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【ゼロからわかる】マルチクラウドとは

2024/08/11に公開

0.はじめに

マルチクラウドの基礎知識と共に、混同されがちなハイブリッドクラウドとの違いについて、解説します。

本記事をお読みいただくと、以下を知ることができます。

  • マルチクラウドの定義
  • マルチクラウドとハイブリッドクラウドとの違い
  • マルチクラウドのメリットと検討ポイント

では、次の章から具体的な解説を進めます!

1.マルチクラウドの定義

マルチクラウドとは、複数のクラウドサービス(パブリッククラウド)を組み合わせた利用形態を指します。

クラウドは、クラウドベンダーが提供するサービスを利用する「パブリッククラウド」と、自社で構築して専有する「プライベートクラウド」に大別されます。

パブリッククラウド プライベートクラウド
クラウドサービス提供事業者が構築したクラウド環境を、他の利用者と共同利用する利用形態 専用のクラウド環境を構築し専有することができるクラウドサービス

マルチクラウドとはこのパブリッククラウドを複数利用し、環境を構築・運用することを指します。

2.マルチクラウドとハイブリッドクラウドとの違い

マルチクラウドと混同されるキーワードとして、ハイブリッドクラウドがあります。

どちらも二つ以上のクラウドを組み合わせる点は共通していますが、以下のような違いがあります。

マルチクラウド ハイブリッドクラウド
複数のパブリッククラウドを組み合わせて利用 パブリッククラウドとプライベートクラウド、オンプレミスなど異なるタイプのサーバやサービスを組み合わせて利用

大きな違いは、プライベートクラウドやオンプレミスを組み合わせるかどうかです。

パブリッククラウドと比較すると、プライベートクラウドやオンプレミスのほうがセキュリティ面で優れています。

そのため、顧客情報の保管・開示を行うシステムにおいてはハイブリッドクラウドを選択することも多いです。

3.マルチクラウドのメリットと検討ポイント

マルチクラウドを活用することで得られる一般的なメリットと検討ポイントについて、見ていきます。

  • ディザスターリカバリや可用性の向上
  • コストの最適化(ベンダーロックインの回避)
  • スケーラビリティの確保

3.1.ディザスターリカバリや可用性の向上

障害や災害など、不確実なタイミングで必要となるインフラリソースの維持コストをクラウド利用によって最小限に抑えつつ、単一プロバイダ利用によるリスクを可能な限り排除することができます。

ただし、どのクラウドサービス上であっても、アプリケーションの運用がクラウドサービスに依存することなく、即座にアプリケーションを展開できるようにしておく必要があります。

3.2.コストの最適化(ベンダーロックインの回避)

システムにとって最適なクラウドサービスを選択する場合に、複数サービスを併用することで費用対効果をさらに高めることができます。

ただし、継続的にクラウドを選択していくために、マネージドサービスやストレージといったクラウドサービスの代替や移行が難しいものへの対策を検討する必要があります。

3.3.スケーラビリティの確保

リソースが限定されている環境に、リソースの柔軟性を持たせることができます。

ただし、サービスを併用するクラウド環境へスケールするために、サービスやそのコンポーネントの互換性、ネットワーク接続方法や安全性を確立する必要があります。

3.4.主な検討ポイント

以上のことをまとめると、マルチクラウド戦略では以下共通的に検討すべきポイントがあります。

  • アプリケーションの移行のしやすさ
  • サービス運用手段の共通化
  • 特定クラウドサービスへの依存度の低減

ただ単にこうすればいいという答えはなく、設計と開発の推進要因、既存のシステムから生じる可能性のあるアーキテクチャの制約などを考慮する必要があります。

まずは、現在の環境をマルチクラウドへ移行する理由、マルチクラウドで最適化する主な指標、組織でマルチクラウド構成を使用するための長期計画と目標を明確にすることから始めましょう。

4.おわりに

今回は、マルチクラウドの基礎的な内容を理解するために、以下を学びました。

  • マルチクラウドの定義(複数のクラウドサービス(パブリッククラウド)を組み合わせた利用形態)
  • マルチクラウドとハイブリッドクラウドとの違い(プライベートクラウドやオンプレミスを組み合わせるかどうか)
  • マルチクラウドのメリットと検討ポイント(アーキテクチャや運用の課題を検討することが重要)

今後も技術的な解説記事を投稿していきたいと思います。

おわりっ!

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