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コミケ105初出展の感想と収支報告

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はじめに

ついに、本サークルではコミケへの初出展を果たしました。ちょうど1年前は一般参加の立場で、「来年はサークル参加」と意気込んできたのですが、ついに達成できたことになります。1年間に3冊も技術同人誌を出すことができたので、かなり生産性のある1年だったなぁと感じるところです。

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メロンブックスでの英語本の取り扱いを始めました。PDF形式の電子版はこれまで通りBoothや技術書典のサイトから入手できますが、物理本についてはメロンブックスのみ取り扱いとなります。

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2738527

Webカタログについて

もともと自分のサークルは活動開始して日が浅く、知名度が低いため商品をアピールできる数少ないチャンスとして、Webカタログの記入に関しては結構頑張りました。一方で他のサークルでは頒布予定の本の説明に力を入れているところは少ないな、と感じました。


サークルのお気に入り数について

最初のカタログ公開直後の3日間で、お気に入り数が5に到達したあとそれ以降の伸びはかなり緩やかでした。急激にお気に入り数が増えることはなく、コミケ開催2週間前でやっとお気に入り数10、12/30当日のお気に入り数は16でした。この調子で当日は頒布数が稼げるのかという点で不安も感じました。

結論から言えば、お気に入りがこのくらいでも問題なく頒布数は伸ばせました。2spを取ったことによってお誕生日席の配置となって人目につく場所であったこと、そして当日ブースの近くを偶然通りがかって本を手に取ってくれた人も割といたようでした。

サークルの配置はもちろんですが、頒布する本の表紙・内容が重要であり、Webカタログのお気に入り数を必要以上に気にする必要はないのかなという感想を持ちました。


頒布部数の集計結果

コミケでは技術書典のように電子版を配布する仕組みがないため、個人的にDLカードを別途準備して本をお買い上げ頂いた方にセットで渡していました。

全体の頒布数

  • 頒布総数 ... 98冊
    • 既刊①: 英語ガチ勢エンジニアになる方法 ... 50冊
    • 既刊②: PowerShell Daily Recipe Book ... 31冊
    • 既刊③: 自分でつくる!電帳法対応タイムスタンプツール ... 17冊
名称 販売形式 頒布数
既刊① 英語学習本 本+DLカード 50
既刊② PowerShell本 本+DLカード 29
既刊② PowerShell本 DLカードのみ 2
既刊③ タイムスタンプ本 本+DLカード 17

途中でPowerShell本の在庫が切れてしまい、DLカードのみの販売となりました。以前から判明していたことではありますが、あくたんを表紙にした効果はかなりあるようで、技術書典16/17のときからPowerShellという比較的マイナーな分野でありながら頒布数が稼げていました。

PowerShellを勉強したいが本があまり出ていないことを理由に買っていかれる方も少なからずいましたし、少数ながらあくたんを見て表紙買いしてくれる方もいました。ただ、本の中身はガッツリ技術寄りなので、そうした人たちの期待に添えたかどうか自信がありませんが・・・

頒布数の時間帯別

10:00以前の段階で他サークルの人が本を買いに来てくれました。自分のところは設営で手一杯で他のサークルに挨拶に行く余裕がなかったのですが、このようにかなり早い段階で頒布が入る場合もあるようです。

今回のコミケ2日目ではVTuberが東7ホールだった関係で、午前中は東側に人が集中していたように感じます。自分もVTuberジャンルのサークルを目指して開幕ダッシュで東7ホールに行きましたが明らかに混み方が違いました。

やはり西2ホールの同人ソフト島の本番は12:00以降という感じです。ここを過ぎたあたりから段々と人通りが多くなりコスプレ組と思しき人達がスーツケースを引いて通路を続々と通り過ぎていきました。全体を通しての混雑のピークは13:30~14:00の時間帯だったように感じました。

15:00くらいでも人通りはあまり減らず、本も順調に捌けていきました。ただし15:30を過ぎたあたりになると急激に撤収ムードが強くなりました。見本誌を立ち読みしてくれる人も多少いましたが、確認程度といった感じで頒布にはつながりませんでした。

時間帯 ①英語ガチ勢 ②PowerShell ③タイムスタンプ 合計
-10:30 2 - - 2
10:30-11:00 1 1 - 2
11:00-12:00 5 6 6 17
12:00-13:00 12 8 2 22
13:00-14:00 8 8 3 19
14:00-15:00 14 8 4 26
15:00-16:00 8 - 2 10
合計 50 31 17 98

印刷所・印刷部数

3種すべての同人誌が技術書典17(11/2開催)の段階で印刷完了していたので、新たに冬コミ向けに同人誌を印刷することはありませんでした。

しかし、同人活動用の名刺・DLカードさらに冬コミ当日用のポスターを新たに印刷する必要があり「ラクスル」と「キンコーズ」を活用することにしました。

名称 印刷所 形態 枚数 金額 備考
同人活動用名刺 ラクスル 通常サイズ名刺/オンデマンド 100 741 名刺印刷
英語本/DLカード ラクスル 名刺サイズ/オンデマンド 200 1,867 カード印刷
PowerShell本/DLカード ラクスル 名刺サイズ/オンデマンド 100 2,867 カード印刷
タイムスタンプ本/DLカード ラクスル 名刺サイズ/オンデマンド 100 (※上と合算) カード印刷
ポスター印刷 キンコーズ A1/セルフポスター印刷 1 2,250 キンコーズ秋葉原店利用

ラクスルの名刺・カード印刷について

今回はじめてラクスルを使ってみたのですが、名刺の印刷に使う場合はかなり安く済みます。3営業日待つので良ければ配送料含めても700円あまりで名刺100枚を印刷できます。印刷の仕上がりを見る限りでは、微妙な色味にこだわった名刺でもなければ、必要十分な品質であると言えそうです。

https://raksul.com/

キンコーズのセルフポスター印刷について

費用を抑えるため、A1ポスター印刷にはキンコーズ秋葉原店のセルフポスター印刷サービスを利用しました。

https://www.kinkos.co.jp/service/self-poster-printing/
(※セルフポスター印刷は、東京都内の一部店舗等で利用可能です。)

事前に印刷対象となるPDF形式のファイルをUSBメモリに入れて持って行く必要はありますが、かなり手軽にポスター印刷できます。PC使用料が不安に感じられますが、実際の手順は非常にシンプルなので印刷データがPDF形式でありサイズに間違いなければほぼ心配はありません。

動画をみて事前に印刷までの手順を予習することもできます。
https://www.youtube.com/watch?v=oXkFhkqfjAE

ちなみにキンコーズ秋葉原店ですが、ポスター印刷したのがコミケ2日目前日の12/29だったため、コミケへのサークル参加者と思しき人たちで店内が埋まっていました。

美少女絵のコピー本を印刷するおじさん軍団を見るのは壮観ですが、結果的にPCブースの空き待ちでかなり待たされることになるので余裕をもって事前に来店・印刷するのが良いでしょう。

今回の出展による収支

本の印刷代金については以前の技術書典17の時点で支払い済みであるため、印刷単価をもとにして今回の売上原価の合計金額を計算します。

売上

種別 単価 頒布数 合計
売上(物理本+DLカード) @1,000 96 \96,000
売上(DLカードのみ) @900 2 \1,800
合計 --- 98 \97,800

費用

種別 金額 備考
コミケサークル参加料金 \14,000 2sp申し込み
コミケ駐車場代金 \3,500 自家用車利用・自己搬入のため
印刷代(ラクスル) \5,470 名刺・カード3種
印刷代(キンコーズ) \2,250 A1サイズ・セルフポスター印刷
合計 \25,220

売上原価(物理本のみ)

名称 印刷単価 頒布数 売上原価合計
既刊① 英語学習本 @322.17 50 \16,109
既刊② PowerShell本 @451.34 29 \13,089
既刊③ タイムスタンプ本 @446.5 17 \7,591
合計 - 96 \36,789

(※印刷単価およびは小数点2位までで繰り上げ計算、合計額は小数点繰り上げ)

損益

97,800(売上) - 25,220(費用) - 36,789(売上原価) = 35,791(損益)

この収益分から売り子の方への謝礼もあるのでこの金額がまるまる自由に使える金額となるわけではありません(同人活動の厳しいところ・・・)。

見かけ上の利益は大きく見えても、活動初年度ということもあって、備品や新PCの購入などで費用がかさみ年間を通したときの収支はマイナスでした。

とは言え、同人誌イベント参加ごとに着実に収益は出ているので、年間を通して印刷代金・書籍代・ソフトウェアライセンス購入代金、そしてコワーキングスペース利用料金の大部分を相殺することができました。これにより技術的チャレンジをしたり、新たな機材を買うための資金的余裕も生まれました。

来年は備品や消耗品の購入は少なくなるはずなので、もう少し帳簿上の数字は良化すると思います。来年は目指せ黒字!ということになるでしょうか。

総括

今年は色々あった年でしたが、はじめて創作者としての第一歩を踏み出せた気がします。新顔の立場でありながら、色々な人に本を手にとってもらえたのは幸いでした。

技術書典16/17、そしてコミケ105と締め切りに追われて厳しい時期もありましたが、活動初年度としてはかなり恵まれたスタートになりました。今後もできるだけ息の長い創作活動を目指して継続的アウトプットを出せるよう努力したいと思います。

備考

サークルお気に入り数に関する参考情報

https://note.com/cohiru_ei/n/n0d4e25112e83
https://note.com/_zenzo/n/ncbb5e14ae345

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