技術書典16オフライン会場に出展しました!(頒布部数情報あり)
今回「熊本技人舎」名義で5/26(日)の技術書典16オフライン会場に出展してきました!
初参加でありながら新刊2冊を書くという荒業をやったせいで、入稿・印刷まで持っていくのが大変でした(自業自得)。しかし努力の甲斐あってか、オフライン開催当日はおかげさまでいろいろな人に手に取ってもらって相当数を頒布することができました。
テーマ選びについて
今回のテーマ選びの方針は「ブルーオーシャン戦略」です。今までの技術書典でカバーされていなかったところに焦点を当てて尖った技術同人誌を書こうと考えました。
上記の内容は『技術同人誌を紹介LT会』のプレゼン資料のものです。
出展までの準備
今回の2冊の新刊執筆にあたっては、ほぼ1人で執筆・表紙データ・イラスト作成作業を行っていました。校正作業のみ、前職で同僚だったエンジニア1名に手伝ってもらいました。
印刷時の早割を効かせるために、オフライン開催の3週間以上前までに原稿を仕上げる必要があったのでなかなか大変でした。
1冊目 ... 英語ガチ勢エンジニアになる方法
スケジュールとしては早め早めを意識していました。技術同人誌を出してみたい!という気持ちが強く、執筆は技術書典15が開催されていた頃から開始していました。
すでに昨年12月末時点で原稿の大部分は出来上がっており、開催まで5ヶ月あるし余裕でしょ!と思っていたのですが、あとから加筆したい項目が出てきたり、校正作業の期間で2ヶ月かかってしまったりと思ったほど余裕は持てませんでした。最終稿に近いものが書き上がったのは3月中旬頃でした。
2冊目 ... PowerShell Daily Recipe Book
昨年9月頃からPowerShellについてのサンプルを個人的に作成しており、最初はGitHub上のリポジトリ上にツール集として公開するに留めるだけの予定でした。
ただ、PowerShellで書いたツールが思った以上に使えることがわかり、技術書典で技術同人誌としてPowerShell本を出そう!と思い立ったのが、「英語ガチ勢」の執筆の終わりが見えてきた昨年12月頃でした。
そこから本の形にするにあたって、3ヶ月ほどかけて文法解説部分の執筆とサンプルコードの整備をして、4月末頃にやっと最終稿が書き上がりました。2冊目の本ではイラスト作成をすると決めており、イラストの線画作成・色塗り・仕上げまで含めてすべて自分一人で完成させました。
今回は初めてペンタブ(※XPPen製の板タブ)を使ってフルカラー絵を仕上げましたが、ペンタブとCLIP STUDIOの使い方にかなり苦戦しました。2週間で累計40時間以上かけて、やっと5月上旬のGW中に表紙データを仕上げることができました。
オフライン開催当日の頒布部数
コロナ禍以降は来場者数は順当に回復してきているようで、来場者数は2,600人でした。ブースに立った感じでは、今回の来場者数のピーク時間帯は12:00~14:00あたりだったようです。
当サークルの1時間ごとの頒布部数は以下の通りでした。
時間帯 | ①英語ガチ勢 | ②PowerShell | ①+②の合計 |
---|---|---|---|
11:00- | 14 | 7 | 21 |
12:00- | 21 | 5 | 26 |
13:00- | 30 | 9 | 39 |
14:00- | 9 | 10 | 19 |
15:00- | 10 | 4 | 14 |
16:00- | 4 | 6 | 10 |
合計 | 88 | 41 | 129 |
多くの方に購入いただき感謝しきりです。
幸いなことに技術書典公式アプリによる「かんたん後払い」の利用が浸透していたため、サークル側として決済時のオペレーションで困る場面はありませんでした(技術書典運営のエンジニアの方々、本当にありがとうございます)。現金のやり取りは全体を通して2件あっただけでした。
オンラインマーケット上も含めた売上や出展までにかかった費用の詳細については、後日紹介したいと思います。
オフライン開催を終えての感想
オフライン開催は本当にあっという間でした。
開催当日に発生したトラブルとしては、事前申込したつもりの完全手ぶらセットが自分のブースの机に置かれていなかったこと、また事前印刷したA3サイズのお品書きを家に置き忘れたのに気づいてセブンイレブンに駆け込んだことくらいでしょうか(会場のすぐそばにセブンイレブンがあるので安心です)
それ以外については備品不足もなく事前想定通りのブース設営ができました。運営提供の「完全手ぶらセット」のテーブルクロス・シール・プロフィール帳もしっかり活用しました。
開場後は当サークルのブースに立ち寄って見本誌を手にとってくれる方が多く、ピーク時間帯は休む間もなかったほどです。15:00を過ぎて会場が空き始めてきた時間帯には、X(Twitter)上で知り合った方のサークルもいくつか回ることができました。
1冊目『英語ガチ勢エンジニアになる方法』について
これまでの技術書典では手薄だった英語学習の本を出すことができ、皆様のおかげで頒布部数は相当稼げたかなあと思います。訪問者数のピークを迎えた12:00過ぎの時間帯は見本誌を見たい方が多く出たため、見本誌3冊体制にしたほどでした。
英語学習の情報をマネタイズしようと情報を小出しにしがちなブロガー・インフルエンサーへのアンチテーゼとして、本書では1冊に自身の経験や知識をできるだけ盛り込みました。商業誌では出せないレベルの詳細な話まで踏み込んだお買い得な1冊に仕上がったと自負しています。
とはいえこの本に書いてある要求内容が全体的にストイックかつハードなので、オフライン会場で見本誌を見て「さすがにそこまでは・・・」と買うのを尻込みした人もいたのかなと思います。
今回の技術書典では当サークルの他にも英語学習の話題を扱ったサークルが2つあったようで海外生活・英語学習に関する情報が欲しかった人にとっては、よいイベントになったのではないかと思います。
2冊目『PowerShell Daily Recipe Book』について
PowerShell本に至っては技術書典では長らく頒布されておらず、マーケット上でも全く電子書籍の取り扱いがない状態だったため、このテーマを選んだとして本当に需要があるのか?という不安はありました。
しかし実際に仕事でPowerShellを使うからという理由で本を買う方も割と見かけたので、PowerShell本にも確実に需要はあるということが判明したのは個人的に大きな発見でした。
本の内容に関しては、PowerShell文法&機能解説の部分までは既存の技術書フォーマットに寄せて真面目に書いていましたが、サンプルコードの方は「ヒャアがまんできねぇ」と心のBIGBOSSが暴れた結果、自分の趣味全開&やりたい放題の仕上がりとなっています。
こんな振り切った本を売っちゃって大丈夫かな?と書いた本人が心配する始末でしたが、オフライン会場で「こういう本を待っていたんです!」とまで言ってくださった方もおり、ニッチながらも少しは刺さる本をお届けできたんだなあと非常に嬉しく思いました。
当日お買い上げいただいた方々、本当にありがとうございました。
湊あくあ(あくたん)について
オフライン開催当日は、なぜPowerShell本表紙のキャラが「湊あくあ(あくたん)」なのか?という質問を2回ほどいただきました。
これは自分自身がホロライブのファンなのでそれを押し出していきたいという理由に加えて、地味な存在のPowerShellを扱った本だからこそ表紙絵くらいは華やかにして表紙買いしてもらえるような仕上がりにしたい!という考えがあったためです(※ガイドラインで個人での2次創作が認められているのも助かるポイントでした)。
今後書く同人誌でも何冊かホロライブのメンバーを表紙キャラクターとして採用する予定です。自身はホロライブの箱推しなので、できるだけいろいろな人を出していきたいです。
今後の活動の展望
今後も半期に1冊のペースで技術同人誌を書いていけたらいいなと思っています。
技術同人誌を書いてみて、自分のやりたいことと大衆受けするテーマ選びのバランスを取るのが難しいなと感じていますが、このあたりをうまくやりながら長く続ける道を探ろうと思っています。
今回は、表紙デザイン・イラストを外部のイラストレーターに頼むことはしませんでしたが、高いクオリティを確保するのには他の人の助けが必要だと痛感しました。
次回の作品ではイラストレーターの方に表紙絵を頼んで、自身は挿絵だけ担当する形がいいかなあと考えています。いつかはもっと高いクオリティの表紙絵を自力で仕上げてみたいですね。
おまけ
当日のブースの様子
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