よく分かるAdyton解説 〜超概要編〜
この記事は 株式会社ガラパゴス(有志) Advent Calendar 2025 の 17 日目です。
モバイルアプリエンジニアの務台です。
この度来年1月よりガラパゴスのAI機能の基幹にある Adyton というシステムの開発に関わることとなりましたので、自身の学習(と宣伝)を兼ねて紹介します。
Adytonとは?
AIに関して あらゆる基盤モデルを供給する“水道の蛇口”のような企業インフラ を掲げ、誰でも簡単にAIを使うことができるようになることを目指して開発を進めています。
現在ガラパゴスではAIR DesignというAIをフル活用したサービスを展開しておりますが、それを支えるシステムとして、裏側でLLMの呼び出しや管理をするためのシステムとして Adyton が存在します。
一般のユーザーが直接目にする機会は無いかと思いますが、AIを活用したサービスを提供する上で非常に重要な役割を果たしています。
Adytonという単語は聞き馴染みがないかと思いますが、これは古代ギリシャ語で神殿の聖域や神像が安置される場所を意味します。
各種LLMを神とし、それらを司る場所としてAdytonと名付けられています。
イメージは多分こんな感じですね。

何が嬉しいのか
普段AIを使っている方は以下のような課題を感じたことはないでしょうか。
- RateLimitに引っかかってしまいタスクが中断されてしまう
- 利用料金の把握が難しい
- 複数のAIモデルを使い分けるのが大変
- APIキーの管理が煩雑になる
Adytonはこれらの課題を解決するために設計されたシステムです。
以下のようにユーザ側のシステムと各種LLMの間にAdytonが入り込み、その橋渡しをする役割を担っています。

Adytonの主な機能としては以下のようなものがあります。
ロードバランシング
AdytonはAzureやBedrockといったリージョンを指定してLLMを呼び出すことができるLLMプロバイダを使用することができます。
これらのプロバイダに対してAdytonは自動的にリージョンを切り替えながらリクエストをすることにより、高可用性を持つサービスを提供しています。
コスト管理
Adytonは各種LLMを利用するためのAPIキーを一元管理しています。
これにより、通常であれば各所のプロバイダに分散してしまうLLMの利用状況をAdyton内部で集約することができ、一元的なコスト管理が可能となります。
モデルの抽象化
Adytonは複数のLLMを共通のインターフェースで扱えるように設計されています。
そのため、ユーザは特定のプロバイダのインターフェースに依存しない形でLLMを利用することができ、容易にモデルの切り替えが可能となります。
これらの機能により、直接LLMを利用する場合に比べてより簡単に、安定的にAIを活用することができるようになります。
おわりに
ということでAdytonの超概要でした。
内部的なことは何も書けてない(というか私が知らない)ので、今後理解を深めつつ技術的な内容も紹介していければいいな〜と思っています。
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