長期サポート (Long Term Support) となる .NET 6 - 今こそ移行すべきか?
こんにちは!
昨年 .NET ファミリーを統合するためにリリースされた .NET 5 ですが、サポート期間が1年間しか設けられておらず、.NET 5 への移行を見送っていた方々に朗報です。
ついに LTS (Long Term Support) の .NET 6 が 2021年11月8日 (月) にリリースされます。
今後、.NET 6 以降 の偶数バージョン (例 .NET 6 / .NET 8 / .NET 10...) に対して、最初のリリースから LTS (3年間のサポート期間) が設けられます。
LTS とは、対象 OS で動作する為のサポートが提供されます。詳細は以下のサポートポリシーをご参照ください。
本記事では、改めて .NET 6 へ移行すべきか?についてお話したいと思います。
結論として移行を始めても良い
デスクトップアプリケーション (WPF / Windows Forms) 、ウェブ (ASP.NET MVC) に関する .NET 6 の変更内容を見ても、機能改善、不具合ともに積極的に対応されているので .NET 6 をターゲットに移行を始められても良いかと思います。また、補足情報ですが、既に弊社のお客様で .NET 5 へ移行されている方もおりますが、致命的な不具合に関するご報告もお聞きしないので .NET 5 (.NET 6) は優秀なのだなと感じております。今後も積極的な機能改善を期待したいですね。
但し、Xamarin に関して、正確には .NET 6 ではなく .NET MAUI ですが、2021年11月時点では対応されず、2022年第二四半期に先送りになってしまったので、もう少し様子を見た方が良いかなと思います。
.NET 6 の 大まかなアップデート内容
本記事では、NET 6 自体の新たな更新内容についての詳細は言及しませんが、ファイル操作のパフォーマンス向上や、既存の不具合修正が行われています。
詳細は、以下の記事などをご閲覧ください。
.NET Framework のまま、移行しないと問題になりうるシナリオ
改めて .NET Framework のままだと、どんな問題が起こりえるのか? 考えてみます。
まず .NET Framework は .NET 6 がリリースされても、引き続きサポート対象となっています。
但し、不具合修正やセキュリティに関する修正などは行われますが、新機能の追加は厳しいかと思われます。
では "新機能” の追加について、どういったものが想定されるでしょうか? 以下に幾つか例を挙げてみます。
新しい通信規格 (HTTP/3) の対応
2015年に登場した HTTP/2 は、まだ記憶に新しいかと思いますが、更なる最新の技術仕様として HTTP/3 が承認されました。
.NET 6 以降の HTTP/3 サポートについて、以下の記事で言及されています。
NET Framework でも、対応パッケージを導入すれば通信できる可能性は高いかと思われますが、仮に .NET Framework で何らかの不都合が発生する可能性も、移行しないリスクとして見据える必要があります。
OS (Windows) の新しい入力インターフェースの可能性
今では一般的となったタッチパネルによるデバイス操作も、昔はありませんでした。
Windows OS のタッチ操作は、OSのアップデート、および、 .NET Framework のバージョンアップにより、サポートされるようになりましたが、今後、新たな入力インターフェースが登場してきた場合、.NET 6 のみ更新対象として .NET Framework のままだと、サポート出来ないリスクが想定されます。
OS (Windows) の新機能サポート
入力インターフェースと似た話ですが、OS の新規機能についても同じようにリスクがあります。
例えば、 Windows 11 では、Android アプリが動作できる事が話題となりました。Android アプリ & Windows 間の連携が当たり前になった未来が来るかもしれません。
将来的に Android と連携する要望が挙がった際に .NET Framework では API が対応できず .NET 6 でのみサポートとなるかもしれません。
まとめ
.NET 6 のリリースに伴い、いよいよ移行を開始される開発プロジェクトも多いかと思います。
移行をサポートする .NET アップグレードアシスタント というツールもありますので、是非ご活用ください。
また、すぐに移行しない場合でも、.NET Framework のままのリスクも検討しつつ、必要であれば早めに計画し、準備を進めていきたいですね。
弊社では、移行に関するような技術的なご相談なども受け付けておりますので、ご興味がある方はこちらからお気軽にご相談ください。
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