「2025年の崖」についてわかりやすく解説
0.はじめに
マイクロサービスが求められる背景のひとつに、「２０２５年の崖」という問題があります。
今回は、この「２０２５年の崖」とは何かをわかりやすく解説します。
1.「2025年の崖」とは何か？
- 「２０２５年の崖」とは、２０１８年９月、経済産業省が発行したDXレポートの副題の一部。
- 今後DXを怠った場合、２０２５年以降日本全国で最大年間１２兆円の経済的損失を被るとしており、この損失に象徴される諸問題のことを２０２５年の壁と呼んでいます。
2.なぜ「2025年の崖」が出現するのか？
DXレポートによると、IT業界や事業会社における人材不足が、技術面、投資面、ひいてはビジネス麺に悪影響を及ぼし、経済的損失を招くとしています。
引用元：なぜマイクロサービスがDXにとって重要なのか？ 2025年の壁と技術的負債を乗り越えるために|CodeZine（コードジン）
この中でも、特筆すべき問題が技術的負債です。
2.1.技術的負債とは何か？
ITシステムに抜本的な変更／保守を加えず塩漬け運用した場合、未適用の製品／技術が徐々に累積していきます。このように累積された未適用の製品／技術のことを技術的負債と呼びます。
＜技術的負債のイメージ＞
引用元：なぜマイクロサービスがDXにとって重要なのか？ 2025年の壁と技術的負債を乗り越えるために|CodeZine（コードジン）
＜技術的負債による問題点＞
- 技術的負債が大きくなると適用すべき製品／技術が増え、IT技術者のスキルアップの負担も増えることから、ITシステムのモダン化に際して工数面／コスト面の負担が増大。
- 現行ITシステム運用でIT予算を使いつくし、先進的なITへの投資ができないという状況に陥る。
- 先端技術に関するスキル不足はビジネスの競争力低下の要因に。
このような構造的な問題が相まって、2025年の崖が生じるのです。
3.DX実践に向けて現状打破のための解決策
DXレポート内では、現状打破するための解決策についても提示しています。その中でもITに密接に関係する3つの技術方針について解説します。
＜技術方針イメージ＞
引用元：なぜマイクロサービスがDXにとって重要なのか？ 2025年の壁と技術的負債を乗り越えるために|CodeZine（コードジン）
- 投資面：ITインフラストラクチャ標準化
- 技術面：マイクロサービスでアプリケーションをモダン化
- 人材面：システムデリバリー改革
3.1.投資面：ITインフラストラクチャ標準化
引用元：なぜマイクロサービスがDXにとって重要なのか？ 2025年の壁と技術的負債を乗り越えるために|CodeZine（コードジン）
- 最新テクノロジーを用いてインフラストラクチャの標準化を図り、環境構築／運用の効率化とスピードアップを目指す。
- 具体的には、標準的なテクノロジーとしてコンテナによる仮想化を検討。
- コンテナとKubernetes等のコンテナオーケストレーションによってインフラストラクチャを構築／運用することで、クラウドベンダーを問わずベンダーロックインフリーの共通基盤を実現する。
3.2.技術面：マイクロサービスでアプリケーションをモダン化
引用元：なぜマイクロサービスがDXにとって重要なのか？ 2025年の壁と技術的負債を乗り越えるために|CodeZine（コードジン）
- マイクロサービスと、DevOpsを採用することで、アプリケーションのモダン化を進める。
- アプリケーションの開発／変更をスピードアップ。
- 最大限の自動化によりミスを減らしアプリケーションの品質向上を目指す。
3.3.人材面：システムデリバリー改革
引用元：なぜマイクロサービスがDXにとって重要なのか？ 2025年の壁と技術的負債を乗り越えるために|CodeZine（コードジン）
- SIer依存の因習を打破し、スピーディでダイナミックなITシステム開発／運用の実現が不可欠。そのため、ITシステム開発／構築の内製化を目指す。
- ただし内製化には様々な課題があり時間が掛かるため、内製化は中長期にわたる目標とするのが現実的。
- 短期的には、SIerとの契約形態の見直しと社内IT技術者の育成に投資すべき。
4.さいごに
なぜマイクロサービスが進んでいるのか背景を知ることで、その必要性と緊急性を認識することができました。また、個人的にも技術的負債を積み重ねないように継続した学習が必要だと感じました。
参考サイト・書籍
経済産業省：DXレポート ～ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開～
絵で見てわかるマイクロサービスの仕組み本
なぜマイクロサービスがDXにとって重要なのか？ 2025年の壁と技術的負債を乗り越えるために|CodeZine（コードジン）
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