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grpc, rest, connect めも

2024/12/16に公開

gRPC, REST, Connectの比較

1. gRPC

Googleが開発した高速・効率的なRPCフレームワーク。

特徴

  • 通信プロトコル: HTTP/2
  • データフォーマット: Protocol Buffers(バイナリ形式)
  • ストリーミング: 双方向ストリーミングに対応
  • コード生成: IDL(Interface Definition Language)からクライアント・サーバーコードを自動生成
  • 主な利用シーン:
    • マイクロサービス間通信
    • リアルタイム通信(チャットやストリーミング)

メリット

  • 高速で効率的(バイナリフォーマットとHTTP/2による最適化)
  • 型安全でエラーが少ない
  • 多言語対応のクライアントコード生成が可能
  • 双方向ストリーミングをネイティブサポート

デメリット

  • バイナリ形式で可読性が低く、デバッグが難しい
  • ブラウザサポートが限定的(gRPC-Webが必要)
  • ラーニングコストが高い

2. REST API

Web通信で最も広く使われるアーキテクチャスタイル。

特徴

  • 通信プロトコル: HTTP/1.1またはHTTP/2
  • データフォーマット: JSON(またはXML)
  • ストリーミング: 非対応(必要ならWebSocketなどを追加利用)
  • コード生成: OpenAPI/Swaggerを利用可能
  • 主な利用シーン:
    • Webアプリケーションのバックエンド
    • 公開APIの提供(サードパーティ向け)

メリット

  • 普及率が高く、ツールやフレームワークが豊富
  • HTTPとJSONのため、デバッグが容易
  • ブラウザ対応がネイティブである
  • 学習コストが低い

デメリット

  • パフォーマンスが低い(テキスト形式やヘッダーオーバーヘッドが原因)
  • 型安全性が低い(JSONによる曖昧さ)
  • 双方向通信を行うには追加技術が必要

3. Connect

gRPCの代替/補完として登場した軽量なRPCフレームワーク。

特徴

  • 通信プロトコル: HTTP/1.1, HTTP/2, gRPC互換
  • データフォーマット: JSONまたはProtocol Buffers
  • ストリーミング: 双方向ストリーミングに対応
  • コード生成: Protobufからクライアント・サーバーコード生成が可能
  • 主な利用シーン:
    • gRPCの制約(ブラウザ互換性)を解消したい場合
    • RESTからgRPCへの移行

メリット

  • REST互換のシンプルさを保持しつつ、gRPCの利点を活用
  • Protocol BuffersとJSONの両方に対応
  • HTTP/1.1をサポートし、プロキシとの互換性が高い
  • 双方向ストリーミングに対応しつつ、ブラウザでも動作可能

デメリット

  • gRPCほどの高速性はない場合がある(使用するフォーマットやプロトコルに依存)
  • 新しい技術であるため、普及率がまだ低い

4. 比較表

特徴 gRPC REST API Connect
通信プロトコル HTTP/2 HTTP/1.1, HTTP/2 HTTP/1.1, HTTP/2, gRPC互換
データフォーマット Protocol Buffers JSON(またはXML) Protocol Buffers、JSON
ストリーミング 双方向ストリーミング対応 非対応(別途WebSocketが必要) 双方向ストリーミング対応
コード生成 Protobufから生成 OpenAPI/Swaggerが利用可能 Protobufから生成
パフォーマンス 高速 中程度(テキスト形式のため) 中〜高速(フォーマット次第)
ブラウザ対応 制限あり(gRPC-Webが必要) ネイティブ対応 HTTP/1.1互換でネイティブ対応
学習コスト やや高い 低い 中程度

5. どれを選ぶべきか

gRPCが適しているケース

  • 内部サービス間通信で高パフォーマンスと型安全性が必要
  • 双方向ストリーミングを活用したリアルタイム通信

REST APIが適しているケース

  • 公開APIを提供し、広く普及しているHTTP/JSONを活用したい
  • シンプルな設計と互換性を重視

Connectが適しているケース

  • gRPCの利点を活かしつつ、ブラウザやHTTP/1.1互換が必要
  • RESTからの移行や柔軟性の高いAPI設計が必要

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