週刊Cloudflare - 2024/09/22週
こんにちは!あさひです 🙋♂️
今週は Birthday Week の変更分があったりで更新多めです!
早速キャッチアップしていきましょう。
この記事の主旨
この記事では、Cloudflare のサービスにどんな変更があったかをざっくりと理解してもらい、サービスに興味を持ってもらうことを目的としています。そのため、変更点を網羅することを優先します。
2024/09/22 ~ 2024/09/28 の変更
Wrangler
3.78.12
パッチアップデート
- Queues が正式に GA(一般提供)となったことを反映し、警告メッセージから「ベータ」という記載が削除されました。
3.78.11
パッチアップデート
-
wrangler
設定ファイルで[routes]
が変更された際に、その設定を自動的に検証する機能が追加されました。
3.78.10
パッチアップデート
-
nodejs_compat
フラグがnodejs_compat_v2
を自動的に適用するように修正されています。これによりwrangler
とminiflare
が正しいビルドタイム設定を処理できるようになり、Node.js 互換性の向上が図られました。 - 依存関係の更新。
miniflare@3.20240925.0
3.78.9
パッチアップデート
-
package.json
全体をバンドルコードに含めないようにリファクタリングが行われました。 -
wrangler
の設定で[observability]
セクションに追加のプロパティ検証を導入されました。 - 日付計算のロジックが簡素化され、
date-fns
の依存関係が削除されました。 - R2 イベント通知に関連する wrangler コマンドの説明からベータタグが削除されました。
-
wrangler
の設定で、experimental_assets
がassets
に名称変更されました。 -
node_compat
を使用した際に表示される警告メッセージが改善され、ユーザーに対してより明確な警告が提供されるようになっています。
3.78.8
パッチアップデート
-
init --from-dash
コマンドで不足していたバインディングが追加され、assertNever()
型チェックが導入されました。 - アセットアップロード時のファイル名に含まれる特殊文字(例:
[ ]
,@
)をエンコードと未エンコードの両方のパスでアクセス可能にする修正が行われました。正規のパスはエンコードされたパスとして扱われ、必要に応じてリクエストを正規パスへリダイレクトします。 - Worker スクリプトが存在しない状態でアセットバインディングが提供された場合に発生するエラーが修正されました。
- 依存関係の更新。
@cloudflare/workers-shared@0.5.4
miniflare@3.20240909.5
Workers
Workers Builds という機能が追加されました!🎉
GitHub または GitLab のリポジトリを既存の Worker に接続できるようになり、git push を行うたびに自動でビルドおよびデプロイが実行されるようになります。新規の Worker も対応予定みたいですね 🤔
Vectorize
Vectorize が一般提供(GA)として利用可能になりました。
もう使ってた方もいるのかなとは思いますが GA されたサービスが増えていくのは嬉しいですね 👍
Queues
Queues とは?
Send and receive messages with guaranteed delivery and no charges for egress bandwidth.
公式のドキュメントに上記のようにあります。
要はキューイングサービスです。ただし、Workers と連携するには有料プランが必要だったりします。AWS でいうところの SQS です。
Cloudflare Queues がパフォーマンス向上の上、一般提供開始(GA)されました。
- スループット向上
- 各キューのメッセージ処理速度が 1 秒あたり 400 メッセージから 5,000 メッセージに増加(新規・既存のキューに適用)。
- 最大同時消費者数の増加
- 最大同時消費者数が 20 から 250 に拡大。明示的な制限がないキューは自動的に新しい上限にスケールします。
Durable Objects
Durable Objects とは?
コラボレーション・アプリケーション、リアルタイム・チャット、マルチプレイヤー・ゲームなどを、状態調整やインフラ管理の必要なく作成できます。
公式ドキュメントの概要から翻訳を引用しています。
R2 や KV のようなストレージを使用せずに、一時的にデータを永続化できる仕組みなのかな?と理解しています。
大量データの処理には向いてなさそうですね。(そもそも Worker でそこまで大きなデータを扱うのか?という疑問もありますが)
新しいベータ版の Durable Objects では、各オブジェクトにプライベートな SQLite データベースが組み込まれており、新しい SQL API や時点復元 API を利用できるようです。既存の Durable Object クラスに SQLite を有効にすることはできないようですが、将来的には現行の Durable Objects へ自動移行が可能になる予定のようです。ベータ期間中、SQLite 対応の Durable Objects は、リクエストと実行時間に対する料金が発生するようですが、ストレージ API の課金は行われないようですね。
またベータ版の SQLite をバックエンドに使用した Durable Objects でアラーム機能に問題があり、一時的に無効化されているようです。デフォルトのキーバリューストレージを使用している Durable Objects のアラームは、この影響を受けず、通常通り動作するみたいですね 🤔
AI Gateway
AI Gateway に以下の変更点が入っています。中でも永続的なログは嬉しいのではないでしょうか?
-
永続的なログ
- AI Gateway のログが永続化され、お好きな期間ログを保存できるようになりました。
-
Logpush
- Logpush を使用して、ログを外部ストレージに安全にエクスポートできます。
-
価格
- ログの永続的な保存に関する価格設定が追加されました。
-
Evaluations
- AI Gateway の設定に「Evaluations(評価機能)」が追加されました。以下のようにアプリケーションの最適化を助けてくれる機能のようですね。
-
AI Gateway の評価は、AI アプリケーションを最適化する方法について情報に基づいた決定を下すために必要なデータを提供します。
Workers AI
Workers AI に Birthday Week 2024 で以下のアップデートが行われました。
- Meta Llama 3.2 1B、3B、11B Vision が Workers AI で利用可能になりました。
-
cf/black-forest-labs/flux-1-schnell
が Workers AI で利用可能になりました。 - 新しい GPU と最適化により、Llama 3.1、3.2、および FLUX モデルでより高速な推論が期待できるようになりました。
- ユニットベースの料金体系に移行。
- モデルページが刷新され、パラメータ、価格設定、モデル機能に関するドキュメントが改善されました。
- Run Any モデル機能のクローズドベータを開始しました。
Magic WAN
Magic WAN に以下の変更が入っています。
すべての Magic WAN コネクタが、WARP クライアントのトラフィックを直接インターネットにルーティングするようになりました。これにより、IPsec トンネルを経由せず、WARP トラフィックの二重カプセル化を防止します。
Magic Network Monitoring
Magic Network Monitoring (MNM) の無料バージョンが、Cloudflare アカウントを持つすべてのユーザーにデフォルトで利用可能になりました。
Security Center
セキュリティセンターで保存したクエリのすべての一致結果をエクスポートできるようになりました。エクスポートするには、クエリ名を選択し、3 点メニューから「エクスポート」を選択します。これにより、クエリ結果を効率的に保存・共有できるようになります。
Zero Trust WARP Client
WARP client for macOS (version 2024.8.457.0)
macOS WARP クライアントの新しい GA リリースが App Center で入手可能になりました。 このリリースにはマイナーな修正と改善が含まれています。
主な更新内容:
-
warp-cli
で PCAP オプションのカスタマイズ機能を追加。 -
warp-diag
にインストール済みアプリのリストを追加。 -
warp-dex
のトレースルート結果を JSON 形式で出力。 - スプリットトンネル構成時のファイアウォールパフォーマンスを向上。
- 構成変更時に DNS ログがクリアされない問題を修正。
- 新しい複数構成形式の MDM を導入した後に古い単一構成の MDM ファイルを導入すると、ユーザーが再登録する必要がある既知の問題を修正。
- ホームネットワークと重複するプライベート IP 範囲の使用問題を修正。
- 非推奨の
warp-cli
コマンドを削除。
既知の問題:
- Cloudflare は macOS 15(Sequoia)で一部ユーザーに影響する一時的なネットワーク問題を調査中です。
- 組織で Regional Services が有効な場合、MASQUE トンネルプロトコルの互換性に問題が発生する可能性があります。
WARP client for Windows (version 2024.8.458.0)
主な更新内容:
-
warp-cli
で PCAP オプションのカスタマイズ機能を追加。 -
warp-diag
にインストール済みアプリのリストを追加。 -
warp-dex
のトレースルート結果を JSON 形式で出力。 - スプリットトンネル構成時のファイアウォールパフォーマンスを向上。
- 構成変更時に DNS ログがクリアされない問題を修正。
- 新しい複数構成形式の MDM を導入した後に古い単一構成の MDM ファイルを導入すると、ユーザーが再登録する必要がある既知の問題を修正。
- ホームネットワークと重複するプライベート IP 範囲の使用問題を修正。
- 非推奨の
warp-cli
コマンドを削除。
既知の問題:
- 組織で Regional Services が有効な場合、MASQUE トンネルプロトコルの互換性に問題が発生する可能性があります。
- 以下の条件がすべて満たされると、DNS 解決が機能しなくなる可能性があります。この問題を回避するには WARP クライアントを再起動して再接続します。
- WARP が DNS フィルタリングなし(トンネルモードのみ)の Secure Web Gateway に接続されている。
- カスタム DNS サーバーアドレスがプライマリネットワークアダプターに設定されている。
- WARP 接続中にカスタム DNS サーバーアドレスが変更された。
筆者の感想
以前に Cloudflare TV について紹介しましたが Cloudflare Developers の youtube チャンネルがあるのってご存知でしょうか?
@CloudflareDev を見ている方はわりと多いのではないかと思います。
シリーズものが始まっていたり最近更新を頑張っている気がする。Cloudflare TV はハードル高いって方も Youtube チャンネルなら自動翻訳もありますし気軽に見れると思うのでぜひ覗いてみてください 👍
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