリ内のwrangler.tomlファイルで設定できます。Worker コード内では、env.IMAGESを使用してこのバインディングと対話できます。

wrangler.toml
[images]
binding = "IMAGES"
サンプル

例えば、画像を回転、リサイズ、ぼかし、そして AVIF 形式で出力するには、以下のように記述します。

sample
const info = await env.IMAGES.info(stream);

// streamには有効な画像が含まれており、infoオブジェクトで幅や高さが取得可能

const response = (
  await env.IMAGES.input(stream)
    .transform({ rotate: 90 })
    .transform({ width: 128 })
    .output({ format: "image/avif" })
).response();

return response;

R2

Super Slurper

Super Slurper は、S3 互換の API を持つ任意のオブジェクトストレージプロバイダーから、Cloudflare R2 へのデータ移行を容易にするツールです。​ 既存のストレージソリューションから R2 への移行をシームレスに行うことができます。

Super Slurper の機能を拡張し、すべての S3 互換オブジェクトストレージプロバイダーからのデータ移行をサポートするようになりました。 これにより、MinIO、Wasabi、Backblaze B2、DigitalOcean Spaces などのサービスから、Cloudflare R2 へのデータ移行が可能となりました。

Workflows

Workflows の同時実行インスタンス数の上限を従来の 100 から 4500 に引き上がりました。 この変更は、Workers の有料プランを利用しているすべてのユーザーに即時適用されます。なお、Workflows のオープンベータ期間中に、さらに上限が引き上げられる予定です。

Radar

  • DNS インサイトを拡張し、1.1.1.1 DNS リゾルバーによって観測された集約トラフィックと使用状況の傾向を可視化する新機能を追加されました。以下の視点からの分析が可能となりました。
    • プロトコル使用状況
    • クエリ/レスポンスの特性
    • DNSSEC の使用状況

Zaraz

Zaraz の配置を変更し、Cloudflare ダッシュボード内の「タグ管理」セクションからアクセスできるようになりました。既存の Zaraz 設定や権限に影響はありませんが、​ 既存の設定を編集するには、ダッシュボードの「タグ設定」セクションで該当するゾーンを選択すれば可能です。

Browser Rendering

Browser Rendering の新しい REST API をオープンベータ版としてリリースされました。以下のエンドポイントが提供されています。

  • スクリーンショットの取得
  • PDF の生成
  • HTML コンテンツの抽出
  • スナップショットの取得
  • ウェブ要素のスクレイピング

筆者の感想

早速ですが Cloudflare Meet-up Tokyo Vol.7 が 2025/3/14 に開催されます!まだ参加枠に余裕がありますのでぜひご参加ください。

https://cfm-cts.connpass.com/event/344633/

以下の記事でyusukebeさんが以下のように書いています。私としては実は去年のバースデーウィークのアップデートでこの計画を予感していたのですが確証もないといった感じでした。アップデート予想に確証がなかったので書いてなかったのですが、どこかでアップデート予想もやっぱり書いてみようかなと思います。

デプロイ先の推奨が Cloudflare Pages だったのを Clooudflare Workers にしていきます。これは Cloudflare の意向で、Pages と Workers を統合する計画があり、Workers に寄せていくからです。

https://zenn.dev/yusukebe/articles/4d6297f3be121a

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