IPアドレスの基礎知識
IPアドレス(Internet Protocol Address)とは
IPアドレスとは、ネットワーク上に接続された機器が持つ一意の番号で、インターネット上の住所のようなものです。IPアドレスがあることで、ネットワーク内で他のサーバーやデバイスと情報をやり取りしたり、GoogleやYahooなどの運用するサーバーと通信することができます。
IPアドレスの管理
IPアドレスは、全世界的に「ICANN」(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)によって管理され、統一されたルールで運用されています。さらに、地域ごとにIPアドレスを管理する組織があります。日本では「JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)」がIPアドレスの管理を行っています。
IPアドレスの種類
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パブリックIPアドレス
インターネットに接続される機器に割り当てられる一意の番号です。これは、世界中で重複しないように管理されています。 -
プライベートIPアドレス
インターネットに直接接続されていないネットワーク内の機器が使用するIPアドレスです。例えば、自宅のPCがルーターを経由してインターネットに接続する場合、ルーターにパブリックIPアドレスが割り当てられ、PCにはプライベートIPアドレスが割り振られます。
IPアドレスのルール
IPアドレスには以下のような特徴があります。
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4つのオクテット
4つの組(オクテット)に分けて表示されます。各オクテットは8ビットで構成されており、合計32ビットの2進数で表されます。この4つのオクテットは、10進数で表すこともできます。 -
各オクテットの範囲
各オクテットは0から255までの数字で表現されます。ただし、0から始まるため、各オクテットは0から255までの256個の異なる値を持つことができます。 -
IPアドレスの範囲
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IPアドレスの範囲は「2の32乗」、つまり4,294,967,296個の異なるIPアドレスを表現できます。しかし、これらの数字をすべて覚えるのは難しいため、8ビットずつ4つのオクテットに分け、各オクテットの範囲を0から255までに制限して管理します。
- 10進数 vs 2進数
表記方法は以下の通りです。
10進数 | 2進数 |
---|---|
0 | 0000 |
1 | 0001 |
2 | 0010 |
3 | 0011 |
4 | 0100 |
5 | 0101 |
6 | 0110 |
7 | 0111 |
8 | 1000 |
9 | 1001 |
10 | 1010 |
ネットワークを構築する際のIPアドレス範囲
ネットワークを作るとき、使うIPアドレスの範囲を決めることが大切です。ここでは、「ネットワーク部」と「ホスト部」という考え方を紹介します。
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ネットワーク部:
IPアドレスの中で、どのネットワーク(グループ)に属するかを示す部分です。これを見て、ルーターが通信の経路を決めます。 -
ホスト部:
IPアドレスの中で、具体的なデバイスやサーバーを示す部分です。ネットワーク内のどの機器かを特定するのに使います。
例:郵便の宛先
住所の一部がネットワーク部で、マンション番号がホスト部です。郵便局(ルーター)はネットワーク部で適切な経路を選び、マンション内でホスト部の部屋に届けます。
自分のネットワークでは、どの範囲のIPアドレスを使うかを決める必要があります。プライベートなネットワークを作る場合、以下の範囲の中から選びます。
- クラスA:10.0.0.0 ~ 10.255.255.255(ホスト16,777,241台)
- クラスB:172.16.0.0 ~ 172.31.255.255(ホスト65,534台)
- クラスC:192.168.0.0 ~ 192.168.255.255(ホスト254台)
このIPアドレスは規模が大きい順に、クラスA、B、Cと分けられています。この範囲内で、どれだけのデバイスやサーバーにIPアドレスを割り当てるか、そしてどのグループに属するかを決めます。
ここで、PCが5台使うことに対しクラスCを割り当てても無駄になってしまうので、CIDRというものがでてきます。
CIDR(サイダー)とは
CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は、IPアドレスを使ってネットワークを設計する方法の一つです。
クラスでネットワークを区切ると、使用しないIPアドレスが多くなり、IPアドレスのムダが発生するため、より効率的にネットワークを区切ることができます。
CIDRはIPアドレスに「/数字」を追記して表現します。この数字は「ネットマスク」と呼ばれ、ネットワーク部に割り当てられるビット数を表します。ビット数は、ネットワーク部の長さを示します。
たとえば、「10.0.0.0/16」というCIDR表記では、「10.0.0.0」の前2つのオクテットがネットワーク部で、後ろの2つのオクテットがホスト部です。これにより、「10.0.0.0 ~ 10.0.255.255」までがこのネットワークの利用可能なIPアドレス範囲となります。
CIDRのビット数は、2の累乗を使って計算します。たとえば、/16の場合、2の16乗で65,536個のIPアドレスが利用可能です。数字が大きくなるほど、利用可能なIPアドレスが増えます。
CIDRを理解することで、ネットワークを効率的に設計し、必要なIPアドレスを使いながら、余分なアドレスを浪費せずに済むようになります。
CIDRを決める方法
CIDRを決める際には、まず自分が使いたいIPアドレスの数を考えます。
一般的に、小さな家庭用ネットワークなら「/24」というCIDRを使うことが多いです。これは、最後の部分がホスト(デバイス)用に使われ、前の部分がネットワークを識別するために使われることを意味します。
例えば、"192.168.0.0/24"では、"192.168.0"がネットワーク部分で、最後の部分がホスト部分です。最後の部分には0から255までの数字を使えますので、このネットワークには256個のIPアドレスが使えます。
必要な数に合わせてCIDRを選んで、ネットワークを効率的に設計することができます。
この辺は難しかったけど地道にやっていくしかないな~
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