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本だけでUnityを伸ばすコツ:買う前30分/買った日の90分/詰まった日の5分

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「Unity 書籍 おすすめ」を漁ってると、結局どれを買うのが正解なのか沼りがち。
わたしはここ1年くらい、紙とPDFを行き来しつつ、最小コードで“遊べるところまで”持っていくやり方に落ち着きました。
断定はしませんが、基準を決めたら迷いが激減。
この記事は、その基準と手順のメモです。
ハウツーというより進め方の雛形。
2D/3Dで1本通すための最小レシピも置いておきます。

前置きとして、個別の書名を列挙するより「どう選ぶ/どう使い切る」のほうが再現性が高かったです。
Unity本はバージョン差やUIの変更で古びやすい。
だから、タイトル依存より“本の中に目印があるか”で見ます。
目印=目次の流れ・サンプルの入手経路・バージョン前提・代替手順の注記・章末の到達物。
ここが揃っていれば、たいてい走れます。

キーワードはこの辺:2DならSprite/Tilemap/Animator/Cinemachine(2D)、3DならCharacterController/Cinemachine(FreeLook)/URP、UIならCanvas/Anchor/LayoutGroup/EventSystem、新入力ならInput System。
章タイトルや節タイトルにこれらが散っている本は、実装の目印が多く、迷いにくいです。
逆にスクショだけで要点の語がない場合、手戻りが増えがちでした。

スタンス:最小コードで“遊べる”を先に作る(書籍は索引+導線)

わたしのスタンスは「最小で動かす→体験が先→用語は後追い」。
本は索引と導線のために使います。
最初から設計をちゃんとやろうとして、何度も止まりました。
小さく遊べた瞬間、C#の1行が“意味のある1行”になる。
なので、入門〜初中級の本は“遊べるものに届く速度”で選びます。
具体的には、1章〜4章でプレイヤーが動く、5章〜6章で当たり判定、7章〜でUI、最後にビルド、の流れが見えると理想。

「Unity 本 3D」などで、物理まわりを最初から深追いすると沼りやすいです。
重力や反発係数をちゃんと理解するのは大事だけど、入門タイミングだと難易度が跳ねる。
操作感を先にロックしたほうが体験が良く、モチベが落ちない。
3DはCharacterControllerから入る、2DはRigidbody2D+OverlapCircleくらいの粒度に抑える、と決めておくとスムーズでした。

「unity 参考書 いらない?」という問いには、半分YES、半分NOという感じで答えています。
動画と公式ドキュメントだけでも1本は作れる。
ただ、索引性と“戻りやすさ”は本が強い。
数か月後に詰まったとき、章や節のタイトルで一発で飛べるのが効く。
わたしは、最初の1冊はハンズオン、2冊目に逆引き(辞書)、3冊目で設計・運用の考え方、という順で落ち着きました。

買う前の30分チェック:目次PDF→サンプル→前提バージョン→代替手順

いきなり購入せず、まずは通販ページの「目次プレビュー/サンプルDLリンク/正誤表」を探します。
探し方は単純で、書名+「目次 PDF」「Sample」「正誤表」。
ここで見るのは3点。
①インポート→配置→移動→当たり判定→UI→ビルドまでの“一本道”が目次に見えるか、②サンプル配布が継続しているか(リンク切れは要注意)、③正誤表が更新されているか(メンテ気配)。

前提バージョンも要チェック。
Unity 6対応をうたっていても、内部のスクショが2021〜2022基準だったりする。
UIやメニュー名が違っても、概念が噛み合えば進めますが、初学フェーズでは混乱源。
良い本は章の冒頭に「この機能は旧名○○のことです」「新Inputならここをこう」といった“橋渡し”の注記があります。
これがあると、迷い時間が激減します。

2D派はTilemap章の厚み、3D派はCinemachineの扱いを指標に。
Tile Palette/アニメーション遷移/当たり判定の順で手を動かせる構成か。
3DはCinemachineのFreeLookや追従のチューニング(Damping/Dead Zone)が1〜2ページでも入っていると、カメラ迷子を避けやすい。
UIはCanvas ScalerとAnchorの実験があるかを見る。
ここが薄いと、解像度差で崩れて萎えます。

買った日の90分:走る→触る→1行足す→メモる の4ステップ

本が届いたら、その日に“体験走行”をします。
完読はしません。
目的は相性の判定。
①走る、②触る、③1行足す、④メモる、で90分。
これで合うなら継続、合わなければ早期に別の本へスイッチ。
学習コストの最適化というより、挫折の回避策です。
わたしはこの儀式で、積読の山がかなり減りました。

手順例:最初の15分で環境整備(本の前提に近いEditorをUnity Hubで用意、テンプレは2D/3D/URPを本に合わせる、Input Systemの切替を先にやる)。
次の30分で“遊べる章”に飛び、サンプルをインポート→プレハブをSceneへ→Playボタン。
ここまでスムーズなら、その本はあなたに優しい。
止まったら、正誤表や付録のFAQに頼る。

残り30分でパラメータを触る(Speed/Jump/CinemachineのDamping)。
最後の15分でC#を1行だけ足す。
UIテキストを更新とか、ジャンプにクールダウンとか、小ネタでOK。
“成功体験が小さく乗る”と、続きます。
終わったらメモを1枚:詰まった箇所/解決の導線(ページと用語)/自分ルール(命名・フォルダ構成)。
この1枚が次回の摩擦を減らします。

2Dで1本通す最小レシピ(本×最小コード)

2Dの本は、Tilemap→アニメーション→当たり判定→UIの順に沿っていれば、まず勝てる印象。
カメラはCinemachine 2D(Framing Transposer)でブレずに追従。
Inputは旧GetAxisでも新Inputでも構いませんが、初回は旧式のほうがコードが短いので迷いが少ない。
慣れたらActionに移行で充分。
以下、最小移動+ジャンプ+クールダウンの例。
書籍のサンプルに“1行上書き”する前提の粒度です。

using UnityEngine;

public class Player2D : MonoBehaviour
{
[SerializeField] float speed = 6f, jumpPower = 8f, jumpCD = 0.2f;
[SerializeField] Transform groundCheck;
[SerializeField] LayerMask groundMask;
Rigidbody2D rb; float cd;
void Awake(){ rb = GetComponent<Rigidbody2D>(); }
void Update(){
var x = Input.GetAxisRaw("Horizontal");
rb.velocity = new Vector2(x * speed, rb.velocity.y);

    bool grounded = Physics2D.OverlapCircle(groundCheck.position, 0.15f, groundMask);
    cd -= Time.deltaTime;
    if (grounded && cd <= 0f && Input.GetButtonDown("Jump")){
        rb.velocity = new Vector2(rb.velocity.x, jumpPower);
        cd = jumpCD;
    }
    rb.velocity = new Vector2(Mathf.Clamp(rb.velocity.x, -speed, speed),
                              Mathf.Clamp(rb.velocity.y, -15f, 15f));
}

}

この程度でも「移動できる/跳べる/暴走しない」で楽しくなります。
次にやるのは、Animatorの遷移条件に速度しきい値を追加して、見た目の手応えを上げること。
UIはTextMeshProでスコアを1つ動かすだけでOK。
Tilemapは“段差の幅”をまず均一に。
難易度設計は後回しで、見た目の安定から。
書籍内に「タイルの当たり判定はこの設定で」と表がある本は、序盤の事故が減ります。

落とし穴は、サンプルPrefabのLayer/Tagが自分のプロジェクトにないケース。
開始前にTags and Layersを同期するメモを作っておくと事故らない。
物理が効かない時はLayer Collision Matrixを一度リセット。
URP導入済みプロジェクトに2Dサンプルを持ち込むと、Renderer Feature不足で真っ黒→Renderer割当ミスというパターンもよくやりました。

3Dで1本通す最小レシピ(本×最小コード)

3DはCharacterControllerから始めると安定します。
Rigidbody移動は面白いけど、斜面や段差、物理衝突の扱いで最初はつまずきやすい。
カメラはCinemachine FreeLookで“追従の気持ちよさ”を先に決める。
地形はProBuilderで仮組み→URPのQualityを控えめに落としてフレームを稼ぐ。
以下、最小のTPSっぽい移動。
ジョイスティックでもWASDでも、慣性を乗せずに操作感を一定にします。

using UnityEngine;

public class Player3D : MonoBehaviour
{
[SerializeField] float moveSpeed = 4.5f, rotateSpeed = 540f, gravity = -9.81f;
CharacterController cc; float vy;
void Awake(){ cc = GetComponent<CharacterController>(); }
void Update(){
var h = Input.GetAxisRaw("Horizontal");
var v = Input.GetAxisRaw("Vertical");
Vector3 dir = new Vector3(h, 0, v).normalized;

    if (dir.sqrMagnitude > 0.001f){
        var targetRot = Quaternion.LookRotation(dir, Vector3.up);
        transform.rotation = Quaternion.RotateTowards(transform.rotation, targetRot, rotateSpeed * Time.deltaTime);
    }
    vy += gravity * Time.deltaTime;
    if (cc.isGrounded && Input.GetButtonDown("Jump")) vy = 5.5f;

    Vector3 vel = dir * moveSpeed + Vector3.up * vy;
    cc.Move(vel * Time.deltaTime);
    if (cc.isGrounded && vy < 0f) vy = -2f; // 接地安定化
}

}

この最小コードを、本の手順に重ねるだけで「歩ける→向ける→跳べる→カメラが気持ちいい」に到達します。
以降はCinemachineのDamping/Dead Zoneを2〜3値いじる→地形の段差を“一定ピッチ”に整える→UIを1枚重ねる(HPバーなど)で、見た目の完成感が急に増す。
書籍側でビルド設定(Android/iOS/PC)の章があると、早く外に出せて楽しい。

落とし穴は、CharacterControllerのStep Offset/Slop Limitの初期値が地形に合ってないこと。
プロト段階でここをいじると、登れる段差と滑る斜面の“体験”が安定します。
物理とキャラコンを両方付けない(挙動が二重になって暴れる)もお約束。
書籍の指示が物理前提なら、そちらに寄せる。
迷ったら“先に気持ちいい操作”を固定してから、物理を足すほうが迷子になりにくかったです。

C#が不安な日に:逆引き読み+小テストの5分ループ(Unity C# 本 おすすめの使い方)

「文法から全部」は、わたしは挫折しました。
代わりに、逆引き(配列/List/Dictionary/LINQのWhere/OrderByくらい)を索引でピンポイントに開いて、その場でミニ実験。
1問1答のメモをSceneに置いておくと、後日すぐ思い出せます。
例えば、敵をタグごとに数える、Y座標が高い順に並べて先頭だけ処理、みたいなやつ。

最小テスト用の“置きスクリプト”を1個作っておくと便利です。
GameObjectを空で作って、以下のコードを貼るだけ。
Startでリストを作って、Updateで1キー押すと処理してConsoleに出す。
書籍のC#章を読んだ直後、ここに1問足して実行→“できたら消す”。
5分で1単語ずつ血肉化。

using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using UnityEngine;

public class CSharpScratch : MonoBehaviour
{
List<Vector3> samples = new List<Vector3>();
void Start(){
for(int i=0;i<10;i++) samples.Add(new Vector3(Random.Range(-5,5), Random.Range(0,10), 0));
}
void Update(){
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.Alpha1)){
// Yの高い順に3つだけログ
foreach (var p in samples.OrderByDescending(s => s.y).Take(3)){
Debug.Log(p);
}
}
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.Alpha2)){
// X>=0だけ数える
int c = samples.Count(s => s.x >= 0);
Debug.Log($"X>=0: {c}");
}
}
}

これを“ゲーム本体”と同じプロジェクトに置いておくと、学びと制作が分断されないのが効きます。
索引で開いた直後に手を動かす→結果を目で見る→閉じる。
たぶんこの体験を高速で回すのが、C#を“怖くなくする”近道。
序盤はif/for/foreach、配列とList、ラムダ式の=>、LINQのOrderBy/Where/Takeで十分に戦えます。

中級者へ:特化本の選び方/「参考書いらない?」の線引き(Unity本 2025視点)

「unity 参考書 中級者」帯の本は、VFX/UI/VR/最適化/設計のどれかに強みが寄っています。
選び方は“練習素材+検証手順”の有無を見る。
VFXなら完成画像と値テーブル、UIなら解像度を変える実験、VRなら快適性チェックリスト(移動方式・UI距離・フレーム維持)。
章末に“壊し方と直し方”が書いてあると、その本は長く効きます。

UIはCanvas/Anchor/AutoLayoutを実験で覚える本を推し。
やり方は簡単で、解像度を16:9→19.5:9→4:3→iPadに切り替えるスクリプトを用意して、章のサンプルに被せる。
崩れたらAnchorで直す→LayoutGroupで詰める→SafeAreaを見る。
この体験を挟む本は“現場”寄り。
VFXはShader Graph/VFX Graphの節に「失敗例スクショ」があると、調整の感覚が早いです。

「unity 参考書 いらない?」の線引きは、目的次第。
プロト1本作るだけなら“いらない”寄り。
製品レベルやチーム開発、運用、最適化に触れるなら、設計本の章(依存の切り方、アーキ、アセット管理、アニメーションのレイヤ設計)はどこかで通ったほうが結局近道でした。
特に、Input/Camera/UIの設計は後から貼り替えが重いので、2冊目or3冊目で短時間でも予習しておくと未来が楽です。

余談:書店で「unityの教科書 unity 6完全対応版」「unity 本格入門」みたいな帯に出会ったら、目次の“一本道”と“ビルドまでの記述”だけ見て即決することがあります。
章の半ばで操作が止まらず、章末に“遊べる状態”が書いてあるやつは、たいてい当たりでした。
細部はアップデートに揺らいでも、一本道と到達点の設計は変わらないので。

まとめ:本は“戻れる地図”。最小コードで手触り→索引→また手触り

長くなりました。
結論はシンプルで、「本=戻れる地図」「最小コード=現在地の旗」。
買う前30分で地図の質をチェックし、買った日の90分で旗を立て、詰まった日の5分で逆引きを回す。
2D/3Dの最小レシピは、書籍の手順に“1行足す”だけで体験が前へ進みます。
断定はしませんが、わたしはこの回し方で積読を減らし、アウトプットの頻度が上がりました。

もし、動画やテンプレも混ぜて最短で一本走らせたい日があれば、教材とサンプルがまとまっているショップを併用するのも手でした。
必要なときだけ覗くスタンスで十分。
Unity入門の森ショップ

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