Microsoft Ignite 2024の新発表【現地レポート】
はじめまして、ますみです!
株式会社Galirage(ガリレージ)という「生成AIに特化して、システム開発・アドバイザリー支援・研修支援をしているIT企業」で、代表をしております^^
この記事では「Microsoft Ignite 2024」における発表内容を解説します!
私自身、実際に現地のシカゴから聴いていたのですが、感動する発表がいくつかありました😢
筆者の感想
今回の発表を通して、筆者の感じたことは下記の通りです。
- Agentの領域における発表が多くあり、Copilotの中でも、Agentに注力をしていくことが示されました。
- これまで中々、生成AIの入りづらかった製造業に対する生成AI活用にも力を入れていくようなことが示唆されました。
- Igniteは、Buildの時よりも、ビジネスパーソン向けのプレゼンだった。
これ以降は、実際にキーノートで発表されていた内容について、解説をします。
詳細や正確な情報は、下記の動画を実際にご覧ください◎
イントロダクション
最初のイントロダクションでは、より複雑な課題を解いていくためには、以下の3つの要素が必要だと話していました。
- Universal interface
- Reasoning & planning
- Memory & content
そして、"Building an agentic world" を作るという世界観を示しました。
これ以降は、次の3つのテーマについて、解説していくという目次を示しました。
- Copilot
- Copilot devices
- Copilot & AI stack
さらに、これらのベースには、セキュリティがあり、"Secure Future Initiative"をリードしていくということや、"Zero Day Quest"という新しい発表をしました。
「Zero Day Quest」は、クラウドとAI分野を重点に置いた最大規模のハッキングイベントです。最大400万ドルの賞金が用意されています。
サティアさんがセキュリティはチームスポーツであると重要性も話しました。
Security is fundamentally a team sport.
1. Copilot
Copilot is the UI for AI
Copilotは、AIを扱う上でのUIになる。
そんな話をしていました。
全ての業務がCopilotのウェブ画面上だけで完結をする。
そんなデモをしていました。デモでは、複数のプラットフォーム上の情報をCopilot上で分析をしたり、ドキュメント化するような様子を見せていました。
これは、この後の「Windows 365 Link」の話とも密接に関わります。
ちなみに、基本的に、全ての話がCopilot for M356の話でした。
昨年と比較して、2倍レスポンスが早くなり、3倍満足度が高くなったという話も別のセッションではされていたほど、成長していました。
個人的にすごい面白いと思った機能は、Copilot in Teamsにおける、"Screen understanding"です。
これは、画面上の映像をCopilotがTeamsの画面共有されている内容を理解できるようになった機能です。
また、特定の言語を指定すると、他の人が別言語(英語やスペイン語やドイツ語など)で話していると、自動で指定した言語に翻訳してくれる機能も発表されました。
これは、"Interpreter agent (Public Preview)"という機能です。
さらに、"Copilot Actions"が発表されました。
そして、"Copilot Analytics"のGA化も発表されました。
Copilot Analyticsは、Copilot for M365のダッシュボード機能で、ROIの計測をしたりできます。
2. Copilot devices
これまで、「Copilot + PC」を提供してきました。
ここで最も大きな発表は、"Windows 365 Link"です。
Windows 365 Linkは、クラウド駆動型のデバイスで、M365のアカウント(Enterprise / Frontline / Business)があれば、すぐ利用できるそうです。
特徴は、次の3つです。
- Simple
- Secure
- Purpose-build
2025 Aprilから利用開始されるそうです。
3. Copilot & AI stack
まずインフラレイヤーの発表として、以下のような発表がされました。
- Azure Local
- Azure Integrated HSM
- Azure Boost DPU
- NVIDIA Blackwell on Azure
- Azure HBv5
- Azure eMaia
そして、ものすごい大きな発表として、"Fabric Databases"でした。
Fabric Databasesとは、Fabricに最適化されたデータベースです。
新しすぎて、実態が掴み切れないですが、プレビューとしてオープンになりました!
最後に、アプリケーションのレイヤーです。
最も大きな発表とも言えるのが"Azure AI Foundry"です!
一見、新しいサービスのように見えますが、実態としては、Azure AI Studioとほぼ同じような機能なことが見込まれます。
違いとしては、"Azure AI Agent Service"という新しい機能が追加されている点と開発ツールもこのエコシステムの中に組み込まれているという点があります。
VS Code上で、複数のモデルを比較できるように実行するデモが見せられたり、新しいモデルに対応したりするような発表がされたりもしました。
さらに、"AutoGen"や"Semantic Kernel"をプラットフォーム内で利用できるようになる話もあり、少しだけLangChainから脱しようとしている雰囲気もしました。
また、"Risk and safety evaluation for Image"という発表がされました。
これは、生成AIの生成物に対する安全性の評価は、これまで文章にしかされてきませんでしたが、画像にも対応したという内容になります。
その他にも製造業や製薬業での活用事例が発表されたりしましたが、メインの発表内容としては、以上になります。
最後に
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
この記事を通して、少しでもあなたの学びに役立てば幸いです!
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