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MVPフェーズのVibe Codingと技術選定について ── 最短アウトプットのための実践ガイド
最短で価値仮説を検証したいとき、必要なのは“丁寧な完璧さ”ではなく“荒削りでも出す勇気”。この記事では、MVPの現場で実際に効いた意思決定軸と、Vibe Codingでプロダクトを「今日出す」ための実装ガイドをまとめます。
TL;DR
- MVPは速度が価値。"最短で出す"が最優先。
- too muchに保守的になっていないかを常に疑う。
- 重い機能は後回し。核を最小限で届ける。
- **SaaSとMCP(外部機能ハブ)**で車輪の再発明を避ける。まずは既製品でつなぐ。
- “核”以外は削る。ムラ/トゥーマッチを排除して検証に集中。
なぜMVPは保守的になりがちか(そして何を捨てるべきか)
最近のLLMやクラウドは“安全側”に倒しやすく、結果として慎重ゆえの過剰設計に陥りがちです。そのまま重装備化して、出す前から速度を失い、検証機会を逃します。
MVPで大事なのは核(価値仮説)を検証する最短経路。それ以外はムラ(無駄)です。保守のための保守、将来かもしれない要件、コンフォートのための抽象化は削りましょう。
MVP 7ヶ条
- 最短で出す(今日出せる形に分割する)
- “核”以外はやらない(機能優先度はMust以外を切る)
- 既製SaaS+MCPで繋ぐ(再発明しない)
- PIIを持たない設計(扱うならMVP外)
- コスト上限と失効可能キーで“現実的”に守る
- LLMは“必要になってから”入れる
- 市場検証(LP/クリエイティブ/フェイクドア)に全振り
リスクマネジメント:MVPの現実解
最小セットで十分な対策
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APIキー
- 取得権限を最小化(読み取り専用・特定エンドポイント限定・レート/課金上限)
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.env/ 環境変数で保持(リポジトリ直書き禁止) - 万一の露出でも即失効・ローテーションできる体制
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コスト上限
- ベンダー側のハード上限/クォータ設定、予算アラート
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ログと観測
- 叩かれたら気づける基本ログ(IP/パス/回数)
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扱わないと決める
- PIIはMVP外。サンプル/疑似データで検証
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撤退条件
- CTRやCVRの閾値を事前に宣言して打ち切る
ポイント:**「完璧に守る」ではなく「即時失効・上限・観測」**で、被害×露出期間×範囲を小さく抑える。もしくは“扱わない”。
SaaS × MCP:車輪の再発明をしない
- 認証/決済/フォーム/DB/メール配信などは既製SaaSを優先。
- MCPサーバーは“外部サービスのハブ”。自前実装せず既存APIを繋ぐ導線に徹する。
MVPアーキテクチャ例(静的サイト寄せ)
- フロント:Netlify(React + Vite)
- バック:必要最小のNetlify Functions(Node)
- 保存先:Airtable / Supabase / Notion API(スキーマ軽量)
- フォーム:Netlify Forms あるいは Google フォーム
- 配信:Zapier / Make でノーコード連携
- 鍵:Netlify env + ベンダー側クォータ/ロール
最初は外部に寄せ切る。耐用年数が見えたときにだけ内製へ寄せる。
実装の勘所:Vibe Codingで“今日出す”
- UIは最小限の一枚絵(LP + 1フォーム + 1結果画面)
- 状態はローカルで持つ(まずはページ内/URLパラメータで十分)
- 失敗を恐れない(失効キーと上限があれば壊滅はしない)
- データは軽く扱う(PIIを持たず、外部ストレージに逃がす)
- LLMは必要な一点にだけ差す(体験の核以外には入れない)
検証ファースト:市場からの逆算
- フェイクドア/LPで仮説検証の母集団を確保
- CTAのCTR/CVRを主要KPIに設定
- 3〜7日で判断できる粒度に分割
- うまくいったら次の一手を一つだけ足す(広げない)
まとめ
MVPでは「作り込み」より「接続」と「観測」。SaaSとMCPで外部機能を束ねて、核だけを最短で届ける。守りは即失効・上限・観測で現実解に倒す。速度を価値に変えるために、“今日出す”を習慣化しましょう。
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