【Biome1.8】conventionsオプションで命名規則をカスタマイズ!試してみる。
こんにちは!
Biome...使ってますか? 速度ももちろん早くて快適なのですが、やっぱりなんといっても設定の少なさが本当に楽ですね...。
そんな愛すべきBiomeからv1.8がリリースされました。Yatta!
筆者待望のCSSのlinting、formattingがサポートされたり嬉しい対応はいろいろあったのですが、一つ気になる機能がありました...。
それが、useNamingConvention
のconventions
オプションです。今回はその機能についてザックリ試してわかったことなどを紹介したいと思います。
useNamingConvention
とは...?
そもそもまずはuseNamingConvention
について軽く紹介いたします。
useNamingConvention
は、BiomeにおけるLintルールの1つで、「特定の変数・関数宣言などの命名規則を縛る」ためのオプションです。
この機能自体は、Biomeのv1.0の頃から存在し、
の様な一般的なルールセットや、有効・無効を自由にオプションで指定できるルールもいろいろとありました。そんなuseNAmingConvention
のオプションの1つとして今回追加されたのが、conventions
オプションです!!
conventions
オプション
さて、本題のconventions
オプションを有効にすると何ができるのでしょうか?
簡単に表現すると、「指定の条件で宣言される変数」を「指定の命名規則」で縛ることができます。
...わざとらしく太字にした様に、「指定の」というのがポイントです!!
今までも、「特定の条件で宣言される変数は特定の命名規則」で縛られていたり、options
に属するものはon・offを切り替えられたり、ちょっとカスタムできるものはありました...。
しかし、conventions
オプションによって指定できるルールの自由度は今までの比ではありません...。
なにが指定できるの?
指定できるものは以下の通りです。
- ターゲットになる変数の適用条件
- ターゲットになった変数の命名規則
これらの組み合わせで自由にカスタムしていきます。
公式の例を見てみましょう。
{
"//": "...",
"options": {
"conventions": [
{
"selector": {
"kind": "const",
"scope": "global"
},
"formats": ["CONSTANT_CASE"]
}
]
}
}
「グローバルなconst宣言の変数はCONSTANT_CASE
で書くこと。」というルールが定義されています。
conventions
に selector
とformats
が含まれるオブジェクトの配列を渡すことで、各ルールを指定するという寸法ですね。
指定方法の詳細
適用条件の指定
どの変数にルールが適用されるのかの条件指定は、selector
によって行います。
selector
にはさらに3つのプロパティがあります。
{
selector:{
kind: "xxxxx",
scope: "xxxx",
modifires: ["xxxx","xxxx"....],
}
}
kind
「どういった宣言方法の変数なのか?」を指定します。
例えばconst
やtype
、 関数の引数(functionParameter
)などです。
プロパティ | 概説 |
---|---|
any | kindが設定されていない場合のデフォルトのkind |
typeLike | クラス、列挙型、型エイリアス、およびインターフェース |
class | クラス |
enum | 列挙型 |
interface | インターフェース |
typeAlias | 型エイリアス |
function | 名前付き関数宣言と式 |
namespaceLike | TypeScriptの名前空間、インポートおよびエクスポート名前空間(import * as namespace from) |
namespace | TypeScriptの名前空間 |
importNamespace | インポート名前空間 |
exportNamespace | エクスポート名前空間 |
importAlias | デフォルトのインポートおよび名前付きインポートのエイリアス |
exportAlias | 再エクスポートされた名前のエイリアス |
variable | const、let、using、およびvarの宣言 |
const | const |
let | let |
var | var |
using | using |
functionParameter | 関数パラメータ |
catchParameter | catchパラメータ |
indexParameter | インデックスシグネチャのパラメータ |
typeParameter | ジェネリック型パラメータ |
classMember | クラスプロパティ、パラメータプロパティ、メソッド、ゲッター、およびセッター |
classProperty | クラスプロパティ(パラメータプロパティを含む) |
classMethod | クラスメソッド |
classGetter | クラスゲッター |
classSetter | クラスセッター |
objectLiteralMember | リテラルオブジェクトのプロパティ、メソッド、ゲッター、およびセッター |
objectLiteralProperty | リテラルオブジェクトプロパティ |
objectLiteralMethod | リテラルオブジェクトメソッド |
objectLiteralGetter | リテラルオブジェクトゲッター |
objectLiteralSetter | リテラルオブジェクトセッター |
typeMember | 型エイリアスおよびインターフェースで宣言されたプロパティ、メソッド、ゲッター、およびセッター |
typeProperty | 型プロパティ |
typeMethod | 型メソッド |
typeGetter | 型ゲッター |
typeSetter | 型セッター |
modifires
「どんな修飾子がついているか?」を指定します。
readonly
なんかがそれに当たりますね。(弊社フロントエンドではClassを使わないので、readoly
以外は使うことなさそう...🤔)
プロパティ | 概説 |
---|---|
abstract | クラスメンバーおよびクラス |
private | クラスメンバー |
protected | クラスメンバー |
readonly | クラスメンバーおよび型メンバーに適用される |
static | クラスメンバー |
scope
「どこで宣言された変数なのか?」を指定します。
現状ではgrobal
なのかどうか?が指定できます。
プロパティ | 概説 |
---|---|
any | どこでも(スコープが設定されていない場合のデフォルト値) |
global | グローバルスコープ(名前空間スコープも含む) |
命名規則の指定
どんな命名規則が適用されるのかの指定は、formats
およびmatch
によって行います。
少なくともどちらか一方は指定する必要があります。(両方指定することもできる。)
{
formats: ["xxxx"],
match: "xxx"
}
formats
「ざっくりと、どういったフォーマットにしたいのか?」を指定します。
呼んで時の如く。ですねこの4種のうちから好みのフォーマットを選んでください。
プロパティ | 概説 |
---|---|
PascalCase | - |
camelCase | - |
snake_case | - |
CONSTANT_CASE | - |
match
「より詳細にどういったフォーマットにしたいのか?」を正規表現を用いて指定します。
特定の文字列を入れたい。(XXXXX_ERROR
の様な)といった想いも簡単に実現できます。
まとめ
上記の組み合わせによって、自由に変数の命名規則をカスタマイズできる!ということが、理解していただけたかと思います。
Xにて、中の人が「デザインにはかなり気を使った。使いやすいと思ってもらえると嬉しい。」と言っている様に、筆者は「とても直感的で使いやすいな...🤔」と感じました。
I put a lot of care into its design. I hope you find it easy to use :)
https://x.com/Conaclos/status/1798001580165492923
今までは口約束や、レビューなどで縛っていた命名規則も、チーム全体に統一を強制することができる様になりました。それも、とても読みやすく直感的でメンテナンスも容易だろうと言うことが想像できます。
まだ軽く触ってみただけですので、チームでどういったルールにするかは決めてはいませんが、今まで口約束していたルールを改めて見直したいと思います!!
Biome使ってない方は是非使ってみてください!超楽ですよ!
ありがとうBiome!!
余談
CONSTANT_CASE
って一般的なんですか?筆者は初めて聞きました...。いつもはUPPER_SNAKE
って呼んでました🐍
あと、いつもはBlogもほぼ同時に公開してくれてたのですが、今回はまだ出てない(執筆時6/6現在)ですね...。いつも楽しみに読むので是非出して欲しい...。
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