Atlassian Rovo Dev を試してみた
AtlassianからClaude Codeに似たCLIベースのAIエージェント「Rovo Dev」がベータ版として発表された。今回実際にインストールして使ってみたので、その手順と使用感をまとめる。
Rovo Dev とは
Rovo DevはAtlassianが開発したCLIベースのAIエージェントで、ターミナル上で開発作業をサポートしてくれるツールだ。Claude Codeと似たような使用感で、コード生成やファイル管理などの機能を提供する。
インストール手順
1. サインアップ
まずAtlassianの AI Innovation ページからサインアップを行う。
2. Atlassian CLI のインストール
Atlassian CLI の公式ガイドに従ってAtlassian CLIをインストールする。
今回はDev Container上にUbuntu (jammy) 環境を構築し、その中でインストールを実施した。
3. APIトークンの作成
Atlassian の API トークン管理ページでAPIトークンを作成する。
重要な点として、Rovo Devはスコープ付きAPIトークンをサポートしていないため、Classic APIトークンを生成する必要がある。
4. 認証設定
以下のコマンドで認証を行う:
acli rovodev auth login
このコマンド実行時に、Atlassianアカウントのメールアドレスと作成したAPIトークンの入力が求められる。
5. エージェント起動
認証が完了したら、以下のコマンドでRovo Devエージェントを起動できる:
acli rovodev run
使用感とレビュー
基本機能
Rovo DevはClaude Codeと非常に似た使用感を提供する。主な機能として以下が利用できる:
-
/sessions
- エージェントセッションの表示・管理 -
/clear
- 現在のセッション履歴のクリア -
/prune
- コンテキストを保持しつつトークンサイズを削減 -
/instructions
- 保存された指示の実行 -
/memory
- メモリファイル管理 -
# <note>
- Rovo Devのローカルメモリファイルにノート追加 -
#! <note>
- ローカルメモリファイルからノート削除 -
/feedback
- フィードバック送信・バグレポート -
/usage
- 日次LLMトークン使用量表示 -
/exit
- アプリケーション終了
認証周りの制限
スコープ付きAPIトークンがサポートされていないことに関して質問したところ、組み込みコマンドでAtlassianリソースにアクセスしようとして認証エラー(401)が発生した。これは恐らくacli jira auth login
などの他の認証設定を行うことで改善される可能性があるが、詳細は検証していない。
パフォーマンスと品質
コード生成に関しては、体感としてやや遅い印象を受けた。生成品質については今回は詳細な検証を行っていない。また、やりとりが終了すると最終結果をまとめて表示してくれる機能があるが、中央寄せのフォーマットなどが採用されており、やや見にくいと感じた。
利用制限
セッション終了時に使用状況が表示される。現在の制限は以下の通りだ:
- セッションあたり: 200K tokens
- 日次制限: 20M tokens
かなり余裕のある制限となっており、一般的な開発作業では十分な容量が提供されている。
まとめ
Atlassian Rovo Devは、Claude Codeライクな体験をAtlassianエコシステム内で提供する興味深いツールだ。まだベータ版ということもあり、認証周りの制限やUI/UXの課題はあるが、基本的な機能は十分に動作する。Atlassianの各種サービスとの連携を考えると、JiraやConfluenceを使用している開発チームにとっては将来的に非常に有用なツールになる可能性がある。
一方で、自分のようなAtlassian製品と直接関わりが少ないユーザーにとってはCoding Agentとしての性能が重要になってくる。この点はもう少し検証してから、面白い点があればまたブログにしたい。
どちらにせよ 20 M tokens / Day は現在使えるCoding Agentの容量としてはかなり多いのでなんらかの用途はあるように感じている。
Discussion
記事の方、参考にさせていただきました。
一点ですが、エージェント起動の
acli rovodev auth run
ですが
acli rovodev run
でないかと。
ありがとうございます!修正しました!